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ライブハウス営業再開に求められるソーシャルディスタンスの確保は本当に必要なのか考えてみた

こんにちは。
新型コロナウイルス感染拡大による国の緊急事態宣言が私の住む神奈川県で2020年5月25日に解除されました。それに伴い遊興施設などに出されていた休業要請が2020年5月27日一斉に解除されました。ライブハウスを含む全業種に休業要請を行わないことは日常が戻ってくる期待感に溢れた嬉しいものでした。

そんな期待を打ち砕かれたのがこちらのツイート

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神奈川県が業種ごとに出している感染症拡大防止策のチェックリストがあり、その中のライブハウス向けのチェックリストがあまりにも困難であるという内容のツイートです。

ライブハウスは集団感染が発生している場所でもあり厳しい対策が必要なのは当然といえば当然であるものの特に困難であると感じるのは、

客と客との間隔を2メートル以上確保する

という部分。握手やハイタッチ、大声での発声の禁止などももちろんライブハウスでの楽しみを奪うものでありますが、2メートルの間隔を確保するために客数を絞るのならドリンクチケットなど飲食代による売上もあがらず、更にライブハウスを借りた演者側が赤字を垂れ流すことが確定となり借り手が付きにくくなる等、これではライブハウスとしての営業が成り立つとは到底思えません。小さなライブハウスであればおそらく10人〜30人ほどで定員に達するでしょう。

いわゆる三密を楽しむ場所としてのライブハウス

密集・密接・密閉を略した『三密』なんてお寒い文句が言われて久しいですが、いわゆる三密を楽しむのがライブハウスでありライブハウスの非日常空間が明日へのチカラとなっていた人も多かったはずです。私もその1人です。いつかライブハウスで仲間と再会し乾杯をして、たくさんの人とライブハウスの爆音を楽しむことがまるで遠い夢のような感覚になっています。

チェックリストは誰のためのものか

神奈川県の事業活動再開に伴う感染拡大防止対策についてのページに掲載されている項目に

このチェックリストは、WEB登録すると「感染防止対策取組書」が施設ごとに発行され、入口等に掲示することで、感染防止対策を「見える化」してPRすることができます。

と記載があります。

チェックリストをweb登録すると店舗入口などに掲示するための感染防止対策取組書というのが発行できて、それを参考に利用者は店を選ぶ基準にしてほしいというのが黒岩神奈川県知事の方針のようです。

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動画内でも黒岩知事はそのような内容の話をしています。

そして先ほどと同じく事業活動再開に伴う感染拡大防止対策についてのページに掲載されている項目に

事業者の皆様におかれては、この「チェックリスト」をご活用いただき、徹底した感染防止対策を実施していただきますようお願いいたします。

と記載があります。
チェックリストを完成させ感染防止対策取組書を掲示することで利用者へのPRをすると共に、事業者にはチェックリストが完成する感染防止対策をとってもらいたいということだと考えられます。

つまりチェックリストは感染防止対策取組書を出すためのもので、利用者は感染防止対策取組書が掲示されている施設を利用してほしいということなのだとおもいます。休業要請を解除している以上ライブハウスには要請ができないため利用者に責任を負わせることが狙いだったのでしょう。これは自粛警察のような私刑の的になる可能性もありますね。

ソーシャルディスタンスを確保せずライブハウスは営業できるのか

神奈川県が作成した業種別チェックリストの存在意義は利用者のためのものであり全てを埋めた場合それを証明できる書類である感染防止対策取組書が発行できる、というだけでありソーシャルディスタンスを確保することが営業再開の絶対条件であるとは考えにくいと私はおもいます。

ソーシャルディスタンスに代わる仕組み作り

拡大解釈ばかりを述べても解決するとはおもえないので最後に提案として、ライブハウスではソーシャルディスタンスを確保することはできないものとして考えてソーシャルディスタンスに代わる仕組みをライブハウス側が作るのが対案になるのではないかとおもいます。以下に例として2つの案をあげたいとおもいます。

①ソーシャルディスタンスが必要だとおもわれる人を利用させない
・高熱や咳などの症状がある人
・感染リスクが高いといわれている高齢者
・泥酔者を含む周囲への配慮の欠ける人

②事前に体調が悪くなった場合に金銭的損をさせない
・チケットを予約のみに限定して公演日直前及び当日に体調が悪くなった人は無理をせず、ライブハウスに来ないよう呼びかける
・前売りチケットを販売する場合簡単に返金ができるか譲渡ができるようにする(これはチケット販売会社の協力が必要になる場合もあるとおもわれます)

両案ともソーシャルディスタンスの必要性を下げるものでライブハウスという非日常空間で安心して三密を楽しめる取り組みをライブハウス側が行うことも必要になってくるかとおもいます。

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