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P.F.ドラッカーと学校組織、そして、働き方改革

「現代経営学の父」「マネジメントの神様」と称されるピーター・F・ドラッカー。
経営の本質を体系化し、世界中に大きな影響を与えたとされる『Management』という著書が出版されたのが1973年、翌年の1974年に邦訳され、今なお日本でも読み継がれています。

2005年にドラッカーが亡くなってから、20年近くの月日が経っています。
いまでも、ネットで「ドラッカー/マネジメント」と検索すると夥しいHPが出てきます。ちょうど、自分が教育現場で過ごしてきた時代と重なっていることやもともと経済学を専攻していたこともあり、ドラッカーには関心を寄せて、その著作を多少眺めていた頃がありました。

学校の働き方改革に目を向けていた時には、それまで目にしてきたドラッカーの発想がとても有意義に思え、その考えから発想したり、引用したりして話をする機会も多くありました。

今、学校を外から眺め、その支援をできないものかと改めえて考え、学校のタイムマネジメントに関心を寄せる中で今一度、ドラッカーの発想を振り返ってみたくなりました。

今、手にしている著作は、次の2冊です。

読み直してみても古さを感じないどころか今でも考えさせられる視座を与えられるように感じています。

学校の働き方改革は、働く先生方の生き方革命でもあり、豊かな人生を生きるために必要不可欠なものだと考えてきました。ドラッカーの思想にはそうしたことに繋がることが根底にあるように感じます。

著作は、分厚い重厚なものであり、翻訳の表現も易しく読みやすいものではないと思いますが、改めて、学校現場の働き方改革、ひいては、係る人々の生き方改革の参考にならないものかと読み直してみたいと考えています。

学校自体も私が勤務を始めた頃から30年以上も変わらぬ姿であることも多くあります。だとすると、その時代と重なるようにして思索されてきたドラッカーの思想や考え方は、変革を遂げてきた企業の組織以上に学校組織の改革には示唆に富んだものがまだまだあるのではないかと思うからです。

「ドラッカー名著集13 マネジメント[上]―課題、責任、実践」には、
「公的サービス機関の成果」という章があり、そこで語られていることは、今の時代にもそのままの課題として残されていることがままあるように感じます。

学校や病院は、いずれもひと昔前には想像できなかったほど巨大化した。予算はさらに増加した。しかも、あらゆるところで危機に瀕している。一世代か二世代前には、公的サービス機関の活動が問題になることはなかった。ところが今日では、その活動の不振はいたるところで攻撃の的である。
「ドラッカー名著集13 マネジメント[上]―課題、責任、実践」
公的サービス機関はマネジメントされているか
ようやく今日、公的サービス機関自身がマネジメント指向になってきた。いまいずれの公的サービス機関も、企業からマネジメントを学ぶのに忙しい。あらゆる公的機関が、マネジメント教育、自己目標管理(MBO)、その他企業で発展したマネジメント手法に取り組んでいる。しかし、かといって、彼らが公的サービス機関特有のマネジメントの難しさを理解できたわけではない。いまはまだ、自分たちが行うべきマネジメントを行っていないということに、ようやく気がついたという段階に過ぎない。
「ドラッカー名著集13 マネジメント[上]―課題、責任、実践」

「1974年、ドラッカーは本書において、独自の経営論を体系化し、ドラッカー経営学というべき大著に仕上げた」とアマゾンで解説される著作です。
しかし、その書かれている内容は、とても50年近く前にかかれたものとは思えません。

もう一度、ドラッカーの思索したことを学び、そこから何かのアクションを導いてみたいと考えた理由です。


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