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編集人の京都の朝をぶらぶら◉擬宝珠に刻まれた文字の意味は? 京都・岡崎をぶらぶら

京都在住の編集人のモリタです。最近は少し観光客で賑わい過ぎの京都ですが、早起きして、じっくり街を歩くと意外な京都が見えてきます。

今週末は、京都・岡崎へ。

まずは、三条通から新緑が美しい白川沿いを北に歩いて、びわこ疏水の上に架かる慶流橋を渡り、京都市京セラ美術館へ。

京都市京セラ美術館では「村上隆 もののけ 京都」が開催中で、東の庭園には村上隆の「お花の親子」という金箔の巨大彫刻作品が展示されています。
西の神宮道には平安神宮の大鳥居があり、岡崎は美術館を挟んで東西に巨大建造物が並んでいる状態に。道幅は広く電信柱も一切ない、空にも開かれた空間、岡崎ならではの風景は今年の9月1日まで見ることができます。

そして、ロームシアター京都に寄りながら岡崎公園から平安神宮へ。

明治生まれの建造物が多い岡崎の中で、ロームシアター京都の前身「京都会館」は、戦後の昭和35年(1960年)に建てられた故前川國男さん設計の"モダニズム建築の傑作"。現在の建物は、その価値を検証し、香山壽夫さんの設計により2016年に生まれ変わったもので、さまざまな文化芸術のイベントが開催されていますが、週末はいつも満員のスターバックスと蔦屋書店のほうが京都市民には馴染みがあるかもしれません。

平安神宮は、明治28年(1895年)に開催された政府主催の内国勧業博覧会と平安遷都1100紀年祭のパビリオンの設置や時代祭の実施と同じタイミングで創建されたものです。
日中は多くの参拝客で賑わっていますが、明治の盛り上がりを今に伝えるものが、神宮道に残っています。それを最後に…

博覧会の正面にあたる慶流橋の擬宝珠に刻まれた「市民歓呼」という文字に注目してください。びわこ疏水の上に架かるこの橋を渡って博覧会へ向かった人々のエネルギーや、東京遷都で落ち込んでいた京都が再び賑わうことへの喜びが伝わってくる印象的な言葉です。

擬宝珠に刻まれた文字には橋を架けた人の思いや時代の空気感が書かれていることがあるので、古くから残る橋を渡るときには足を止めて観察するといいかもしれません。

明治150年にあたる2018年、私が編集していた「リトルノ」の春号で『京都おとなの明治さんぽ』を特集。京都高低差崖会会長の梅林秀行 さんの案内で岡崎を詳しく紹介しています。

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