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2020年エンジニア採用市場の動向振り返りと企業側のポイント

あけましておめでとうございます。

新年最初のnoteですので、非常に特異な年となった2020年を「エンジニア採用市場」の切り口で振り返りつつ、2021年の抱負を簡単に述べさせていただきたいと思います。

市場の動向概観

2019年末までの採用市場は特に活況で、プログラミングスクールを卒業したばかりのジュニア層でさえ比較的転職することが容易であったり、若手フリーランスも強気の報酬設定で仕事を得られることが多くありました。

しかし、2020年の2月頃からじわじわとコロナウイルスの影響が出始め、メガベンチャーを含む一部のIT企業では中途採用がストップする事態へ。そんな中、3月はもともと契約更新の時期である場合が多く、それに合わせて業務委託(フリーランス)の契約終了を告げられるケースが増加するなど、業務委託エンジニアにとっては厳しい状況となりました。

7月くらいになると、エンジニア市場も若干の回復傾向となりましたが、実務未経験のジュニアエンジニアには厳しい状態が続き、多くの人材が市場に残ってしまっている印象を受けます。

例年との相違について

例年3月頃は、多くの人材が市場に出て来るタイミングです。背景として多くの会社が3月までを一年度と設定していることから、3月末で退職し4月から新天地に移ろうとする正社員やフリーランスが多いこと、またプロジェクトの切れ目のタイミングとなり移らざるをえない人が発生することが挙げられます。

しかし2020年は、正社員エンジニアはチャレンジよりもリスク回避を優先したのか例年より市場に出てこず、ポジションの流動性が鈍かったため、空いたポジションを業務委託で補填する機会も少なくなったようです。

その上で市場に出てくるエンジニアは、スキルに自信のある「強い」エンジニアか、2019年までであればどうにか職に就くことができたはずの「ジュニア」のエンジニアでした。当然ながら「強い」エンジニアは母数が少なく、「ジュニア」のエンジニアは供給がダボついていた印象を受けます。

フリーランスも傾向としては似ており、全体として募集は減り、より即戦力性を求められるため、経験3年未満のエンジニアには厳しい状況でありました。ただし、3年以上の経験があるWebエンジニアやモバイルエンジニア、AIエンジニア、データエンジニア、クラウドインフラエンジニアなどは変わらず需要が高く、あまり大きな打撃はなく2020年も過ごしていたと感じています。E3のエンジニアは多くがこの層にあたるので、実際に影響は小さかったですね。

その後、緊急事態宣言が解除されたのちの7月くらいには、元々転職意欲のあった経験5年以上のミドル層のエンジニアたちも徐々に市場に戻ってきました。人材が育つのを待つ時間が無いスタートアップにとっては、どうにかしてミドル以上のエンジニアを採用しようと試行錯誤する状況が続いています。一方ジュニアエンジニアの門戸は依然として狭く、未だに多くの人材が市場に残ってしまっている状態であると感じています。

企業側のポイント

多くの変化に見舞われた2020年を経て、企業側はどんな対応を進めていくべきなのでしょうか。大きく3点を挙げさせていただきます。

まずは採用フローのオンライン化について。
3月以降はオンライン面接が一般化し、採用する側としてはオンラインのみでいかに人物面を読み取れるかが課題になるとともに、従来の対面での面談面接を求めると候補者側にマイナスな印象を持たれることもありました。このトレンドは2021年も継続していくと思われるので、ツールの導入だけでなく、オンラインでの採用活動のナレッジを積極的に集め、採用側もレベルアップしていく必要があります。

次に、採用ターゲットの拡大について。
経験者層のエンジニア採用ハードルが上がっている昨今において他社に先んじて良いエンジニアを採用するためには、地方からフルリモートワークを希望する人も受け入れていくことが必要であると感じています。
採用業務をしている中で、多くのエンジニアがリモートワークを希望していることを実感しました。コロナウイルスをきっかけに広がったオンライン面接やフルリモートワークの環境においては、地方在住の優秀なエンジニアを採用する障壁も大幅に軽減されていると思うため、他社に先んじて対応することは大きな採用チャンスになると考えられます。

最後に、潜在層へのアプローチについて。
以前からリファラル採用など潜在層へのアプローチは重要視されており、現在のように社会的不安がある中では、状況が急変する可能性が常時より高いためより一層有効であると考えられます。
リファラル採用を促進するサービスやツールなどの活用はもちろんながら、段々と「個人」から「個人の集まるコミュニティ」の重要性が高まっており、自社が求めるエンジニアのペルソナに近い層が入っているコミュニティにアクセスし、直接的かつ即効性を強く求めず、まずはゆるく繋がっておくところからじわじわと自社へアトラクトしていくことが理想的だと考えています。

さいごに、E3 新年の抱負

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ここまでお読みいただきありがとうございました。

私がE3を創業した当初、リモートワークを希望するエンジニアに仕事を紹介したり企業に希望を伝えることはかなり非現実的とも言えましたが、それが今では当たり前になりつつあります。逆にリモートでも成果を出せる人が評価されるようにもなってきました。

確実に社会が変わり始めた2020年にE3が着実な歩みを進めることができたのは、いろいろな形で協力してくれたE3コミュニティのメンバーのおかげだと思っています。前職からそうですが、周りの方に支えられて成立している自分でして、感謝しかありません。

2021年は、E3コミュニティ発のプロダクトをローンチすることや、E3をもう一段階引き上げられるCOOを採用することを具体の目標と起き、一層E3を通じて企業やエンジニアのみなさまに繋がりを提供していきたいと考えております。

2021年も引き続き、E3を宜しくお願い致します!

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