事業ポートフォリオについて

私の住む、岐阜県高山市(飛騨高山)は観光産業が主力で、旅行業、宿泊業、土産等の小売業、飲食業、運輸業(タクシー等)など多くの業種が観光に依存している。

このコロナ禍で観光は大きく停滞し、宿泊業を筆頭に経済的に大きなダメージを受けている。私こと、一昨年から住宅宿泊業(通称:民泊)を経営し、小所帯ながら少なからずインバウンドを受け入れてきた。

とはいえ、本業はITコンサル業であり、民泊はいわば副業的な位置づけである。

コロナ禍で産業の脆さが露呈した

昨年2月から一気に町の経済が冷え込んでしまったのは、国内旅行者、インバウンドなど「一般消費者向け」のビジネスに大きく依存していることが大きな要因だと考えている。

お隣、石川県の金沢市は北陸新幹線開通もあってビジネスユースの宿泊客の利用もあることから、観光だけでなくビジネスでも一定の需要がある。これが、このまちとの大きな違いであり、このことが「一般消費者向け」一本足打法ビジネスの脆さを露呈してしまったのである。

この影響は宿泊業だけでなく、関連する業種も連鎖的にダメージを受けてしまった。いまだに観光は停滞しており、まちの事業者たちは青息吐息の状態が続いている。

コロナ禍が収まるまで、皆がじっとこらえて長い冬が明けるのをひたすら待つだけの持久戦が続いており、自治体も有効な手立てを打つことができない状況である。

複数の顧客を対象としたビジネスを持つ企業は強い

このようにある特定の顧客層頼みのビジネスモデルは、好景気の場合はともかく不景気になると、もろに弱さを露呈してしまう。業態転換も難しく企業規模が大きくなるほど図体が大きいために身動きが取れなくなってしまうのだ。

では、このような不景気に強い企業とはいかなるものか?

私のような超零細事業者は、雇用もしていないし、資産もほとんどない。そのため、コロナ禍のダメージは(他の企業と比較すると)比較的軽微である。

また、本業のITコンサル業は法人向けビジネスなので、観光客が減っても影響は少ない。もちろん、このまちの企業が投資を抑制している影響は少なくないが間接的な影響にとどまっている。

加えて民間企業がダメなら自治体や関連団体を相手に商売することも、比較的戦略転換がしやすい状況にある。

アフターコロナに向けた戦略転換

コロナ禍が収束した暁には、元の状態に果たして戻るのだろうか?私はそれほど楽観的ではないと思っている。

このような災害や天災などに強いビジネスを考え、今後同じような状況下でもしっかりと経営を支えられるビジネスポートフォリオを検討しておく必要があると思う。

加えてBCP(事業継続計画)の準備も必要だ。

在宅勤務を余儀なくされたり、営業停止が避けられなくなった場合、どのようにして事業を継続してゆくかをあらためて検討し、備えをしておくことが求められる。

中小企業庁では、「中小企業強靭化支援事業」のもと、簡易的なBCPの策定を支援したり、IT化による経営力の強化などを推し進めている。

私の会社も現在、事業継続力強化計画の策定を進めており、国の認定を受けるべく準備をしている。

コロナ禍のような不測の事態は今後もありうるという前提で考えておく必要がある。

そのための備えができているかどうかで事業の持続性が決まるのである。

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