見出し画像

レンジファインダーで接写をした結果

前回の記事で、レンジファインダーカメラにクローズアップフィルターを装着して接写撮影をする方法を考えました。

今回、考えた方法を使って実際に屋外で試写をしましたので、作例を掲載します。


画像1

ファーストショット。

中央の花と葉の水滴にピントを合わせるように、クローズアップフィルターNo1で最短、40cm付近で撮影をしました。

絞りはf11でかなり絞り込みました。

ストラップをピンと前方に張った状態で約40cmに設定、ものさし代わりに距離を測って撮影しました。

試写結果からもわかるように、若干ピントのズレが感じられます。あるいはSS1/15だったので手ブレかもしれません。

近距離撮影で目測のピント合わせがシビアなことは勿論、距離を測ってからフレーミングする間に手がずれてしまうので、そのせいでピントがズレてしまうようです。これはフレーミングとフォーカスの方法や精度を訓練する必要があると思います。


画像2

画像3

アジサイを、40cmと60cm付近で撮影。

どちらも中央にピントを合わせていますが、若干後ろにピントがあるように思います。

これもフレーミングの際にズレたものだと思います。

ただ、見られない程のものではないので、スナップなら許容範囲かなと。

写りはfujinonレンズの繊細さやシャープさが活かされた描写だと思います。


画像4

画像5

ガードレールを最短40cm付近で撮影。

こちらは構造物なのでストラップを直に押し付けてフレーミングとフォーカスを同時に行いながらシャッターを切りました。

一枚目は自然光、二枚目はストロボで撮影しています。

自然光とストロボでは設定した露出値が違うので、絞りの違いで背景のボケ方に違いが出ています。写真自体の色味の差は僕のデジタル加工の下手さが出ています。

画像6

ついでに、クローズアップなしでカメラの素の最短撮影距離で撮るとこの距離感になります。


画像7

こちらもストロボを焚いて撮った写真。

ストラップで距離を測って片手持ちでカメラを構え、もう片手でストロボ(ケーブル接続)を持って撮影、というのは相当難しいです。

やっていておもいましたが、fujica 35EEは片手で持って撮れるカメラではありません。重いしグリップがないので握りやすくないです。

首から下げて両手で持って撮るのが正しい使い方のカメラだと思いました。

結果、フレーミングを外す。


画像8

こちらもストロボを使って撮ったものですが、先述の通り難しいスタイルで挑んだため、ストロボの照射角度を間違えて薄いネガになってしまいました。

そして、カメラを下向きに構えたため、ストラップがレンズの前を横切ったままシャッターを切ってしまい、このような結果に。

普段一眼レフを使っていると、たまにこういうミスをしてしまいます。

ちなみに、この日カメラのX接点(ストロボを接続する端子)がもげました。


画像9

自然光で撮った写真ですが、背景と被写体との光のコントラストや構図が気に入っています。

シダの造形が好きで、なにかとよく被写体に使うことが多いですが、大抵はろくでもない写真になることが多い中で、これは自分の中で割とよくできた方だと思っています。

カメラの素の最短撮影距離だとここまで手前と奥の距離感を強調した構図にはならないと思うので、これはクローズアップフィルターを使う意味があったと思いました。


画像10

画像11

画像12

工事現場の重機のミラー、古い工場の窓枠、自分の自転車のハンドル。

このあたりになると、かなり撮影の仕方も慣れてきてそれなりにピントの合った写真が撮れるようになってきました。

今回はfomapan400で、自然光下では絞りを極力f11、場所によりf8で撮影したため、撮りたいものへのピントはおおむね合わせられたと思います。

植物は風の影響や、ストラップを押し当てると曲がってしまう関係上、正確に距離を測ることができず、随分甘めなピント合わせになってしまいましたが、構造物は比較的うまく合わせられた印象があります。

X接点が壊れてしまったのでストロボを使った撮影方法がとれなくなってしまいましたので、なるべく絞り込んで撮るために、ISO800相当など増感処理をして撮影するなどしてやれば、安定して撮影できるかなと思います。

また、今回は最短40cm付近と少し離れた60cm付近でのピント合わせを試すつもりでしたが、実際とっていると40cm付近ばかりで撮ることが多く、ピント合わせのしやすさや写真の出来なども考えて、クローズアップフィルターNo1では40cm付近固定で撮影すると割り切ってしまってもいいように思いました。


カメラの機種や個体差によって、勿論結果は変わってくると思うので、カメラごとにテストをして距離感を掴んだうえでの実践、という手順を踏むことになるため実際に手持ちのカメラで接写をしようとすると面倒ではありますが、撮影の幅を広げるという意味では面白い試みだったのではと思います。

僕自身、お気に入りのカメラが寄れないという不満を解消したいというところから始まった試みだったので、実際に寄って撮れるのはとても楽しかったです。

わざわざ解説や作例を載せて紹介する機会は今後無いと思いますが、お気に入りのfujica 35EEを使ってこの方法で接写撮影は今後もしていくと思います。

ゆくゆくはレンズ交換式のレンジファインダーでも、こういった方法で接写できれば、などと思っているので、そういった機会があればまたその際に紹介などできればと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?