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長巻きフィルムでもっと写真が撮りやすくなった

皆様は、フィルムで写真を撮るとき何枚撮りのフィルムを使っていますか?

35mmだと24枚撮りか36枚撮りでしょうか。

中判だとカメラによって変わってきますね。16枚撮り?8枚撮り?


僕は、ずっと36枚撮りのフィルムを使ってきました。

現像にかかるコストは24枚撮りでも36枚撮りでも同じ1本分ですから、それなら36枚撮りの方がお得な気がしますよね。

今回は、長巻きフィルムを使うようになって変化した僕のフィルム事情についてお話します。


長巻きフィルムとは

そもそも長巻きフィルムとは、というお話をさらっとしておきます。

長巻きフィルムというのは、35mmフィルムが100ft(30.5m)分ロールになったもので、バルクフィルムとも呼ばれています。モノクロフィルムは豊富に種類があるようですが、カラーではあるのでしょうか?僕は知りません。

通常の35mmフィルムはパトローネに24枚分、あるいは36枚分の長さでカットして詰めてあるわけですが、この詰める作業を自分でやってくださいね、というフィルムです。

パトローネ代とパトローネに詰める分の手間賃がかからない分、コストが安く済むので、たくさん撮影をする人にとってはありがたい存在です。

その代わり、お店での現像を断られてしまうこともあるので、基本的に自分で現像ができる人が使うものとされているようです。


長巻きフィルムのメリット

長巻きフィルムを使うメリットは、先述のとおり、フィルム代が安く済むということです。

昔は市販のフィルム1本に対して4割くらいのコストで済んだようですが、今はフィルムを使うユーザーが減ったこと、製造コストが上がったことなど諸々の事情により、6~7割で済めばまあ安いかな、という感じだと思います。

また、現在長巻きフィルムは100%海外からの輸入品なので、取扱業者の仲介代などいろいろ大人の事情で、国内で買うと逆に損をするような値段で売られていることもあります。

入手のハードルは上がりますが、海外から個人で取り寄せた方が圧倒的に安く済みます。また手に入れられるフィルムの銘柄の種類も豊富です。


長巻きでしか流通していないフィルムなどもあり(映画用のフィルムの転用など)、そういった理由から長巻きを買って使うというケースもあるようです。

また、自分でパトローネに詰める際、1本を何枚撮りにするかを任意で決められるのもおおきなメリットです。

例えば現像やレンズのテスト撮影用に10枚撮りをつくったりすることも可能です。市販品ではこういった「ちょっとだけ撮って現像をする」といったことができないので、無駄なくフィルムを使うのにとてもメリットだと思います。


長巻きフィルムのデメリット

こうして書き出すといいこと尽くしに思えますが、デメリットもあります。

先述のとおり、お店に現像を断られることもあるため自分で現像をする前提で使うことになります。

また、短期間に大量にフィルムを使う人にとってはコストが安く済みますが、逆にあまり使わない(月に1本程度)人にとっては一度に大量のフィルムの在庫を抱えることになるので、かえって高くつく可能性があります。

フィルムには使用期限があるため(冷暗所で保管すればモノクロフィルムの場合期限は無いに等しいですが)、長期間在庫を抱え続けるとどんどん劣化してしまうので注意が必要です。

お試しで使ってみる、という気持ちで使うにはあまりにも量が多いので、何が何でも使い切る覚悟も必要です。ちょっと使いたいだけならおとなしくお店で市販品を1本買う方がいいです。

長巻きフィルムでしか販売されていない銘柄もあるため、そのために長巻きを買う人もいますが、そういったフィルムの場合あまり現像データが豊富でないこともあるため、自分で現像液の組み合わせや時間を模索する必要があります。根気のいる作業になりますし、ある程度現像に慣れていないと勘所がわからないので、玄人向けの作業になります。


市販品のフィルムに感じていた不満

長巻きフィルムを使いだす前は、市販の36枚撮りを5本とか10本まとめ買いしてつかっていたわけですが、その頃からネックに感じていたことがありました。

それは、36枚を撮りきるまで集中力が続かない、ということです。

36枚が多すぎると感じていたのです。

たとえば、6月にあじさいの写真を撮りに公園へ行って、ひとしきり撮ったあとカメラのカウンターを見ると、まだ20枚しか撮っていない。あと16枚撮らないと現像ができない。僕としてはしこたま撮ったつもりだったので、この後同じ集中力であと16枚も撮れる気がしない。

そんなことが頻繁に起こっていて、カメラの中に撮影途中のフィルムを入れたまましばらく置きっぱなし、次に撮りに行くときになって何のフィルムを入れていたか忘れてしまっている。銘柄は?ISO感度は?そんなことがよくありました。


僕のフィルム1本=20枚撮り

逆に考えてみれば、フィルム1本が20枚撮りなら1本まるまる集中して撮りきることができる、ということになります。

1本=20枚撮りきった時点でまだ撮る集中力があれば、もう一本入れればいいし、1本撮った時点で集中力がなくなったのならそこでおしまいにすればいい。

僕にとっては、これはとてもキリが良くて無駄のない枚数なのです。

だから、僕は長巻きのフィルムを買って使うようになってからは、パトローネに詰めるフィルムの長さは20枚撮り分にするようにしています。

これが、僕が長巻きフィルムを使っている最大の理由で、僕にとってのメリットです。

はじめから何本分も撮るとわかっている現場では、フィルムを入れ替える頻度が増えるので逆に手間になることもありますが、今のところそういった現場の方が少ないのであまり困っていません。

それに、いつまでもカメラの中にフィルムを残しているよりも、撮りきってすぐに現像をする方がプリントして写真にするまでのスピードも上がるので、結果として撮影からプリントまでのサイクルが短期間で回るようになり、たくさん撮ってたくさんプリントできるようになりました。

何を撮ったか、どういう意図で撮ったかを覚えているうちに現像してプリントした方が、結果のフィードバックもしやすくなります。

フィルム1本の撮影枚数を減らした結果、以前に比べて写真を撮ることが楽になったのです。


20枚撮りは存在した

ちなみに、今でこそ35mmフィルムは24枚と36枚撮りの二種類ですが、昔は20枚撮りと36枚撮りで販売されていた時代もあったようです。

20枚撮りに+4枚で同じ値段!お得!という売り方をしたメーカーがあり(さくらフィルム=コニカ)、それが人気になったため他メーカーも真似をするようになり、24枚がスタンダードとして定着したとか。

古い時代のカメラのフィルムカウンターは、当時の標準として20枚と36枚のところに印がついているカメラもあります。

12枚撮りも存在していたようですが、こちらは短すぎてあまり流行らなかったようです。

昔本かwikiかで読んで知った余談でした。興味のある方は調べてみてください。


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