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「雑」という言葉がなんとなく好き。
中学生の時かな、年末に「一年を振り返って漢字一字で表しましょう」というような課題が出された。真っ先に思いついたのが「雑」だった。一度思うと他のことが考えられなくなるのが僕の常で、センスのよい親友に「つまんな」と一蹴されたにも関わらず、それで提出してしまった。
まあ、考えてみれば確かにつまらんアイデアなんだけど。

「雑」ってあまりポジティブな意味では用いられないことが多い気がする。
誰もが好きなのは雑煮くらい?

でも「雑」という言葉は、どうにも整理できない諸々を割とそのまま受け入れて、それでも一言でまとめてくれている。気張らず、優しく。
中学生のその年はいろんなことがあって、そのいろんなことを一つの色に染めずに、不自然な形に嵌め込まずに、残しておきたい気持ちになったのだ。なんとなく。

でもそんなことを思ったその年から、毎年「雑」。もう随分長いこと「雑」な日々を過ごしてしまっている。そうなるとなんだか悔しいもので、何一つ具体的にならない。そんなこともないのかもしれないけど。

僕は今、何かを具体的にしたい。雑感は大事にしたまま。
「強い人より優しい人に」なりたかった僕は、いつしか自分に易しいだけの人になってた。雑感が教えてくれた優しさ、愛おしさに甘えていてはいけない。強くて優しい人になりたい。そんなのは欲張りかしら。

そう。きっと「雑」は目指すものじゃないのだ。
毎日は、一生は、僕は、世界は、雑多なもので溢れてる。でも毎日必死にいのちは生きてる。何かを具体化して生きてる。結果雑多になるにも関わらず。壊すために創って、創れたがゆえに壊れることができる。

天才とバカは紙一重。
雑と妙も然り。

ちゃんと雑な文章になってよかった。

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