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『イタリア新学年スタート』


比較的冷夏であったヨーロッパですが、これまでにない水害などもあった夏でした。

9月はイタリアでも新学期の季節であり、また新学年のスタート月でもあります。6月10日頃からはじまる3か月間の夏休みも9月10日頃に終わり、この期間、子どもをお世話している大人たちもホッとしているかもしれません。また、来週あたりから賑やかな学校になることでしょう。

さて、今日はイタリアでの学校について書いてみます。
イタリアの小学校は5年制、中学校は3年制、義務教育期間は8年です。その後、高校が5年と続きますが、新入生を迎えるこの時期であっても、日本のように入学式はありません。
町の光景として新学年がはじまるのかと感じるのは、大型スーパーや町のお店で学校に持って行く鞄や文房具が並ぶことでしょうか。
イタリアの小学1年生は6歳からで、9月に新学年がはじまりますが、1月生まれから12月生まれの子どもたちが同じ学年です。
9月の時点でまだ5歳8か月の子どもが一番小さいようで、その小さな子たちが目を輝かせて教室で座っています。

新学期の日本では学校で新しい教科書を受け取りますが、こちらでは学校からリストを渡され、新学期までにそれぞれの家庭で揃えます。
もちろん、教科書を取り扱っている書店での購入、兄弟や親せき、近所のお友だちからのお下がりを使うこともできます。
新1年生が揃えてもらうひとつにランドセルがありますが、ここの子どもたちが背負うことはありません。それはほとんどの場合、学校への送り迎えを親または親の責任を行使する人が行う(山間部などバスに乗る場合などを除く)ため、体に合ったもの、使いやすさ、機能性を考えるより、リュックタイプやトローリータイプと様々なサイズや形状、何よりも子どもたちがお気に入りのキャラクターなどがプリントされたものを選んでいるようです。通学鞄にキャラクタープリントを選ぶのは、日本のようにバラエティー豊かなかわいい文房具が揃っていない反動かもしれません。
日本では最近、キャラクターものではなく、シンプルで、おしゃれな感じである商品を選ぶ親御さんが多いかもしれませんが、昭和に義務教育を受けてきた筆者は、お気に入りのキャラクターの文房具、その上名前入り一式を揃えてもらったように記憶しています。イタリアの子どもたちが日本の文房具売り場を見たらきっと目を輝かせるかもしれません。

地理的な状況や暮らす場所など個別の事情もありますが、一般的に親または親の責任を行使する人が送迎をしています。正しくは、登校時は送る義務はな(登校すれば学校が確認できるから)、下校は14歳まで登録した大人が迎えに行くことになっています。そのため、職場の始業時間に間に合うよう、日本より早い時間に学校がはじまるようです。ただし、親や親の責任を行使する人がその責任において迎えをなしで下校させることもできます。届が必要なようですが、中学生になれば下校を生徒たちだけでするケースも多いと思います。

さて、そんなかわいい新1年生を迎える子どもたちが公立学校に通うには、前年の11月からオンラインまたは教育機関で直接入学申込が可能になります。1週間の授業時間数は24-27時間、人員配置が対応可能であれば30時間までとなります。
また、週5日、6日や午後の授業導入は授業数や人員配置により変わります。
授業時間外として家庭の状況に合わせて、また学校の人員配置により40時間まで子どもたちが学校で過ごすことができます。
1クラスは最低15名、最大で26名とされていますが、各学校の入学申込の状況により最大27名までと定められています。
ただし、離島や山岳部などの地域では1クラス15名に達しない場合もあり、その場合は8名から18名までの複数学年混合クラス運営もあるようです。また、少数派言語地域では、10名クラスや20名以下の編成も存在します。
制度改革がされて少人数のクラス編成の印象のイタリアですが、日本同様少子化が進んでいる影響もあると思います。
確かイタリアでも人口が多い地域でのベビーブーム期は、午前中と午後で分けて運営していたこともあるようです。

そんなイタリアの小学校で学ぶ教科は、イタリア語、英語、歴史、地理、算数、科学、音楽、芸術、体育、テクノロジーです。
現在のところそれに加えてカトリック・宗教の時間が2時間あります。
ただし、その授業を受けない場合は、別の科目を勉強する、個別の学習支援など少し幅を持たせたカリキュラムですが、将来的には欧州議会からの勧告で求められている市民権やサステナビリティに焦点をあてたカリキュラムに変更していくようです。

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2020年3月から学校生活も大きく変化したイタリアですが、この9月からは校舎にまた子どもたちの明るい声が響くことでしょう。

Cr. Orrizontescuola
Cr. Pininterest


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