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小中学生|「子どもゆめ基金助成活動」子ども俳句教室

この記事は、日本俳句教育研究会のJUGEMブログ(2023.06.17 Saturday)に掲載された内容を転載しています。
参照元:http://info.e-nhkk.net/

nhkk事務局スタッフ:
高山佳風先生より、ほやほやの実践報告が届きました!
まずはご覧ください。



高山佳風先生:
俳句をはじめてちょうど2年の、高山佳風(たかやまかふう)です。

人生は不思議なものです。
こんな私でもいいのか、こんな私でも少しはお役に立てるのかという出来事が起こりました。

私は、仕事柄、TOSS という、1,338 人が参加する教師の教育研究団体の SNS に参加しています。

そこでは、組長のこと、俳句集団いつき組のこと、俳句を作る楽しさ、自分の入選句などをもっぱら発信して「俳句の種まき」をしていました。

すると、1 か月前の 5 月 7 日に突然、NPO 英語教育研究所代表の井戸砂織先生から、子供向けの俳句教室をお願いします、とオファーがありました。場所は、愛知県豊田市です。

その時は、さすがに、大した俳句の力もない自分が講師として、子供たちの前に立って良いものか迷いました。ただ、私は 37 年間小学校教師をしていたので、楽しく教えることに関しては、人並み以上ではあるかなと思い直し、微力ですが受けることにしました。

また、この俳句教室が、国立青少年教育振興機構「子どもゆめ基金助成活動」の一貫であること、主催者が、日本の伝統文化に子供のころから触れていくことを大切にする、志の高い、英語教育研究所であることも知りました。

そして、こちらが恐縮するくらいの、素敵なチラシを作ってくれました。

俳句教室当日までは、『世界一わかりやすい俳句の授業』『世界一わかりやすい俳句鑑賞の授業』『100 年俳句計画』『子供たちはいかにして俳句と出会ったか』、日本俳句教育研究会の『俳句の授業ができる本』を必死で読みこみました。

子供たちにわかりやすいように、パワポのコンテンツも作りました。

そして何よりも、昨年の藤枝での組長の句会ライブに参加して、イメージを持つことができていたのも大きかったです。

当日は、小 1~小 6 までの子供たちが 15 人。俳句を作ったことがある子は、たったの 2 人。

保護者 13 人、スタッフ 8 人も入れると、36人が集まりました。

さすがに緊張して迎えましたが、「十二音日記」が子供たちにはまり、次々と素敵な俳句ができあがりました。


【子供たちが作った俳句】全部です

夏の雲つかれる中も泳ぎきる

夏の空水の音きくスイミング

さか上がりがんばってたよ春の虹

サッカーのドリブルむずい炎天下

夏の空ドッジボールをがんばるぞ

てつぼうであしかけまわり夏の昼

マイクラでけんちくしたら夏の月

早くおき外に出て見た初日の出

せいこうだあしかけまわり夏の空

新記ろく七十一回夏の日に

夏の海およぎにきたる人のなみ

あさがおはあさにさくよとねったいや

じてんしゃでおでかけしたい風光る

お年玉ぜんぶあわせて一万円

サングラスおとうさんだけかけてるよ

夏の夜にがてなペットにさわれたよ

夏の空おなかちかづけさか上がり

どうどうときんちょうせず春祭

なんもんを毎日やった春の日に

にゅうがくしきいろんなともだちはるのひに

後半は、子供たちが作った俳句をみんなで読み解いていきます。次々と、子供たちが「感じたこと、いいなあと思ったこと」を発表してくれました。そして、なんと保護者やスタッフの皆さんまでもマイクに向かって、話してくれたのです。

楽しく、楽しく、盛り上がりました。


アンケートに書かれた、子供たち、保護者、スタッフの感想です。

【子供たちの感想】

★ほかのこのはいくをよみとることができ、17音の中からからじょうきょうを想像することができました。

★いろいろとかんがえながらはいくが作れて楽しかった。

★とても楽しかったです!!ぜんぶ楽しかったです。前にかざられた時、はずかしかったです。

★はいくをはじめてやってみたらむずかしかったけど楽しかったです。

★一生けん命に取り組んでいるのに心打たれた。

★たのしくてまたやりたい。

★楽しかった。 12 文字を考えるのがむずかしかった。

★たのしかった。

★自分ではいくをつくれて楽しかった。

★楽しかったし、てちょうをもらえてよかったです。


【保護者の感想】

☆身近な題材でたくさんの素適な俳句が出来上がり、とても勉強になりました。難しいと思っていましたが、これからもっと身近に取り入れてみたいなと思いました。

☆子供達が生き生きしていて笑顔をたくさん見られてうれしかったです。子供達の想像力がすごくて、その発言をきいているだけでとてもおもしろかったです。先生もステキな方で、楽しさを教えてもらえたと思います。今日は本当にありがとうございました。

