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今注目を集める「キッチンカー」の強さを大解剖!

25日、緊急事態宣言の全面解除が発表されました。
「第二波」到来の可能性もまだあるとはいえ、今後は段階的に外出自粛・ソーシャルディスタンスの基準を緩和しながら、徐々に新たな形の経済を模索していくフェーズに移っていくと考えられます。

コロナショックで浮き彫りになった外食の弱点

さて、外食産業は、このコロナショックで最も早くに深刻な打撃を受けた業界のひとつです。

飲食業は、典型的なフロービジネス(各顧客との取引の都度、収益が発生するビジネス)です。
ところが、フロー型なのは売上の方だけであって、費用は、食材原価を除いてそのほとんどが固定費化しています。
平時であっても利益率がそれほど高くない事業ですから、入ってくる収益の流れ(フロー)が滞れば、あっという間に存続は困難になってしまいます。


ポストコロナで注目を集めるキッチンカー

飲食店の魅力は、やはり出来たての食事やその空間で生まれる会話や笑顔にこそあるのであって、その根本的な価値は今後も変わらないはずです。
しかし今後は、そういった飲食店の価値もある程度残しつつ、非常事態にも強い新たな飲食のあり方が求められています。

そんな中で注目を集めている飲食ビジネスのひとつが、キッチンカーです。
「キッチンカー」とは、調理設備が内装された移動販売車のことで、「フードトラック」や「ケータリングカー」とも呼ばれることがあります。

今ではめっきり数が減ってしまったおでんやラーメンの屋台が、日本におけるキッチンカーの先駆けかもしれませんね。
近年よく見かけるのはクレープやケバブの移動販売ですが、ランチタイムにオフィス街でお弁当を売ったり、音楽フェスなどのイベントに出店したりするキッチンカーも増えてきています。


キッチンカーのメリット

では、に出店したりするキッチンカーも増えてきています。でしょうか?

まず第一に、通常の飲食店と比べて、開業資金や維持コストが少ないということが挙げられます。
中古のキッチンカーであれば、200万円以下で購入できるものもあります。
各種申請や保険、駐車場代などを含めても、およそ250~500万円が開業資金の目安となるようです。
また、飲食店の家賃にあたる駐車場代は車1台分のみ、少数の人員で運営できるため人件費も最小限、出店料は実質的に変動費化されるため、固定費の負担割合は非常に小さくなります

大規模な展開が難しく、客単価もそれほど高くできないため、「大きく稼ぐ」という点では劣るかもしれませんが、「生き残る」という視点でみれば、固定費の負担をいかに軽くできるかが鍵になるのです。
もちろん、そんなキッチンカーといえど簡単なビジネスではありませんが、営業しないときにはレンタルに出したり、廃業時には中古車として売却したりすることも可能であり、リスクは最小限だといえます。

さらに、主に屋外で営業するため「三密」を回避できるということも見逃せません。
場所によっては、周りにテーブルやイスを置いて営業することもできますが、基本的にはテイクアウト・デリバリー業態のため、今回のような状況下でも営業をほとんど止める必要がなかったのではないでしょうか。

そして何より、ベースはあくまでも「車」なので、「移動できる」ということが最大の強みになりえます。
「飲食店が繁盛するかどうかは立地がすべて」とも言われることがありますが、一定の制限があるとはいえ、曜日や時間帯などによって出店場所を変えられるというのは大きな武器です。
平日の昼間はオフィス街で出店、土日はイベントを開催する公園に出店、といったようなスタイルの営業ができるのもキッチンカーならではといえます。


キッチンカーのデメリット

もちろん、そんなキッチンカーにもデメリットはあります。

真っ先に思いつくのは、天候に左右されやすい出店場所の選定・確保が難しい営業許可などの各種申請が面倒である、といったところでしょうか。
また、調理器具や設備が限られるため、提供できるメニューやサービスの幅も限定されてしまいます。
仕込み場所の確保食材の保管調理・接客時のオペレーションなども、通常の飲食店とは勝手が異なるでしょう。

柔軟性の高いビジネスだからこそ、日次で損益を可視化して管理したり、リサーチやマーケティングに上手くデジタルを活用したりするのも重要になります。

限られた条件の下で、いかに効率化・差別化を図っていくがポイントかもしれませんね。


キッチンカーで開業するには?営業許可や出店場所は?

さて、いざ実際にキッチンカー事業を始めようと思っても、ゼロから自力で立ち上げるのは容易ではありません。

キッチンカーでの移動販売を始める際には、通常の飲食店と同様、食品衛生責任者の資格保健所の営業許可などが必要になります。
また、出店場所の確保についても、どのようにリサーチし、どのように交渉すればいいのか、はじめての場合には分からないことが多いと思います。

そこで最近は、キッチンカーの制作・販売だけでなく、そういった各種申請の代行やサポートに加え、出店場所の斡旋まで行ってくれるサービスもいくつかあるようです。

キッチンカーの開業支援を行うMellowは、ビルなどの空きスペースと出店したいフードトラックとをマッチングするプラットフォーム「TLUNCH」も展開しています。

さらに先日は、新車フードトラックのリース契約と各種保険をパッケージしたフードトラックのサブスプリクションサービス「フードトラックONE」の提供も発表しました。

また、全国の駐車場管理会社や土地活用会社と提携するKitchen Car Labも、キッチンカーの販売から申請のサポート、出店場所の確保までをワンストップで提供しています。


おわりに

今後、セントラルキッチンを持つ外食チェーンが、その設備やノウハウを生かして、大規模なキッチンカー事業の展開を進めるかもしれません。
あるいは、サラリーマンが週末に趣味として副業キッチンカーをする、というような事例も増えるかもしれません。

決して簡単なビジネスではありませんが、キッチンカーが様々なポテンシャルを秘めているのは確かでしょう。
これからどんなお店が登場するのか、期待が高まりますね。

皆さんも、この機にキッチンカー事業へのチャレンジを検討してみてはいかがでしょうか。




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