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『イースターのお菓子とイタリア人が選ぶドルチェ・ランキング』

今年の春は久しぶりに入社式が行われた企業も多くあるのでしょうか。この国にいると、入学式、入社式のようなセレモニーとは無縁ですから、ときどき日本のセレモニー、また新入生・新入社員以外の人たちも清々しい気持ちになれる感覚がとても懐かしいです。

さて、移動祭日の『イースター(復活祭)』ですが、今年は4月9日です。十字架にかけられて亡くなったイエス・キリストが復活したことを祝う日です。
宗教的な複雑なお話は少し置いておいて、この時に家族・親戚とイタリア人は集まり、昼食をいただきます。
お料理はもちろん、その時にいただくお菓子『ドルチェ・Dolce』は、白い鳩を模った『コロンバColomba』、卵を模したチョコレート『ウオーヴァ・ディ・パスクワUova di Pasqua』、南イタリアのナポリはお花の香りが特徴的な『パスティエーラPastiera』、シチリアの味わいが詰まった『カッサータCassata』、家庭や州により様ざまです。


時どき書いているとおり、イタリアでは各州で行事ごとに食べるお料理、お菓子が違うので、一概に言えませんが、『コロンバ』『イースターエッグチョコレート』は全国区でしょうか。

 イタリアでは何かをお祝いするとき、必ず登場するのがお菓子ですが、一体どのようなお菓子がイタリア人に人気なのかをご紹介します。

1.       ティラミスTiramisù
2.       カンノーリCannoli siciliani
3.       ストゥルーデルStrudel
4.       カッサータCassata Siciliana
5.       マリトッツォMaritozzo con la panna
6.       パスティッチョットPasticciotto
7.       パスティエーラPastiera Napoletana
8.       スブリソローナSbrisolona
9.       セバーダスSebadas
10.    テネリーナTenerina

 
10位 テネリーナTenerina(エミリア・ロマーニャ州フェッラーラ)
ダークチョコレートを使ったケーキは、オーブンで焼き上げた表面の食感、中のふんわりクリーミーな食感が特徴です。

9位 セバーダスSebadas(サルデーニャ州)
お菓子用のパスタ(パイ生地のようなもの/ただしバターではなくオイルを使います。)で特産品のペコリーノチーズ(羊のチーズ)を包み、揚げたお菓子です。揚げたてにたっぷりのハチミツをかけていただきますが、養蜂も盛んなサルデーニャ島ならではのお菓子です。

8位 スブリソローナSbrisolona(ロンバルディア州、エミリア・ロマーニャ州、ヴェネト州のヴェローナ地域)
北東イタリアでよく食べられるこのお菓子は、コーンフラワー、ラード、アーモンドを使い、貧しい農民たちの暮らしから生まれました。
北イタリアらしいのがコーンフラワーやラードでしょうか。また、ネーミングでわかるとおり、とても崩れやすいのも特徴です。

7位 パスティエーラPastiera Napoletana(カンパーニャ州ナポリ)
ナポリのイースターにかかせないお菓子は、 タルト生地に羊のリコッタチーズ、麦を使ったフィリング、オレンジの花が香るケーキは、南イタリアの人が春を感じる味わいでしょうか。

6位 パスティッチョットPasticciotto(プーリア州サレント)
タルト生地にカスタードクリームのようなフィリングを詰めて焼き上げたお菓子は、古い書物にも登場するほど長い歴史を持つと同時に、長い年月を経た今日も愛され続けています。

5位 マリトッツォMaritozzo con la panna(ラッツィオ州)
日本でもブームが起きたラッツィオ州のお菓子は、甘い生地のブリオッシュパンにホイップクリームがたっぷり詰められています。
マリトッツォの歴史は古代ローマ時代にまで遡り、その原型はシンプルな甘いパンだったようです。
現在、目にする生クリームたっぷりのマリトッツォはラッツオ風ですが、プーリア風、シチリア風もあります。

4位 カッサータCassata Siciliana(シチリア州)
南イタリアのお菓子によく登場するのが、リコッタチーズ、このカッサータも羊のリコッタチーズを使い、シチリア、特にパレルモを中心にこのカッサータはイースターのテーブルにかかせないお菓子です。
デコレーションのフルーツシロップ漬けやマジパンにはシチリアらしい柑橘類、アーモンドプードルが使われているのでシチリアの景色が広がるような味わいでしょう。

3位 ストゥルーデルStrudel(トレンティーノ・アルトアディジェ州、フリウリ・ヴェネツィアジュリア州、ヴェネト州)
オーストリア=ハンガリー帝国の歴史を見ればわかるとおり、意外ではなくこれもイタリア北東部のお菓子です。
現在も、オーストリア、ドイツ、ハンガリー、イタリアでも愛されるリンゴをたっぷり使ったお菓子です。

2位 カンノーリCannoli Siciliani(シチリア州)
今では季節を問わずイタリア各地で年中目にしますが、シチリアを代表するカーニバル(謝肉祭)時期の揚げ菓子です。カーニバル時期にはイタリア全国で揚げ菓子を目にしますが、揚げ菓子の王様で間違いなさそうですが、美味しいカンノーリは揚げていることを感じさせない仕上がりなのでビックリです。

1位 ティラミス Tiramisù(ヴェネト州、フリウリ・ヴェネツィアジュリア州)
『私を上に引き上げて』と面白いネーミングですが、『天にも昇るような』美味しさが詰まったお菓子、老若男女問わず、年中愛されています。ビスコッティ・サヴォイアルディに香り豊かなエスプレッソコーヒーを含ませ、クリーミーなマスカルポーネとザバイオーネクリームが層になったデザートは日本の皆さんにもお馴染みですね。
 
皆さまのお気に入りイタリアン・ドルチェはランキングしていましたか。新生活でいつもより緊張した毎日を過ごしている人も多いことでしょう。
疲れたがんばった体をお気に入りのドルチェでホッとする時間を過ごすのもいいかもしれませんね。

『L'essenza della vita(レッセンツィア・デッラ・ヴィータ)~ 暮らしへのエッセンス ~』


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