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(詩) 一本の大木

その大木は原っぱに一本
樹っていた
わたしはその大木のそばに
立っていた

春、生々と葉が芽吹く
夏、青々と葉がひらく
秋、蕭々と葉が色づく
冬、寒々と葉が落ちる

その時々、一瞬、一瞬が
わたしの眼に映じ
そして
消えてしまう

大木はわたしの前に聳える
しかし
大木はわたしの前に消える

その大木は
わたしの内の深い処に
根をはっている

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