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溢れるシッターさんへの愛を語ってみる

以前、バンコクでシッターさんを探したときのことを書いたのですが、実はそのときにお願いしたシッターさんが、家族の都合で継続ができなくなりました。

そこで紹介されたのが、なんとその方のお母さん。笑
最初のシッターさん自身20代だったので、お母さんも40代でまだまだ現役。長くシッターやアヤさんとして仕事をしながら、自分の3人の子どもを成人まで育て上げた経験もありました。とはいえ、娘さんほど英語はできないということだったので、最初はかなり心配で、どちらかというとあまりポジティブには考えれていませんでした。

しかし、お母さんシッターにお願いし始めると、経験値の違いが明らかで、すぐにお願いして良かったと思えるように。

基本的な食事、睡眠、遊びというところはもちろん、危機管理をしっかりしてくれている(息子にも教えてくれる)ところにまず気がつきました。

このシッターさんにお願いするようになったのは、息子がつかまり立ちを始めたころ。私たちは「立てるようになったね〜」とできるようになったことばかりに目を向けていたのですが、シッターさんは即座に「転び方」を教えていました。まず先に尻餅をついたり、手や足がでるように「こうしたら痛くないよ。こうなったらこわいよね?頭を打ったら痛いからね」みたいな感じで話しかけながら身体を使って教えてあげていて、最初は息子も訳わからなかったと思いますが、とにかく繰り返し繰り返し、やさしく教えてくれていました。

歩き出したあとも同じく、階段やソファーなど段差を登ることが楽しくなってきたら、すぐに降り方を教えてくれていました。「後ろをむいて、足から降りるんだよ〜」と。できたら盛大に褒めてくれて。

もちろんすぐに習得できるわけではないのですが、だんだんと息子も教えられた通りに上手に転んだり、段差から降りられるようになってきて、つねに先を見て対応してくれていて、その大切さに気づかせてもらったし、感動しました。

そして、子どもの可能性を閉じ込めず、挑戦させてくれるところ。

危機管理をしっかりしてくれるだけではなく、新しいことへの挑戦もたくさんさせてくれています。

衝撃的だったのは、洗濯物干しで懸垂(ぶらさがり)させていたこと。笑

息子の腕の力がしっかりついてきたことに気づいたシッターさんが、棒にぶら下がらせてみたところ、ちょっとの間手を離してもぶら下がれたとのこと。

私の頭ではそんなことができるなんて微塵も想像したことがなく「まあ、支えてあげつつってことだろう」と思ったら、「ママに見せてあげよう」と目の前で実践してくれ、本当にシッターさんが手を離しても自力でぶら下がってて衝撃でした。1歳になっていない頃だったと思います。

そのとき「つい、まだできないだろう」と子どもの可能性を閉じ込めてしまってること、いままでもきっとたくさんあったなと気づかせてもらいました。「まずやってみる」のマインドがこんな小さなときから身についていったら素敵な人生が送れるに違いない…。

あとは、自然の遊びをいろいろと考えてくれること。我が家では、適度に動画なども見せていて、シッターさんにもそのあたりは任せているのですが、動画やおもちゃがなくても自然で上手に遊ぶ機会も作ってくれるのがすごく嬉しいです。

面白かったのは、バナナの巨大な葉っぱ(カラカラに乾いたもの、結構硬くて分厚い)を近所で見つけてきて、きれいに拭いて、その上に息子を乗せて引っ張って遊ばせていたこと。息子もケラケラ笑って楽しそう。

聞いてみると、シッターさんが子どもの頃にもよくこうやって引っ張ってもらって遊んでいたのだそうです。東南アジア子育て素敵すぎる。笑

また、最近は「亀」にハマっている息子。きっかけは、近所の用水路にいる亀さんたち(どこからいらしたのかは不明だけど、飼われてはなさそう…)。これもシッターさんがご近所のおばさまと一緒に散歩してて、亀がいるのだと教えてもらったよう。

近所に亀がいると分かってからというもの、自宅から数百メートル先まで「タオ!タオ!(タイ語で亀)」と連呼しながら自分で歩いて向かう息子。親子なのか50〜60cmほどのそこそこでかいタオヤイと30cmほどのタオレックがいるようなのですが、そのときによって会えたり会えなかったり。

いまではすっかり我が家の運試しみたいになっていて、朝の散歩でタオに会えた日にはラッキーな気がするし、「おはよう!タオ観に行こう!」と毎朝息子を起こすのが楽しみなくらい習慣化しました。

我が家はバンコク市内なのに(ちょっと駅から距離あるけれど)、近所にはバナナとかざくろとかマンゴーが生えていて、リスもたくさんいるし、タオもいるし、すごく良いところ。

ただ、自然があったとしても、私たちにそれを遊び尽くす知恵がなく。シッターさんのおかげで、私自身もいろんなことが学べているし、楽しみが増えました。

最後に、超ポジティブであること。
毎日「今日はこんなことができたよ」「こんなことしてきたよ」「〇〇って言えるようになったよ」と我ごとのように嬉しそうに報告してくれます。そして、大変なことがあったときも「今日はなかなか寝られなくて大泣きで、めっちゃバトルしたよ〜。この子は賢いわ〜」と笑いながら報告してくれます。笑

日本ではイヤイヤ期という言葉があり、タイでもそれに似たような認識はあるようですが、シッターさんとの会話では「よくあることだよ」と一括りにしてしまうこともなく、息子のひとつひとつの発言や行動について向き合って対応してくれているのが感じ取れ、嬉しいし、ものすごく学びになります。

最近は特に食事しているときは大変で、立ち上がってテーブルに登ろうとするし、永遠と右から左、左から右の器へご飯を移動し一向に食べてくれず、取りあげたらえびぞり大泣きで、もうぐちゃぐちゃになるので、ついイラッとしてしまうけれど、シッターさんの接し方を思い出して「遊びたいんだな、何か実験してるのね」と思うことができ(ることもたまにはあり)ます。身近で自分とは違う接し方やあり方のサンプルを見せてもらえるのは、やはりありがたいなと思うのでした。ひとりだったら、そんな風には思えまい。

実は先日、大好きなシッターさんのことを知人に話していて「とはいえ、もうじき2歳だし、そろそろ保育園も検討している」と伝えたら、「そんなシッターさん、お金出してもなかなか出会えないよ!そのままでいいよ!」と言ってもらい、ありがたさを再度実感しました。本当にそうですよね、一期一会。習い事などは行ってみてもいいかなあと思いつつ、もう少しお世話になることになりそうです。


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