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小さな魔法

最近、少し落ち込むことがあった。
程よく静かでぼーっと出来る所に行きたい!と家を出た。近くの公園のベンチに座り、出来事を反芻した。今のところ、有用な解決策は思いついていない。
何度目かの回想で、いい加減脳みそが悲鳴を上げ始めた時、私以外誰もいなかった公園に小学生くらいの女の子と父親が入ってきた。

🍋🍋

何もすることのない私はただぼーっと2人のことを眺めていた。少女は公園の中を乗ってきた自転車でぐるぐると走り回っていた。
しばらくすると自転車遊びに飽きたのか、父親に預けブランコを漕ぎ始めた。
勢いよく揺れるブランコはどんどん、どんどん高さを増し、少女と共に楽しんでいるようだった。元気で素晴らしい!と思い、ふと父親の方を見た。父親は少女が乗っていた小さな自転車に跨り、公園の中をぐるぐると走り回っていた。
こちらも元気で素晴らしい。

自転車と体格のアンバランスさが何とも言えない具合で少し笑ってしまった。
ちなみに少女はこちらに背を向けてブランコに乗っているので父親の様子には一切気がついていない。父親は父親でこの公園を楽しんでいるようだった。素晴らしい。

🍋🍋
ふと、さっきよりも自分が明るい気持ちになっていることに気がついた。悩み事は全く解決していないし、明日からの日常は相変わらず続いていくのだけれど。
少し元気が出た。不思議である。
2人にかけてもらった魔法のおかげで少なくとも今日一日は元気に過ごせそうだ。

皆んなもぼーっとしたい時は公園に行ってみると良いよ。
きっと誰かが小さな魔法をかけてくれるから!

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