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第5回「社内変革のロードマップ」ローカルDXスクール

ローカルDXスクールでは、第5回「社内変革のロードマップ」を11月29日(水)にenspace(仙台市青葉区)にて開催しました。

第5回は、市川電産/一般社団法人シビックテック・ラボで代表を務める市川博之さんをお迎えして、DX化に必要な要求定義や、プロジェクトとするために整理すべきリソース、体制、協力を考え、初動のアクションを考える場としました。第3,4回でのインプットも踏まえ、第2回「業務変革とその先を描く」で検討した自社の業務へのデジタルでの変革をさらに具体的に検討するワークになりました。

変革を描くための要素

市川さんからは、自社でDXを進めるために必要な要素について解説がありました。まずは「目標・コンセプト」です。あるべき姿として何を目指すのかを描くのと同時に、現状がどういう状態なのかを明らかにすることで、埋めるべきギャップや、解決のコンセプトが見えてきます。ギャップを見るために、現状の場面・シーンから、あるべき場面・シーンはどう変化していくのか。AS IS/TO BEを具体的に描き、比較をします。

「PJの対象範囲とゴール」を描くのも重要です。何を以てDXの変革は完了するのか。プロジェクトとして起こすのであれば、P施策の範囲がどこまでで、終了条件はどのようなものなのか、これも具体的に描き出す必要があります。また、プロジェクトのゴールに到達するために、計測できる効果が何なのかを明らかにしなければなりません。数値などで示せる定量的効果が何なのか、さらには定性的効果を描き出すことも可能です。効果を明らかにすることは、自社や顧客がどのような価値を受け取るのかを描くことにもなります。

プロジェクトが達成に向かうには、取り組みをフェーズに分け、何を果たしたら次へ進むのか、「ロードマップ」も描きます。それぞれのフェーズに終了条件を置くことで、確実に前に進むことができるだけではなく、思うように進まないときのボトルネックも探しやすくなるはずです。各フェーズで、DXがどのように仕組み化していくのかも図に表すと、進むべきプロセスがよりはっきりと見えてきます。

DXのプロジェクトでは、新しいことを進めるため、当然ながらリスクも抱えることになります。「リスクがあるからやりません」ではなく、起こり得るリスクを最小化するための手を打つことが重要であると、市川さんは強調します。そのためには、推進役が発揮するリーダーシップも必要です。

そして、プロジェクトはチームで行うものなので、役割・体制を明確にすること。社内でDX推進役が孤立したり、携わる人たちの間でプロジェクトの優先度が下がるなど、DXに限らず、組織で新しい取組を行うときに往々として起こりがちです。責任の所在はもちろん、ステークホルダーの存在も明らかにして体制を描いていくなどの工夫も求められます。

目標・コンセプトを描き出す

今回は、市川さんに指導を受けながら、ワークの中で「目標・コンセプト」の部分を描き出し、参加者同士で共有、コメントを出し合いました。あるべき姿と現状を明らかにし、だれにとってどのような価値が生まれるのかを考え、必要な項目を埋めていくことで、目指すものをはっきりと可視化させることにチャレンジしました。

参加者は、本スクール用にアレンジした簡易フォーマットを使い、次回の発表までに自社でDXを進めるための基本的なプランを検討していきます。

次回はいよいよ最終回の「成果発表会」です。参加者は各自でDXの基本方針案をプレゼンし、ゲスト講師としてお迎えするProduct Founder & Engineerの増井雄一郎(masuidrive)さんからコメントをいただきます。

*本イベントは宮城県「令和5年度異業種連携促進支援事業業務」にて実施したものです。

宮城県では、DXに取り組む企業やサポート企業が参加するイベントを開催しており。ICTポータルサイト「オープンイノベーションみやぎ」では、県内に拠点をもつIT企業を検索できます。
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