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ビジネスから学ぶ遊戯王〜マインドマップ(期待値と確率を添えて)〜

◼️はじめに

皆様、noteをご覧に来ていただき誠にありがとうございます。
本noteはビジネス的なアプローチを遊戯王へ落とし込み活用させる方法を紹介しております。今回はPDCAサイクルをより良くするためにマインドマップを用いよう!という内容となっております。
そもそもPDCAサイクルとは?と言う方は下記のリンクを先にご一読いただければ幸いです。

◼️マインドマップとは

マインドマップとは頭の中で考えていることをそれに近い形で描き出すことにより、記憶の整理や発想をしやすくする思考の表現方法です。

マインドマップのイメージ図

マインドマップを作成する際、表現したい概念の中心となるキーワードやイメージを中央に置きますが、PDCAサイクルを意識する場合、中心に置くのは長期的で抽象的な目的や目標となります。(以下、メインワードという)
そこから放射状に関係する情報を広げ、つなげていきます。マップというくらいなのでスタートからゴールをつなぐイメージを持つ方が多いかと存じますが、明確なゴールはありません。結果的に地図の様に見えるだけです。

さて、ここでやりたいことは、プランニングをする際に必要となる情報のアウトプット(出力)です。「せっかく描くので綺麗に描きたい」という感情は捨ててひたすら描きなぶって出力してください。メインワードに対して自分で思っていること、考えの断片を明示化することで問題点や解決方法を見つけるヒントを得ることができます。また、PDCAサイクルを回す過程で誤っていた認識の根本がどこなのかを見つける際に、思考の過程を流れで読むことができるため方向性の微調整、結果の評価の際にも役立ちます。
※PDCAサイクル:Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)

ちなみに余談ですが、これを複数人でやるとブレーンストーミングになります。ビジネスで用いる場合は、こちらの方になるので、聞き馴染みのある方はこれの個人版とご認識ください。

◼️マインドマップの描き方

まずは大きな紙を用意します。A4ノートを広げたA3サイズくらいが描きやすいです。マインドマップは自身と向き合う行為であるため、パソコンやスマホでは処理速度が早すぎてワードの取りこぼしに繋がります。紙でのんびり描くくらいの認識を持ってください。
中心のメインワードを書き丸で囲ってください。これで準備完了です。
メインワードから連想できるワードを周りに書いて丸する。線でつなぐ。派生したワードからも派生させる。つなぐ。というように、思いつくワードがなくなるまでこれを続けます。派生したワードで重要そうなワードが出てきたら色やマークをつけておくと、後述する作業が楽になります。
そもそもメインワードからの最初の派生で躓く方は、5W1Hを書く、メインワードを分解する、関係しないけど思いついた枝葉を書く、などのとっかかりを作ると取り組みやすくなるかと存じます。

【描き方の注意点】

●マップは人に見せない
あくまで自分と向き合うことが一番大切です。描いてる過程を見られた際に、指摘されるケースがありますが、その時点で情報が歪んでしまう可能性があります。また、終わった後でも、見せてしまうと、今後、別のマップを作成する際に「人に見せる可能性がある」という余分なバイアスが発生し、感情に蓋がされるのを避けるためです。

●メインワードが実はメインワードでない可能性があることを認識する
自身と向き合った結果、実は自分の目指したいことが別にあるということは多々あります。そうなった場合、作り終わったマップをとっておき、新たに気づいたメインワードでマップを作り直すのが良いかと存じます。ただし、1枚描くだけでも結構疲れるのでメインワードだけ書いておいて、別の日にやることをお勧めします。

●マップの作成はデッサン
プラスの話しもマイナスの話しも、でももだっても妄想も全部吐き出すようにしてください。過程が大切なので、いろんな情報があっていいです。マップを「描く」と言うくらいなのでデッサンをしている感覚でワードを並べましょう。ひたすらに線を書き、イメージを浮かべ、最終的に何本かの線をなぞることで自分の芯を発見することができます。

◼️マインドマップの活用

冒頭でもお伝えしているとおり、PDCAサイクルの中でマインドマップをプランニングで用いることとなります。
マインドマップの性質上、問題定義自体が自身の脳内で想定し得ることに限られます。そのため、ただマインドマップを1度作るだけでは最終的な目的を達成することはできません。マップのブラッシュアップ、作り直しはサイクル内で発生し得ることを認識してください。

