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自閉症スペクトラムの特徴、強いこだわりの対処法は?

自閉症スペクトラム(ASD)の特徴のひとつとして、特定の物事への執着や強いこだわり、というものがあります。
この強いこだわりの対処法について、ASDの診断を受けている僕の息子を例にして考えてみたいと思います。

不安からくるパニックは対処できる!

そのこだわりの強さから、自分の中のある、一定のルールからはずれることが許せなくなるのです。
そのルールを理解して認めてあげて、周りの人が歩み寄ってあげると、本人は安心して、穏やかに過ごすことができます。
安心感があると、素直でとても可愛らしい一面を見せてくれます。

物心つく前からこだわりは強かった

それは2歳頃からで、最初は電車に強いこだわりを持つようになりました。
親が何も言っていないのに、自ら興味をもち、どんどんのめり込んでいきました。
暇さえあれば、近所の踏切へ行き、行き交う電車を眺めていました。
家では電車のDVDを、ディスクがエラーになるまで繰り返し見ていました。
電車のおもちゃにも自然と手が伸びるようになっていきました。

強いこだわりで日常生活で支障が出るようになった

ひとつ好きなことがあるぐらいなら問題ないのですが、日常生活でのこだわりは、なかなかハードな面があります。
まずは場所へのこだわりです。
外食が本当に大変でした。
何が嫌なのか親としては全く分からないのですが、お店に入ろうとすると大泣きして絶対ムリを主張してきます。
お店にも迷惑がかかるのでそのお店はやめても次のお店でも大泣き。
最終的にはコンビニで買って食べる、なんてこともありました。

道順のこだわりも強くあります。
幼稚園の行き帰りの道は決まった道でないと泣いてパニックになることがありました。
また、カーナビは自分でセットして、その通りに進まないと大泣きし、「止まれ!」、「引き返せ!」で、車内で大暴れの時もありました。

予定、見通しがつかないと不安でパニック

遊びに行ったり旅行に行ったりする場合も大変です。
まず、出発前に全体のスケジュールを決めて、伝えます。
できれば、何時に何をする、という時間の予定も伝えます。
そうしないと、その場で、「じゃあおやつにしよう」とか言っても混乱して暴れてしまうこともあります。

幼稚園でもそうでした。
1日の予定があっても急に予定変更すると対応できず、パニックになり、一人事務所待機、なんてこともあったようです。
「次は○○をします」と言われても、動けないことも多いです。
予定が決まっていて、それ通りに実行すると安心なんです。

工夫すれば、楽しく過ごせる

そんな息子のこだわりですが、工夫さえすれば、本人も周りも楽しく過ごすことができます。
息子が5歳の時、僕と2人で夏休みに2泊3日の京都旅行に行きました。
予定が決まっていると安心して行動できると分かっていたので、その時は旅のしおりを作って、3日間の行動や電車の予定を決めて行きました。
本人もとても楽しめたようで、3日間おだやかに過ごすことができました。
準備は大変ですが、その分本番の満足度は高かったです。

大事なお子さんの為に、どれだけ手間暇かけられるか

最近は共働きも増えて、子供のためにかけられる時間が十分に取れないという人も多いでしょう。
ですが、少しでいいのです。お子さんに歩み寄ってあげるのです。
お子さんが安心感を感じられれば、お子さん本人も、そして親御さんも穏やかに過ごすことができます。
何が不安なのかを感じてあげて、少しでも和らげてあげられる工夫を取り入れることが大事です。
道順なんかは、子供の言う通りにして多少遠回りしたって、結果は大して変わりません。それぐらいは譲ってあげればいいのです。
それだけで、その後が穏やかに過ごせるなら、僕はいいと思います。
ぜひ、お子さんのこだわりを許してあげる余裕を持ってほしいと思います。
そして、そのこだわりを一緒に楽しめるようになると、最高ですね!

では、また。

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