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01.次世代カレンダーアプリ「Cron」とは。

2023.05.01追記 Cronが一般公開されました。


2022年6月10日、NotionがCronを買収したと発表。

急成長、急拡大をするNotionの新たな展開に大きな話題となった。
このnoteでは、これを機にCronを知った人、実際使ってみようと決めた人に向けCronの情報をまとめた。(2022/06/25までの公開情報)

興味を持った人は、とりあえずCronのサイトから「アクセスリクエスト」を送ることを勧める。どうやら現在は10日前後でアーリーアクセスの通知がくる。


※2023.05.01 追記部分
Cronが一般公開されました!
ウェイティングリストへ並ばずにサインアップできるそうです!
まだの方、ぜひこのタイミングでCron仲間になりましょう!

General availability

Cron is now available for everyone! Read more on our blog about this milestone and our continued commitment to building the next-generation calendar.

We’ve removed the waitlist, and everyone can sign up at cron.com. We should be able to handle the traffic now. You can still invite friends or teammates directly (Ctrl/⌘ K > Invite to Cron…).

Cronのメールから引用
ここまでが追記部分

そもそもCronとは?

Image Credits: Cron

「Cronは、プロフェッショナルとチームのための次世代カレンダーです。」

It's about time.
Cron is the next- generation calendar for professionals and teams.

https://cron.com/

Cronのサイトのトップはこの言葉から始まる。(和訳はDeepL)

人類のほとんとが、カレンダーをもとに生活やビジネスをするこの時代に、いまさら新しいカレンダーなど生まれるのだろうか。カレンダーアプリといえば天下のGoogleカレンダー、近年話題のFantasticalなどのサービスが既に存在し、一芸に秀でたカレンダーアプリなどは有象無象。誰もが簡単にカレンダー領域はレッドオーシャンだと判断するだろう。そんな戦場に現れたのがCronだ。

Cronについて調べ、実際に使ってみて思ったのは、現代人に「時間」という”ツール”の再認識を提供するサービスだということ。詳しくが後述するが、良いと感じたポイントは3点。
・使い勝手の良いUI
・美しいデザイン
・コミュニケーションの推進力

すべてをまとめ上げたNotionと、時間を操るCronの連携が進むと、大きな破壊力を生み出すことは難なく想像できる。


Image Credits: Cron

創業者はデザイナー Raphael Schaad 。

As productivity nerds, we're all using calendar workarounds, extensions, and additional services to get closer to a modern calendaring experience — to schedule meetings, plan tasks, take notes, block time, and track activities. Cron reimagines the calendar for the modern age and brings it all together.

<生産性オタクとして、私たちは皆、カレンダーの回避策や拡張機能、追加サービスを使って、会議のスケジュール、タスクの計画、メモ、時間のブロック、アクティビティの追跡など、モダンなカレンダー体験に近づけています。Cron は、現代におけるカレンダーを再構築し、そのすべてを統合します。>

2021年、プロダクト発表時のコメント、和訳はDeepL

始まりは2020年

Cronが最初に話題を集めたのは2020年。Y Combinatorから350万ドルの資金を調達した。主導したのはInitialized CapitalのGarry Tan。投資したのはElad Gil(Airtable、Brex、GitLabなどの企業の投資家およびアドバイザー)、Jeff Weiner(元CEO LinkedIn)、Dylan Field(Figmaの共同創設者CEO)、Jeremy Le Van(Sunrise Calendarの共同創設者)など大物が並ぶ。

YコンビネータLLC(Y Combinator LLC)は、カリフォルニア州マウンテンビューのシードアクセラレーターである。主にスタートアップ企業に対し投資している。2005年にPaul Grahamらによって設立。

他のスタートアップファンドと比較した場合、Yコンビネータは非常に少ないお金 (2万ドル前後) を提供するのが特徴である。3カ月にわたって集中的に指導し他のベンチャーキャピタルなどから投資を受けられる状態まで育てる。
< Yコンビネータ - wikiより引用 >

2021年アーリーアクセスの発表

Image Credits: Cron

そして2021年11月18日にサイト上で希望者へのCron配布を開始。驚くのは、この時点で既にNotion、GitHub、Shopify、Loomなどの企業内でCronがデフォルトのカレンダーとして採用されている。

A friend and I hacked a calendar extension together to be more productive and intentional with our time. While small, it resonated beyond our expectations with many other people that were also underserved by their time tools.

友人と私は、カレンダーの拡張機能を一緒にハッキングして、時間の生産性と意図性を高めました。小さいながらも、それは私たちの予想を超えて、彼らのタイムツールによっても十分にサービスされていない他の多くの人々と共鳴しました。(和訳はDeepL)

https://cron.com/blog

Raphael Schaadのデザイン哲学

ちょうどこの頃に撮影されたと思われるインタビューが、シードラウンド調達を主導したGarry TanのYoutubeチャンネルにある。

Cronの開発はペンとノートのスケッチから始まったと語るRaphael Schaad。動画では実際のスケッチを見ながら会話が展開する。

Garry Tan Youtubeのスクリーンショット
Garry Tan Youtubeのスクリーンショット

記号のハイフン( - )の長さや、スペースのサイズなどへのデザイナーらしいこだわりを実際の画面で紹介。これがCronに対して"美しい"と感じる理由のひとつなのだろう。
プロダクトデザインナーや開発者にはとても興味深い動画だと思うので、ぜひ。一見の価値あり。

2021 - Productivity App of the Year

Image Credits: Cron

最高の製品とメーカーを称えるProductHuntの毎年恒例のアワードショーにてProductivity App of the Yearを獲得(生産性に関するアプリ部門)。発表からわずか2ヶ月での快挙。プロダクトの素晴らしさと、アーリーアクセスとはいえ既存ユーザーからの評価の高さがわかる。

受賞の様子がYoutubeにあがっている。完全に余談だがCronのYoutubeチャンネルの登録者は43人。(6/11時点)

そしてNotionがCronを買収。

Notionは取引条件の開示を拒否し、Cronの評価額は不明。
発表の同日、Insiderにそれぞれの創業者2人の写真と共にインタビュー記事が載った。

有料記事なので引用はできないが、ざっくりと解説すると、
・2人は2022年の初めに出会い、お互いのプロダクトのユーザーだった。
・当初、お互いのプロダクト間の連携を話し合っていたが、手を組むことが最良だと判断。
・NotionとCronのユーザーの多くが重複している。
・CronはNotionとは別のアプリとして開発を続ける。


これからの展開

NotionとCronのパワフルな連携が進むのは確実だろうが、時期や詳しい内容は公表されていない。
そもそもCronはまだ公式リリースされていない製品だ。おそらくはCronのリリースに合わせたNotionとの連携が大きなプロモーションとなる。

アーリーアクセスとはいえ、カレンダーとして十分な機能はすでに実装されている。(Googleカレンダーなどの連携可能)
普段使っているカレンダーアプリを、Notionとの連携を見据えて今からCronに移行する価値は高いと考える。


次回のnoteはCronの具体的な使い方など紹介します。


こんなサービスやってます。


参考記事


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