【STEP1 マップを整理する】

さて、実際にマップを作った方はわかるかと存じますが、情報が非常に荒くなります。マップは感情のまま、脳内のものを吐き出しているので当然です。なのでマップを作り終えたら、理論的に整理を行ないます。(整理したものを以下、進路という)
感情的になり過ぎている要素や現実的ではない要素を噛み砕いたり調整してください。
注意点として、吐き出した要素を完全に否定し、消してはいけません。もし消したい要素が出てきたのであれば、それに対する反対の意識としてマップを広げてください。今は反対の意識が理論的に打ち勝っていたとしても、遊戯王ではレギュレーションの変更やカードの追加により、先に書き出していたものが正しくなるケースがあるためです。
整理していく過程でマップを広げてもいいです。この時点では「進路は複数あり、選択をする余地がある」ことを認識できればいいです。逆に進路が少なすぎると思う場合は再考してください。

【STEP2 期待値で進路の選択】

複数の進路ができたかと存じます。進路が多くあり過ぎては迷いが生じ、結果としてメインワードにたどり着くことができません。
進路を選択する際には期待値を用いると便利です。

ここで用いる期待値とは「初手5枚の内に平均何枚引くことができるか」を示す数値です。例えばデッキ40枚の内、カードを8枚投入していれば、初手にくる期待値は1枚となります。
※期待値=採用枚数÷デッキ枚数×ドロー枚数
遊戯王は1万種類を超える広いカードプールが故にこの期待値を活用することができます。
「ハーピィの羽根帚を引きたい」と考えるのではなく「魔法・罠を破壊したい」とすればそれに与するカード群で期待値を用いた構築をすることができます。
また、「2枚からアウローラドンを作って展開する」という場合は「アウローラドン素材A」という要素と「素材B」という要素を示せば充分です。

期待値の理解ができたところで、期待値を進路に当てはめていきます。手札に1枚欲しいのか、2枚欲しいのか、それぞれ進路に設定します。ただし、期待値の最大値はその進路に属することができるカード枚数に左右されます。そのため、デッキ枚数やカードプールによって異なるため、ある程度カードを並べながら検討することをお勧めします。
そして、期待値の合計が5になるように進路を選択してください。5である理由は初手の枚数が5枚だからです。後手ドローも含める場合は6としてください。

また、どうしても使用したいカードがある場合は、別の進路で転用できないか、認識を変えることができないか、を検討します。
例えば

①プランキッズ(2)
②手札誘発貫通札(1)
③妨害札(1.5)
④その他札(0.5)

と定めた際に、「②手札誘発貫通札」を抹殺1枚、墓穴2枚、Into the VRAINS!3枚、簡易融合1枚、アラメシアの儀+水遣い計2枚の9枚だとします。期待値が1で設定してあるのに1枚オーバーしています。
そこで墓穴2枚の採用にフォーカスを当て、1枚は②としてカウントし、もう1枚は③としても機能するか検討することで枚数を調整できます。この際の注意点は、③とし移動させて安心するのではなく、③として利用する場合、他に優先すべきカードは無いか検討する必要があります。
このSTEPを踏むことでカード1枚1枚は、主な進路を持つこととなります。これがいわゆる採用理由となるわけです。

【STEP3 確率でリスク許容範囲を認識する】

最後に微調整を行います。この際に扱うのが確率となります。
確率は、進路に沿うことができる・できないを数値として見ることができます。
遊戯王は不確定要素が介在するため100%を目指すには不向きです。また、100%にただ近づけるには、期待値を上げた構築をせざるを得ず、進路上で渋滞してしまう「被り」が存在するため、コスパが悪いです。

そこで、確率で見るべきなのはリスク許容範囲です。確率により、どの程度進路に沿うことができないのかをリスクとして認識し、自身が許容できる範囲に枚数を調整することで、実行(D)する際の判断素材とすることができます。一部のリスクを抑えても別のリスクが発生するため、自身は何を割り切って構築しているのかを理解し、実行してください。
なお、確率によるリスク許容範囲を模索したnoteを過去に書いているので、そちらも参考にしていただければ幸いです。

◼️最後に

本noteの解説により、プランの組み方や調整の仕方に新たな観点は見つけることができたでしょうか。
今の構築に迷いがある方に新たな観点が生まれ、構築が煮詰まり悩んでしまう時間が少しでも短くなったのであれば幸いです。

私自身も度々noteで取り扱っている期待値や確率の考え方の基礎となっています。
期待値は目標を定める際に使う、確率はリスクリターンの許容度を測るために使う、この点だけでもご理解いただけていたら何よりです。

余談ではありますが、別途noteにて、プランキッズの普及を目的とした記事を掲載しております。今回紹介した期待値を用いるプランを立てる際、非常に組みやすいので、興味のある方はお目通しいただけたら励みになります。

◼️付録(期待値の表)

※必要枚数を示すため小数点以下切り上げ

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