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オトナの責任

コロナ禍の第三波がなかなか収束しない。しかし、いよいよワクチンの投与が始まるので少し希望が見えてくるかもしれない。人口の6割が接種すれば沈静化の方向に進むだろうと言う専門家の話もある。

コロナはいろんな影響を及ぼしているけれど、婚姻数、出生者数に大きな課題を残している。

2020年の結婚式場は大きなダメージを受けている

明治安田総合研究所が昨年12月に発表したレポートによると、2020年の結婚式場業の取り扱い件数は大幅に落ち込んでいる。

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これは「3密回避」の影響をもろに受けていることが見て取れる。当然、結婚式の取扱件数が減少するということは、婚姻件数にも影響を与えている。明治安田総合研究所の資料では、概ね前年を下回る結果となっている。結婚式の特にかき入れ時となる5月が前年の1/3程度に減少していることから前年対比で下回ることは確実だろう。

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そして、結婚式の件数、婚姻件数の減少となると、当然、出生者数も減少になることはあきらかである。明治安田総合研究所の予測は以下のとおり。

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他のシンクタンクのレポートでは、コロナ禍で人口減少のスピードが10年前倒しになったということも語られている。

婚姻件数の減少は若者の貧困化と関係している

長引く不況により、婚姻件数は今後も減少が続くかも知れない。失業率が高まれば所得は今以上に減少し、婚姻件数もこれにともなって減少してゆくだろう。

この20年間、日本のGDP成長率は横ばいが続いている。つまり、賃金が上昇していない。物価も横ばいだ。完全にデフレのトンネルから出られないままでいる。

若者たちの賃金が上がらない限り、婚姻数も反転しないだろう。それがますます少子化に拍車を掛ける原因になっている。

こんな社会に誰がした?

これは明らかに我々オトナの責任である。政治は混乱しているし、経済対策についてもまだまだ課題は山積み。毀損したGDPをどうやって回復するのか?若者の雇用を確保し賃金を上昇させるために何が必要なのか。まだまだ議論が足りないのではないだろうか。

高齢化が進み、高齢者福祉に税金が投入される一方で児童福祉は十分な施策が打てているだろうか。

オトナの勝手な理屈で若者たちに経済的負担を強いるのは、そろそろ辞めにしたほうが良い。

将来の子孫のためにといった論法は通用しない。このまま急速に人口が減少すれば将来の子孫はいなくなる。将来のための今がどうあるべきか、今一度考えるべきではないだろうか。

それを考え、対処してゆくことが「オトナの責任」ではないだろうか。

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