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中学生|俳句の鑑賞会 中学校の非常勤講師として
この記事は、日本俳句教育研究会のJUGEMブログ(2017.06.15 Thursday)に掲載された内容を転載しています。
参照元:http://info.e-nhkk.net/
nhkk事務局スタッフ:
「Q&A|俳句の授業の悩み 中学校の非常勤講師として(3)」その後の鑑賞会の様子を掲載いたします。
質問者さま:
句会・鑑賞会について追加をさせていただきます。
今回の鑑賞会は、①から⑥の手順で行いました。
前日に作った句の一覧を6人一組の6グループそれぞれに12~17句を割り振りし、その中から、好きな一句を選び、用紙に鑑賞を記入。
6人のグループで、①を読み合い、グループ内で最良と思われる一句を選出。
黒板に②を書き、グループとしての鑑賞を全体に発表。その際、②以外で高評価を受けた作品も発表。
作者を発表し、作者が情景や、思い、その季語を選んだ理由などを発表。
6作品6人の発表の後、教師が良いと思った作品について鑑賞。
感情語を用いた作品についてのアドバイス。
その中で、選ばれた句と鑑賞を少し紹介させていただきます。
◇五月晴れ青の絵の具で空をかく
・他のどの俳句より明るい感じがしました。今、美術の時間に絵の具を使っていて、みんな絵を描いている様子、情景が浮かんできて、のどかでいいなと思った。
◇五月晴れ窓の向こうは緑色
・電車の窓、教室の窓などという意味にとれる。夏は緑色という印象が強く情景が浮かびやすい。
・五月晴れを特別に感じられた。
◇梅雨に入りかさと仲よく帰る日々
・梅雨に入ると少しどんよりするけど、「かさと仲よく」が入ることで楽しい雰囲気になっていいと思う。
・「かさと仲よく」が句を明るくしている。
◇梅雨入りし今日もまた雨おどってる
・私は雨が降っていても「雨がおどってる」というとらえ方をしたことがなかったのでいいなと思った。
・「雨がおどる」という表現を使っていていいと思った。確かに、外に出ると地面に雨が跳ね返って踊っているようにみえるなあと共感した。音のリズムがいいと思った。
◇五月晴れ私を助けるユーチューブ
・私もタブレットでよく見るが、母に「ダメ!」と言われたのがずっと頭に残っている。
・憂鬱なこの季節、ユーチューブを見ると、確かに明るくなれる気がする。
◇五月雨や傘にあたるは何拍子
・雨の粒が傘に当たる音を音楽のように感じていることが良い。
◇梅雨入りし読んでる本が読み終わる
・雨で外に出られないという6月の梅雨らしさが表れていて良かった。
・ちょうど梅雨入りした頃に読み終わったのかな、「梅雨入りし」という季語から、悲しい本だったのかななど、いろいろ想像でき、良い句だと思った。
これらを受けて、私は
五月晴れナイスショットの声響く
五月雨の洗い立ての空青の色
梅雨入りだとなりの人がしぼんでる
五月晴れいつもの道で足はずむ
梅雨入りし雨降る音が子守り歌
五月晴れ聖堂の前転がろう
五月晴れ猫がのんびりあくびする
梅雨入りしかくれんぼした思い出は
梅雨入りし聖母の顔も水に濡れ
などを採り上げました。生徒達の選ぶものと私の選ぶものがことごとく一致しないことに戸惑います。なにぶん、私にも経験がないため、自信を持って評価できないのが現状です。(生徒の前では、自信満々に伝えていて少々心苦しいのですが……。)とりとめのないご報告になって申し訳ありません。
お恥ずかしい内容なのですが、ブログに掲載いただくことは全く問題ありません。読んでいただいた方に、ご批評やアドバイスをいただければこの上なく有り難く存じます。
nhkk事務局スタッフ:
先生の採り上げられた俳句の確かさの中に、「なんちゃってアクティブラーニング」とおっしゃる軽やかさと、日々教材に深く向き合う先生のご様子を垣間見させて頂きました。生徒さんたちも、先生の授業を、そして句会や鑑賞会を楽しんでいるに違いないと確信しました。
これからも、生徒さんたちの様子をぜひお知らせください。楽しみにお待ちしております。
最後に、先日の記事をnhkk副会長・夏井いつきがブログ「夏井いつきの100年俳句日記」(2017年6月8日)で紹介した時の書き込みから「紅の子」さんのコメントを紹介したいと思います。以下、転載いたします。
紅の子さん:
nhkkのブログ、句会の授業の様子を羨む思いで拝読させていただきました。なんと豊かな授業でしょう!一緒に上手くなれたらいいね、とおっしゃる先生、とても素敵な方であろうと想像してます。句をとおして、胸に抱えることを吐露できたりする子もいるでしょう。他人の句を理解しようと考えることで慮る心が育ったりすることでしょう。これからの授業が益々楽しく実り多くありますように!
皆様からの、ご意見やアドバイス等々、幅広く募集しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
■日本俳句教育研究会(nhkk)
「俳句」を教材とした様々な教育の可能性を研究する日本俳句教育研究会は、「俳句」を教材に教育活動を展開しようとする教師や俳句愛好家の情報交換の場になりたいと活動する任意団体です。
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