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【詩.1】記憶のワイン

ずっとコルクで閉じておいた 
大切に育んだ記憶を今君に明け渡す 

細やかで傷つくこともあったけど 
だからこそ
些細な言動に隠れた優しさや愛に
気づけることもあった

見た景色生き方も僕らはまるで違うけれど
だからあなたの深みや内側からの麗しい香りに夢中になれた

赤い叫びと清らかな白い光
それこそ僕の全て 君に味わって欲しい

記憶を飲み干せば 
明日はもう忘れて 
ただ微睡んで

そうすれば

尖っていた心も丸みを帯びて 
息遣いや君の滑らかな体に優雅な香りが
纏わりつくだろう 



愛の果実が実ったら 圧搾して
2つの想いをコルクで閉じる
体は老いてゆくが 時が経つほど芳しく香る
2つの記憶

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