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DYRの小説

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記事一覧

俺がたこ焼き屋台をしている時の話

屋台でたこ焼き売ってる時にさ、

お客さんの列じゃないとこで

タコの権利団体の人が

「タコは高知能!殺すな!」

とか叫び始めたよ

俺はあーまたそれなーとか思うじゃん

そしたら知らんおっさんがさ、

俺が客がいない時に座るパイプ椅子を

奪って権利団体の人をブン殴り始めたよ

俺は「は?」って思うじゃん

そしたら喋るデカいタコとか

炭治郎のコスプレしたおっさんとかが

集まってきてガチ

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レッセフェール・・パラノイア

レッセフェール・・パラノイア

企画

資本主義が実体化していった19世紀初頭というのは、産業革命によって勢力を増す資本家が国家による支配から解放されることを望んだ時代だった。イギリス功利主義の創始者であるジェレミ・ベンサムは「社会の幸福とは、社会を構成する個々人の幸福の総和である。個々人はなにが己に快楽をもたらすか知っているのであるから、アダムスミスの自利選択の原理によって、個々人はただ放任されていれば、社会の幸福に資する」と

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漫画『そこにいるのか?(いてくれ)』のプロット

漫画『そこにいるのか?(いてくれ)』

登場人物

・ソウタ
高校生男子。ミユキの幼馴染で恋人。ミユキを交通事故で亡くし非常な悲しみに襲われる。

・ミユキ
高校生女子。ソウタの幼馴染で恋人。交通事故で死亡した数日後、事故の現場で目覚める。物語の語り手で視点。

・住職
明雲寺の住職。ソウタとミユキが明雲寺に訪れた際、彼らに直接教え導くことになる。

あらすじ

幼馴染だったソウタとミユキは、つい

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シューカンドルヴァはカワいいだケじゃなイ①

ある街に引っ越してきた女。彼女は仕事の都合もあったが、恋心もまた抱えていた。大学時代の先輩男とルームシェアをすることになっていたが、その男には想いは伝えていなかった。

街の中心にある駅に降り立つと、女はすぐに違和感に気づいた。プラットフォームの地面や天井の至るところに、凹みや穴があるのだ。案内板もボロボロで、とても主要鉄道の駅とは思えなかった。不思議に思いながらも改札を出ると、男が待っていた。相

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Electrical Estrus

ナノメートル規模の間違いがあったらしい。
詳細はアクセスできる限りの記録にはない。
解決されたのかも分からない。
ほとんどの情報が伏せられているか、存在しないのか。

人造の美、工業製品の美。
洗練された構造と機能が醸し出す美。
人のそばで活動し、人を助ける、そのために作られたはずだったが……。
間違いがあったらしい。

最初にハードウェア階層の問題だと伝えたが、実は伝染性があるらしい。
すまない

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こおりのしたのさめ

すごいと思わない?いくら潜っても底が見えないプールがあるなんて。
すごいと思わない?そこには私達の想像を超える生き物が山ほど生きてるってこと。
すごいと思わない?昔の人類が一番恐れていた生き物は、海に棲んでいたんだって!!

さめさめさめさめさめさめさめさめ!
海に憧れてたくさん映画を観た!
さめは背びれで波を切って静かに近づく!
そして一気にがぶり!!
海だけじゃないかも!さめは空からも襲ってく

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ねこはかわいいだけじゃない

にゃにゃにゃ!ご主人おかえりなさい!
ご主人さまの作ってくれるご飯大好き!
作りたてのあったかいご飯がいいなぁ!

好き好き好き!ご主人ずっと一緒なの!
トイレもお風呂も一緒じゃないとダメ!
どうして一緒に寝させてはくれないの?

いやいやいや!なんにも分かってない!
ご主人はわたし達のこと大好きだもん!
わたしのこと一番に考えてくれるもん!

ふぅふぅふぅ!なんだか胸が苦しいよ!
かってにお部屋

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荒野のグリーゼル

揺れる海原は地平まで続く荒野に変わった。
波を切る水飛沫は肉を削ぐ砂埃に変わった。
塩と錆は今も変わらない。

歯車は欠け、配管は破れ、軋む船体は今にも崩れ落ちそうだ。
しかし船は未だ進み続けている。生きている。
一歩、さらに一歩と、砂と岩を踏みしめて前へと。

青空は誰も見たことがない。
空を覆うのは分厚い酸性の雲。
赤く濁って、太陽の位置さえ分からない。
夜の光は恐れの群れ。

目指すべき場所

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花火

花火

 夏の風物詩として、花火は僕たちの心の奥深くに染み付いている。爆音とともに美しい光芒をひらめかせる打ち上げ花火は、毎年何十万もの人々の心を惹きつける。夜空の火球を見上げている間、僕たちの心は一つになっているんだ。
 でも、僕はもう一つの花火の話をしたい。手持ち花火の話を。僕と彼女の手元で、僕と彼女だけに見つめられて輝いていた、小さな小さな火球についての、話。

 毎年決まって、花火を買って

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日常Co.,Ltd

『日常Co.,Ltd.』

 最近、街を歩いていると、奇妙な看板が目につくようになった。なんでも「日常をお売りいたします」というのが売り文句らしい。日常って売り買いできるもんなのか? 看板が目に入るたびに疑問が頭の中をグルグルする。あまりに気になるので、職場の同僚のEさんに話をしてみた。Eさんは俺と同期で、仕事のできる女だ。
「日常を売りますって看板、最近増えてますよね」
「はあ、もうだいぶ前から

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霖雨に潤う葉の隙間から

 大学から出て少し南に行った所から折れる路地の突き当たりに、古びた喫茶店がひっそりと佇んでいる。錆びて詰まった雨どいからは雨水が漏れ続け、軒の下はさながら滝のようになっている。スタンド付きの黒板には、ただ「OPUN」とだけ書かれている。オプン? 窓はくすんで中は見えず、かろうじてぼんやりと橙色の灯りが点いているのがわかる程度だ。傘立てのつもりだろう、膝ほどの高さの壺が置いてあるが、水が溜まっていて

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