ロジカルクッキング[動画付き]和食定番レシピ33
はじめに
こんにちは、dZERO新人のHKです。今回は、気鋭の料理研究家である水島氏と土屋氏が考案された『ロジカルクッキング[動画付き]和食定番レシピ33』を紹介させていただきます。
ロジカルに調理をすれば、和食がこんなに美味しくなる
概要
料理の常識をくつがえし、計測器を用いて0.1グラム単位で調味料を量り、ロジカルに調理する和風レシピが33通り紹介されています。レシピ通りに作ってみれば、出来上がりの味の違いに驚くはずです。またこの作品にはPC、スマホ、タブレットで見ることができる Video on the Book 調理実演動画が付いています。
著者紹介
著者は料理家、調理研究家の水島弘史氏と料理研究家、書評家の土屋敦氏。水島氏は科学的調理理論を取り入れた独自の調理指導法を確立し、大学や企業の研究所への情報提供も行われています。土屋氏は京都での主夫生活、佐渡島での半自給生活をするなかでオリジナルレシピを草案されています。
この作品のポイントと名言
料理の根本的なルールは同じで、フランス料理、イタリア料理、日本料理、中華料理といったジャンルは、それぞれの土地の風土や産物から生まれた産物である (まえがき、p1)
本書ではかつおだしを使用します。だしの取り方を読んでいただければわかりますが、従来のだしの取り方とはずいぶん異なり、アクも出にくく、また非常に簡単です。(和風ロジカルクッキングの基本、p11)
和食というと、どんな料理にもだしを使うようなイメージがあるかもしれませんが、じつは、素材から出るうまみなどだけで十分おいしくなる料理もあります。(和風ロジカルクッキングの基本、p11)
和食の焼きものの特徴は、シンプルな塩焼きをのぞくと、しょうゆなどの調味料の風味と甘さがあることでしょう。具体的には、しょうゆやみりん、砂糖などが入った「漬け地」につけてから焼いたり、たれをからめて焼いたりします。(焼きもの・揚げもの、p16)
通常「から揚げ」は小麦をまぶして揚げたものをいいますが、こちらは片栗粉をまぶして揚げた、シンプルな和のから揚げです。温度を測りながら揚げ、ふっくらと仕上げます。(ロジカルレシピ3 かれいのから揚げ、p25)
焼き魚は火が通り過ぎて身が硬くなりがち。ここではオーブンを活用し、低温で火を入れることでしっとりとして、味もしっかり染みた漬け焼きを作ります。オーブンがない場合、魚焼きグリルでも代用可能です。(ロジカルレシピ6 サーモンの木の芽焼き、p36)
本書の煮ものは、一つのレシピを除いて、だしは使わずに作ります。素材から出てくるうまみを生かして仕上げるのです。(煮もの、p48)
65℃の低温調理でじっくりと火を入れたさばの味噌煮です。味が中までしっかり染みとおり、驚くほど柔らかく仕上がります。(ロジカルレシピ12 さばの味噌煮、p62)
おいしい肉じゃがをつくれるかどうかは、野菜や肉の下処理にかかっています。下処理をしておけば、アクが出ず、またに崩れることもなく、味が良くしみた状態に仕上げることができます。(ロジカルレシピ13 肉じゃが、p65)
しっかり手間をかけ、豚ばら肉をていねいに下処理すると、くどくなく、とても柔らかい豚の角煮ができあがります。保存もききますので、一度にたくさん作ってもよいでしょう。(ロジカルレシピ14 豚の角煮、p69)
和食の副菜や小鉢では、だしが非常に重要になります。素材同士のシンプルな組み合わせにだしを加えることで、料理の味が複雑になり、また全体に一体感が生まれるのです。(副菜・小鉢、p78)
おひたしは「ゆでた葉物野菜にしょうゆや削りかつお節をかけたもの」ではありません。だしに浸すので「おひたし」なのです。(副菜・小鉢、p78)
焦がしてしまったり、うまく巻けなかったりと失敗が多い料理ですが、この作り方なら安心。落ち着いて調理することができ、きれいな層になっただし巻き卵が簡単に作れます。(ロジカルレシピ18 だし巻き卵、p88)
味噌汁なんかだれでも作れるよ、と思うかもしれませんが、これまでの「常識」とはずいぶん違う作り方をします。そして、味も常識はずれなほど、抜群においしくなるでしょう。(汁もの、p102)
味噌汁は塩で土台となるうまみを引き出し、味噌はあくまでも風味として使います。そうすれば味噌臭くなることもなくなり、素材の風味もより引き立ちます。(汁もの、p102)
豚汁といえば、具材を鍋に放り込んで煮立てて作るイメージがありますが、このレシピでは違います。ロジカルな下準備で、いつもの味が一気にグレードアップします。(ロジカルレシピ25 豚汁、p113)
素朴な味わいのいわしのつみれ汁も、ロジカルクッキングの手法で作ると、透明感のある美しい味わいになります。さて、その秘密は?(ロジカルレシピ26 いわしのつみれ汁、p117)
鍋といえば、具材をぐつぐつと煮込み、アクを取りながら食べるもの、と思うかもしれませんが、このレシピではまず具材を静かにゆっくり加熱し、しかも煮汁は一度濾します。そうやって澄んだ汁で具材を温めつつ食すのです。(鍋もの・ごはんもの、p122)
沸騰させずに作る寄せ鍋です。さまざまな具材のうまみが出た透明感あふれる黄金のスープ、ほどよく火が通った具材、そして手作りゆずポン酢。これらの組み合わせは最高です。(ロジカルレシピ27 寄せ鍋、p125)
土鍋で炊く炊き込みごはんの作り方をご紹介。下ゆでしたたけのこをだしで炊きあげた、本格的な味です。(ロジカルレシピ32 たけのこごはん、p140)
dZERO新人HKのひとこと
和食ってなんだか面倒くさい、難しそう。そんなイメージがありますよね。特に、あまり料理をしない人にはとっつきにくく感じられるかもしれません。しかし、ここに考案されたレシピは、それぞれの料理に必要な材料や調味料がグラム単位で記載されているので、とても分かりやすいです。
普段、料理をする人もレシピ通りに作れば、いつも作っている和食よりも格段においしく仕上がります。
動画でも紹介されているだし巻き卵、簡単なようで奥深く、レシピ通りに作ったら、いつも作っているものよりも美味しく仕上がりました。毎回、ぐしゃぐしゃになっていたのですが、落ち着いて動画の通りに作ったら、不思議とだし巻き卵の形になりました。ぜひ、実際に作ってみてください。
おまけ
水島弘史の「調理の科学」
第1号 フライパンの法則①
第2号 フライパンの法則②
第3号 ローストの法則
第4号 煮る法則
第5号 揚げる法則
第6号 野菜の法則
第7号 毒出しレシピ① 肉の毒出し
第8号 毒出しレシピ② 魚介の毒出し
第9号 毒出しレシピ③ 野菜の毒出し
第10号 <年末特別企画>クリスマス&おせち料理
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?