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絵のない『えほん』の物語01

『うみちゃんとそらくん』

ちきゅうという とってもきれいなところに、うみちゃんという おんなのこがいました。
うみちゃんは そらくんがだいすきで、そらくんも うみちゃんがだいすきでした。

ふたりは いつも いっしょです。

むきあったまま にこにこして、よく まねっこあそびをします。
ときどき ほかのおともだちが あそびにきても、いつも いっしょです。

そんなあるひのことです。
まっくろな くもがやってきて、ふたりが あそべないように いじわるします。
うみちゃんは そらくんがみえなくて、とてもかなしくなりました。
そらくんも うみちゃんに あいたいのに、あえません。
それでも くもが いじわるするので、とうとう そらくんが ないてしまいました。

おおつぶのなみだが、あめとなって うみちゃんに とどきます。
うみちゃんは もっと そらくんに あいたくなりました。
そのおもいが おおきな なみになり、なみが かぜになって、そらくんの ところへ あがっていきます。

すると、くもはびっくりして どこかへにげていきました。
またあえた ふたりは おおよろこび。
そらくんの うれしいきもちが なないろの にじとなって ひろがります。
うみちゃんも とってもうれしくて まねっこあそび。
そうして ふたりで わらっていると、そらくんは ないたのが はずかしくなってきました。

みるみる かおがあかくなって、みみのさきまで まっかです。
それをみた うみちゃんも なんだかはずかしくなりました。

ふたりは いつも いっしょです。
いっしょにいると すごくしあわせです。

きょうも おそろいの ぱじゃまをきて ねむります。

あしたも あさっても ふたりは ずっとなかよしで、ちきゅうはずっときれいなのでした。

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