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CREATOR 35mm f2の使用感がすごく良かった話

最近中一光学のCREATOR 35mm f2というレンズを中古で入手しました。

このレンズをフィルムカメラで使っていて、まだフィルム1本分撮りきっていないので作例を出すことができないのですが、個人的にとても使用感が良かったと感じたので、このレンズを手に入れるに至った経緯と併せてお話をしたいと思います。


35mmは苦手なレンズ

はじめにお話ししておくと、僕は35mmという画角の単焦点レンズが一番苦手です。

フィルムカメラ前提でお話をさせていただくと、35mm単焦点というレンズは

  • 28mmほど広く写らない(当たり前)

  • 最短撮影距離が35cmや45cmと画角の割に長い

  • f値はf3.5が標準で、ちょっとスペックがよくてf2.8、f2やf1.8の35mm単焦点は高級モデル。

こういった点が常識という認識でした。
広さを活かしたダイナミックな撮影には28mmに劣り、植物や小物を撮ろうとすると寄れないためこぢんまりとした絵になりがちで、f値が大きいためファインダーが暗く、なにをどう撮ればいいのか、35mmというレンズの活かし方がわからない。
このように思っていたので、35mm単焦点というレンズは個人的にとても使いづらく苦手とするレンズでした。
そのため、35mm単焦点のみ、どのマウント用のレンズであっても手放してしまって手元にない、という有様です。


CREATOR 35mm f2が苦手を克服する鍵になるか

CREATOR 35mm f2というレンズについて軽く紹介をしておきます。

中一光学が製造しているレンズで、2014年に販売。
フルサイズ対応のフルマニュアル単焦点レンズです。
フルマニュアルということは、ピントも絞り調整も手動ということで、カメラとの連動機能は持っていません。マウントでカメラとくっついているだけで、電子接点も自動絞り機構もありません。
操作感はオールドレンズを彷彿とさせるアナログさで、しかし2014年製造のデジタル向けレンズだけあって、描写はオールドレンズにはない現代的な描写をするレンズです。


僕は今回、オークションで非常に安価で出品されているものを見つけて入手しました。
ペンタックスKマウント用で、COSINA CT-1 EXというKマウント機のフィルム一眼に取り付けて使っています。

中一光学のレンズは同じくCREATORシリーズの80mm f2というレンズを所持しており、こちらもフィルムカメラで使用しています。


今回、このCREATOR 35mm f2を入手する動機となったのがこれ。

最短撮影距離が25cmであること、これが最大の決め手でした。

上記の通り、35mmという単焦点レンズを複数使ってきて(super takumar、hexanon AR等)共通して感じた不満点は寄れない事による表現の不自由さ。
もう少し寄って画面いっぱいに写し込みたいのに寄れない、という不自由さが撮影のリズムを崩し、表現したいという意欲を削ぎ、使う気を失う最大の原因だと思っていました。

反対に、寄れる35mm単焦点があれば積極的に使っていけるのでは?という可能性も感じていました。
今回たまたまこのCREATOR 35mm f2が最短撮影距離25cmであることを知り、また愛用している80mm f2と同じ中一光学製ということもあって、使ってみようという気になり購入したわけです。


実際にCREATOR 35mm f2を使ってみて

実際に使ってみてどうだったか。
結論から言えば、素晴らしい使用感です。
まだ作例も出来上がっていないのに、使用感だけで記事を書こうという衝動が沸き上がるくらい、このレンズの使用感には感動を覚えました。

やはり何と言っても、25cmまで寄れるというのがこれまで使ってきた35mm単焦点と大きく違う点で、そしてこれこそ素晴らしい使用感だと感じさせる一番の要素でもあります。
最短25cmというのが絶妙で、マクロレンズほど寄りすぎないけど満足できる距離までしっかり寄れる距離感になっています。
この”寄れる”という点だけでも、外に持ち出そうという意欲が湧いてきます。撮っていてとても楽しい気分になりました。


それから、35mmという画角も絶妙だと感じました。
作品撮りというよりもスナップ感覚で、現像後にプリントするかどうかも考えずに思うがままでシャッターを切っていたのですが、35mmという画角が狙いすぎず取りこぼさない丁度いい画角だなと感じました。

これが50mmになると、写る範囲が狭まる分、被写体の配置や距離感などに気を遣うようになり、1枚1枚を考えて慎重に撮るようになってしまいます。そうすると、この作業が思いのほか疲れるのです。
疲れるとなかなか枚数を撮れなくなるので、ちょっと気になった被写体があっても「まあ、今日のところはいいか。」と諦めたり手を抜いて、ちゃんと撮らなくなるのです。

35mmという画角はその点、カメラを向ければとりあえず収まる画角であり、程よく周囲のものも映り込むので、作品としての構図を考える作業はプリント時に後回しすることができます。
撮るときは撮る事だけに集中できるので、楽な気持ちで目についたものを次々に撮っていける、非常に心地いいリズムで写真が撮れると感じました。

また、50mmに比べて広角なことで、絞れば被写界深度が深くなりピントの合う範囲が広くなるので、構図にとらわれずノーファインダーでもバシバシ撮りたくなる画角だなとも感じました。
ファインダーを見ていなくても画面に収まる画角なのも相まって、色々な撮り方に挑戦したくなりました。


まとめ

CREATOR 35mm f2は、これまで僕が持っていた35mm単焦点への苦手意識を払拭し、思った通りに撮れる、思いがけない撮り方で撮ろうと思わせてくれる、自由度の高いレンズでした。

最近作品撮りに集中していたこともあって、久々に何も考えずにぶらぶらとスナップで撮り歩きをしましたが、まさかこんなに楽しく感じられるとは思いませんでした。
レンズひとつでこんなにも撮り方が変わるものなのかという発見もあり、今回CREATOR 35mm f2を購入してよかったと思っています。

フィルムを撮りきったら作例も掲載したいと思います。
普段では撮らないような被写体ややらない撮り方で撮った写真も沢山あるので、それらがどんな出来になっているか、今からとても楽しみです。

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