幾 優大

詩を書いていこうかと

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【詩.3】夏の亡霊

明日を忘れて眠りの街で踊る言葉を交わすのは 暗い夜の寂しさから逃げる術は それしか無いと悟ったから 不器用なこの手では  触れる物全てを傷つけてしまう だから 誰も悲しまない様 亡霊になって この身を消すんだ そうすれば君の体の内側にも入ってゆける 爽やかな泡が弾けるような歌で 踊れないはぐれもの 夏の亡霊 温い風が絡む 群れるほど寂しく心が浮かぶ 僕は夏の亡霊  誰も触れられない世界で遊ぶ いつか 誰も触れられない世界へ君を 攫ってみせる

    • 【詩.2】この世から飛び立つ時

      空は人の想いを映し  雲はこの惑星の想いを浮かべる この世から飛び立つその時は  生活の中で零れた 2人の愛だけを持っていく 最初からそう決めていた   次元を越える翼が生えて  君とはしばしのお別れさ 悲しみから溢れる涙はこの翼で包んでやろう ビル群の影に曇らされ  型にはまる事を求められ それでも自由をただ夢見て 命を燃やして生きてきた 後悔など微塵も無い ただ安らぎと光に満ちた世界で また逢おう そして何も考えず  2人で愛と戯れよう

      • 【詩.1】記憶のワイン

        ずっとコルクで閉じておいた  大切に育んだ記憶を今君に明け渡す  細やかで傷つくこともあったけど  だからこそ 些細な言動に隠れた優しさや愛に 気づけることもあった 見た景色生き方も僕らはまるで違うけれど だからあなたの深みや内側からの麗しい香りに夢中になれた 赤い叫びと清らかな白い光 それこそ僕の全て 君に味わって欲しい 記憶を飲み干せば  明日はもう忘れて  ただ微睡んで そうすれば 尖っていた心も丸みを帯びて  息遣いや君の滑らかな体に優雅な香りが 纏わりつ

      【詩.3】夏の亡霊