見出し画像

ストロボPE-321SWのディフューザーを作る

画像1

PE-321SWというストロボがあります。

National製のフィルムカメラ時代に製造されたストロボで、外光オートとマニュアルで使用できるストロボです。

カメラとの連動機能はついていないので、現在のデジタルカメラでも使うことができます。


画像2

ISO感度、照射角、F値に応じて照射距離を示してくれるインジケーターがついており、非常にわかりやすい液晶表示となっています。

また、左下のスライド式スイッチを動かすことで、外光オート、マニュアルのフル発光から1/16発光までワンタッチで切り替えることができ、実は外部バッテリーパックにも対応しているので(入手がやや難しいですが)、直感的な操作性でとても使いやすいストロボです。


今回は、このPE-321SW用にディフューザーを作ろうと思います。


ディフューザーとは

ディフューザーというのは、ストロボの光をやわらげたり拡散したりする役目のアクセサリのことです。

ストロボ光を被写体に直射すると、陰影が強くシャープにでてしまったり、コントラストが強くなり、あまり美しいライティングができないため、多くの場合はストロボにディフューザーを取り付けて、光を弱めたり拡散することでやわらかい光をつくります。

クリップオンストロボには、発光面にこういったキャップ状のディフューザーがよく使われます。


Amazonで「ストロボ ディフューザー」と検索すると、様々なタイプのディフューザーがでてきます。

場合によっては、こういったディフューザーを複数組み合わせて使うこともあるようです。


今回は、最初に紹介したキャップタイプのディフューザーを作ります。

ディフューザーとしての効果はあまり強力ではありませんが(発光面に近く拡散面積が小さいため)、他のディフューザーと組み合わせやすい形状のため、作って損はないものだと思います。

材料

画像3

100円均一でこのような容器を見つけました。

名刺などのカードを整理するための5連ボックスです。

これが、PE-321SWの発光面に丁度いいサイズだったので、切り離して使います。


画像4

道具はこちら。

カッティングマット

カッターナイフ

定規

あと、切断面の仕上げにサンドペーパーか棒やすりがあるといいです


作り方

画像5

作るもなにも、ほぼ出来上がっているようなものなのですが、5連になっているボックスのうちひとつを切り離します。

ボックスの仕切りのギリギリ外側(乳白色なので仕切りの位置が透けて見えます)に定規を当てて、カッターナイフで切り離します。

一気に切ろうとしないで、何度も何度も傷を入れるようになぞっていくと、少しずつ切り込みが深くなっていきます。

ある程度切り込みがつけられたら、カッターナイフを切り込みに差し込むと切り込みに沿って裂けていきます。

これをボックスの両側面、最後に底面の順で切っていくと切り離すことができます。

切断面をサンドペーパーか棒やすりで削ったり、角張ったところをカッターナイフで切り落としてあげれば完成です。


画像6

画像7

Amazonで見たやつとすごく雰囲気が似ている!


試写

画像8

これを被写体にして試写します。

ちなみにこれはISO1600、F5.6、SS1/25室内光で撮ったものです。

ここから、PE-321SWを使ってISO100、F5.6、SS1/125の設定で撮影します。

ストロボはカメラに直接取り付けます。


画像9

ディフューザーなし。1/16

画像10

ディフューザーあり。1/4

ディフューザーを着けると光量が落ちるので、ストロボの方で光量を調整してだいたい同じくらいの明るさになるようにしています。

こうして比べると、結構違いがわかります。

ディフューザーなしだと青みがかった色合いでしたが、ディフューザーをつけるとディフューザー自体が乳白色なので、青みが抜けています。

また、金具部分の反射具合も軽減されています。


画像11

ディフューザーなし。1/16

画像12

ディフューザーあり。1/4

影の濃さや輪郭のぼやけ具合も変化があります。

ディフューザー単体で直射だと、さすがに被写体のコントラストの強さまでコントロールすることはできませんが、それでも無いよりは有ったほうがいいなと思う程度には、変化が見て取れます。


最後に、天井にむけて照射してバウンス撮影をした結果の比較です。

画像13

ディフューザーなし。1/1

画像14

ディフューザーあり。1/1

ディフューザーなしだと、直射に比べてコントラストは落ち着きますが、光沢感がない仕上がりです。壁紙の黄ばみが影響してか、黄味がかっています。

一方、ディフューザーをつけると減光されますが、発光面が上面に加え側面も発光するようになるため、バウンス光に加え正面からの直射光も加わり、いい塩梅に光沢感が出ました。金属部や蛇腹の光沢を比べるとよくわかりますね。影もついて立体感のある写りになりました。


まとめ

キャップタイプのディフューザーはあんまり意味ないよ、という意見もみられるため、実際のところどれ位効果があるものなのか興味があって作ってみましたが、比べてみると結構違いがあったという印象です。

PE-321SWは現在販売されている汎用ストロボに比べると大きくて重いですが、中古カメラ屋で投げ売りされているものが多く、高くても1000円もあれば状態のいいものが買えます。僕は300円で買ったものを3台所有しています。

当時のストロボに対応したアクセサリは探すのが大変ですし、今ほどストロボアクセサリが充実していない頃の製品なので、こうして自分で対応アクセサリを作ってあげると、古いストロボでも遜色なく運用することができるようになると思います。

僕は、今回作ったディフューザーに加えてこういったアクセサリと組み合わせて使ってみようと思っています。



この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?