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【虎に翼】第68〜70話(ネタバレあり)7月3〜5日感想

『虎に翼』第14週(水)〜(金)

先週は火曜日まで感想を書いたまま、忙しくて更新できず。
変わらず『虎に翼』は見ていたのだけど、ネットニュースやブログなどで他の人のコメント、感想を読んでしまってからだと自分の感想がぶれてしまいそうだったので未だに読めていません。ネットの感想読むと自分とはまた違った解釈・感想を持った方たちがたくさんいるので面白いんですよね(早く読みたい)。

そして『虎に翼』第14週の水曜からの話もまたてんこ盛りで。
どこから感想を書けば良いのか迷うところではありますが、まずは優未。
優未と寅子の関係が非常にまずいような気がしてならない。
寅子は自覚がないのだろうけど、優未に関心がなさすぎる。自覚の無さがまた余計に優未を傷つける。

「だって優未とじゃキラキラしないから。」

ついに出てしまった優未からの言葉。

子どもは親のことをよく見ている。
だからこそ親も子どものことをよく見ていないといけない。
子どもの気持ちだけが置いてけぼりになってしまっている。

はっきり言って他人の家庭の離婚問題に首を突っ込んでいる場合ではない。
栄二くん、確かに可哀想だったよ。
両親の離婚ってだけでも大ダメージなのに、その両親が共に親権を手放したがっているなんて。そりゃ非行に走りたくなる気持ちも分かる。この子の両親もまた、子どもに無関心なんだ。自分のことばっかり。

一方で、尊属殺についての最高裁判決が合憲となった。
反対意見を訴えたのは15人中たったの2人。
そのうちの1人は穂高先生だった。

どんなに不条理な世の中であっても、諦めない。
いつまでだって声を上げ続ける、はずだった……。

たぶん、穂高先生だってそうしたかったしそのつもりだった。
でも。
体調がよろしくないとのことで、穂高先生は退任することになったわけだけど。

穂高先生との関係が気まずいなりにも退任祝賀会の準備を手伝ったり、花束贈呈の役目を請け負ったり(途中で放棄したけれど)、まあ寅子は寅子で、お世話になった恩はきちんと感じていたわけで。

穂高先生もまた、寅子に対する思いは「ただの教え子」以上のものだったことは間違いなく、その証拠に「祝賀会に来てくれてありがとう、嬉しいよ」と言った時の穂高先生の喜びようはちょっと異常なほどだった。

そんな穂高先生を若干引いたような顔で見ていた寅子。
この温度差は、寅子側にしか分からない。

そのうえで、穂高先生の退任の挨拶はひどいものだった。
少なくとも寅子にとっては。

まさか最後の最後に穂高先生の口から出てくる言葉がこんなものだったとは。

穂高先生と寅子は女学校時代からの付き合いだ。
この関係性はなんとも形容し難くて、師弟関係であるのはもちろんだけど、それ以上に親子のようでもあり、同士のようでも憧れの人でもあった。
お父さんもお母さんも亡くなってしまった今となっては、寅子にとって穂高先生が唯一の「なんだかんだ言っても尊敬できて本音で話せる信頼できる大人」だったに違いない。

その穂高先生の最後の挨拶は、まるですべてが無駄だったと、世の中あがいてももがいてもどうにもならないことがあるんだと、諦めにも似たような、穂高先生が自分自身のことまでも否定してしまったようなものだった。

自分のことを「大岩に落ちた雨垂れの一滴にすぎなかった」と言ってのけたのだ。

その昔、寅子たち女子部の生徒に「雨垂れ石を穿つ」と言って、「無駄でも駄目でももがけ、抗え。今すぐはどうにもならなくたってきっといつか報われる日が来る」と背中を押してくれた穂高先生の口から、自分自身を「雨垂れの一滴にすぎなかった」なんていう諦めの言葉は聞きたくなかっただろう。

それを老化のせいにして、「あとは任せる」ではずいぶん無責任ではないのかと寅子が怒る気持ちもよく分かる。穂高先生は寅子たちと一緒になって抗ってくれる、ふんばってくれる側の「唯一の大人」であり、「希望」だったのだから。「無理だった、できなかった、あとはよろしく」ではあまりにもひどい。寅子の、少女だった頃からの「希望」がなくなってしまった瞬間だ。

そんな穂高先生が亡くなったのが14週の終わりだった。
金曜日の回では、冒頭に穂高先生が寅子に会いに来る。
そこでなんとなくの和解と、なんとなくの歩み寄りを見せる。
あの空気感はまるで親子だった。どんなに大きな喧嘩をしても、どれだけ気まずくなっても、根底ではお互いのことをとても大事に想っている。

穂高先生は体の調子が悪いと言っていたから、このまま喧嘩別れしたまま会えずに終わるのは嫌だと思ったんだろうな。とにかくその後、穂高先生は亡くなってしまった。

先週の予告での喪服のシーンはこれだったか。やはり穂高先生がここでお別れなのだ。私の大好きな穂高先生が今週でもう見れなくなるのかと思うととても悲しい。そして寂しい。
だけど、だけど。
寅子のお父さんやお母さん(特にお母さん)が亡くなった時のような喪失感はなかった。ごく自然に、「そうか亡くなったのか。穂高先生もご高齢だったしな、うん。」と、すんなり受け入れられる死だったのは、その辺がやっぱり親子ではなく恩師だったからなんだと思う。私にとっても、お母さん(はるさん)はそれほどまでに偉大だったのだ。

さて、栄二くんのほうは上手にまとめてなんとか「叔母さん」という解決策を見出だせた寅子だけど、自分の娘のほうはどうするつもりなのか。
このままではあまりにも優未が可哀想、というところで14週が終わる。

そして予告では案の定、寅子の家がまずいことになってしまいそう。
あの温厚な花江ちゃんがブチ切れているんだから余程のことだ。


寅子、今日わたしは月曜日(第71話)も見たけれど、ひどかったよ…(涙)
どうしたらいいんだろう。このざわざわと落ち着かない気持ちを、またあとでまとめられたら記事にしたいと思います。


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