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「イシューからはじめよ」から学ぶバリューを生み出す方法

いろんな本を読んでいくと似たような要素が繋がって学びが深まる感覚があります。
ただ一つの本を読んで理解できたと満足するのではなく、学びを重ねることで理解を深めていくことが大事なのだというのが最近の気づき。

今週は、これまで読んだ本の中でもたくさん紹介がされている「イシューからはじめよ」を読んでみました。
なんと、発売は2010年ですが、時代が変わっても読まれ続けている「不朽の一冊」と呼ばれる長きにわたるベストセラー本。

今更ではありますが、このような多くの方が良いという本は読んでおきたい。

生産性をあげるために「バリューのある仕事」を意識する

著者の安宅さんがこの本を書こうと思ったきっかけは「圧倒的に生産性の高い人」には共通していることがあるということに気づき、その内容をシェアすることによって多くの人の役に立つかもしれないと思ったことからだという。

本書でいう生産性とは「どれだけのインプット(投下した労力と時間)で、どれだけのアウトプット(成果)を生み出せたか」ということ。

「多くのアウトプット」はビジネスパーソンで言い換えるときっちりと対価がもらえる「意味のある仕事」であり「バリューのある仕事」ともいえる。

著者の安宅さん曰く、「バリューの本質」は2つの軸から成り立っているという。その2つとは「イシュー度」と「解の質」。
生産性を上げたいのであれば、「バリューのある仕事とは何か」という問いの答えを理解しておく必要がある。

「イシューからはじめる」考え方

●「問題を解く」より「問題を見極める」  
●「解の質を上げる」より「イシューの質を上げる」
●「知れば知るほど知恵が湧く」より「知り過ぎるとバカになる」
●「1つひとつを速くやる」より「やることを削る」
●「数字のケタ数にこだわる」より「答えが出せるかにこだわる」

上記が本書を読み終えた時に理解できる代表となる考え方。
何よりも大切なのは「常識を捨てる」ということ。

「解の質を上げる」より「イシューの質を上げる」

「バリューのある仕事」をするためには、先述した通り「イシュー度」と「解の質」の両方をあげる必要がある。
その際に左回りで右上に到達しようとしてはいけない。(本書ではこのアプローチの仕方を「犬の道」と呼んでいます。)
「イシュー度」の低い問題にたくさん取り組んで必死に解を出したところで、最終的なバリューは上がらず、疲弊していくだけになる。
「努力と根性」という戦い方ではなかなかバリューのある領域には辿り着けないのです。

バリューのある領域に近づくのであれば、まずはヨコ軸の「イシュー度」を上げてからタテ軸の「解の質」を上げていくアプローチをしていく必要がある。
そのために徹底して、意味のある問題=イシュー度の高い問題に絞っていくことが重要になります。

ストーリーラインを作るための2つの型

高いイシューを見極めたあとは「解の質」も高めていく必要があります。
そのためにポイントとなることが「ストーリーライン」と「絵コンテ」を作ること。

「ストーリーライン」を作る流れとして、まずイシューを分解し、ストーリーラインを組み立てるという方法をおこなっていきます。

「ストーリーライン」を作る際に型となるのが下記の2つ。

WHYの並び立て

最終的に伝えたいメッセージについて理由や具体的なやり方を「並列的に立てる」ことでメッセージをサポートするという方法。
例えば、「案件Aに投資すべきだ」と伝えたい際に下記の3つの視点が必要になり、それぞれの「WHY」を並べ立ててみます。

  • なぜ、案件Aに魅力があるのか

  • なぜ、案件Aを手がけるべきなのか

  • なぜ、案件Aを手がけることができるのか

後から「あの論点はどうなっているんだ」と突っ込まれないためにも重要な要素をモレなくダブりなく選ぶことが必要です。

空・雨・傘

空(課題の確認)・雨(課題の深堀り)・傘(結論)というストーリーを組んで最終的に言いたいことを支えるという方法。

  • 空…西の空がよく晴れているな

  • 雨…今の空の様子では当面雨は降ることはなさそうだ

  • 傘…だとすると、今日傘をもっていく必要はない

出かける時に「傘を持って出るべきかどうか」というイシューに答えを出すとすると上記のような流れになる。
多くは「雨」の部分で見えてきた課題の深堀りがどこまでできるかが勝負どころになる。

「答えありき」で考えない

イシューを見極め、ストーリーライン・絵コンテができたあとは絵コンテを本物の分析にしていく。
意味のある分析・検証をする際に念頭に置いておくべきことの一つとして「答えありき」とは対極にあるということがある。

「イシューからはじめる、という姿勢でアウトプットを作成するように」と同じチームの若い人に言うとかなりの確率で誤解が起きる。それは「自分たちの仮説が正しいと言えることばかり集めてきて、本当に正しいのかどうかという検証をしない」というケースだ。これでは論証にならず、スポーツでいえばファウルのようなものだ。

私たちの仕事の信用のベースは「フェアな姿勢」にあります。
都合のよいものだけを見る「答えありき」と「イシューからはじめる」考え方はまったく違うことであると著者の安宅さんは仰っています。

価値を生み出すために「イシューからはじめよ」

著者の安宅さんは最後にこのようなメッセージを残されています。
この価値を生み出す根っこにあるのが「イシューからはじめる」思想であり、脱「犬の道」であるという。

「人から褒められること」ではなく、「生み出した結果」そのものが自分を支え、励ましてくれる。生み出したものの結果によって確かに変化が起き、喜んでくれる人がいることがいちばんの報酬になる。仕事がうまく進んだとき、僕が感じるのは「うれしい」というよりも「ほっとした」というものだ。自分の会社やクライアントに約束した価値を無事届けた、このこと自体が何とも言えない達成感を生む。

「自分で生み出したものの結果で喜んでくれる人がいることがいちばんの報酬になる」ということに、とても共感しました。
もっと価値を届けられる存在になれるよう、「この問題はイシュー度の高いものなのか?」と常に問いかける癖をつけていきたい。

個人的にですが、下記の本と一緒に読むとより理解が深まる気がしました。
自分ならではのアウトプットができるようにこれからも良いインプットを重ねていきます。

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