☆とっても積極的に、意欲的に参加している姿が見れて、楽しかったです。あっという間に 時間が過ぎていきました。みんなの素適な姿が見れました。読みとる力すばらしかったです。

☆はじめは手も足も出ないという様子でしたが、発言をほめてくださるので、興にのって来たようで、楽しく俳句にふれられたようでした。参加されたお子さんたちの活き活きとした発想に驚かされました。

☆俳句を読みとく時のワクワク感、つくったことがうれしいし、ほめてもらえるのもうれしい。だんだんと手があがる子もふえていくのがすごかったです。前で丸を付けてもらった直後「なんかたのしくなってきた」と下の子。教室にも活かしたいです。

☆何気ない日常の出来事が季語をつけることですごく素敵な俳句になっていて、それが子どもでもできるというのがすごいと思いました。

☆楽しくみてました。本当に小学生なのかとおどろきです。

☆俳句が作れるか心配しましたが、皆さんと同じ様にでき、安心しました。

【スタッフの感想】

高山先生、本日はありがとうございました。子どもたちがどんどん笑顔になる。どんどん発表したくなる。授業とはこういうものか!と勉強になった一日でした。とにかく、俳句作り、俳句鑑賞がこんなにも楽しい物だったとは!感動の一日です。
友達の作った俳句の解釈を堂々と述べる。それを聞いて友達も笑顔になる。教室が実にいい雰囲気になる。そして、作者を明かす。真っ直ぐに伸びた手。「はいっ!」と嬉しそうに返事をする。こういう授業をしたいなあと心底思いました。そして、高山先生の「いい句だなあ~」の優しく包み込むような温かい声。保護者の皆さんも笑顔、笑顔でした。すてきな時間を過ごさせていただきました。
懇親会まで一日ご一緒させていただき、ありがとうございました。俳句を通して、日常が変わる。人生を豊かにしていきたいと思います。


私が、授業するに当たって心掛けたことは、ただ一つ。子供たちが作った俳句は、ひとつ残らず、いいところを見つけてほめよう。最後に「いい俳句だなあ」と必ず伝えようということでした。

また、公的な助成活動事業なので、子供たちに 1 冊ずつ、「俳句ノート」をプレゼントすることができました。子供たちは、宝物のようにしていました。早速、俳句を書き込む子もいました。

プレバト、組長の影響を受けて、2 年前に、母のお墓参りにいったときに、初めて俳句を作りました。その後は、いつき組を勝手に名乗り、俳句ポスト、おウチ de 俳句くらぶ、一句一遊などに積極的に投句するようになりました。

そして、今思うのは、私が俳句に出会ったのは、この「子ども俳句教室」に繋がっていたのだということです。

組長からいただいた「人生の杖」。

その杖を支えに、ささやかに「俳句の種まき」活動ができました。予想さえしなかった、人生のステージです。
心から感謝申し上げます。

長文をお読みくださりありがとうございます。

※追伸
「子ども俳句教室」60 分のあと、続けて「教師向け俳句学習会」90 分も、オファーいただきました。こちらもかなり盛り上がりました。この様子は、また、別のレポートでお知らせしたいと思います。



nhkk事務局スタッフ:
高山佳風先生、当日の息づかいまで感じられるような実践報告をありがとうございました。「教師向け俳句学習会」のご盛会の様子はもちろん、今後の高山先生からのレポートを楽しみにお待ちしております。


■日本俳句教育研究会(nhkk)
「俳句」を教材とした様々な教育の可能性を研究する日本俳句教育研究会は、「俳句」を教材に教育活動を展開しようとする教師や俳句愛好家の情報交換の場になりたいと活動する任意団体です。

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