見出し画像

【米国株OP】米国株オプションのすゝめ(インデックス投資家向け)

私は、日本個別株→日経225先物→日経225OP→米国株オプションという流れで投資してきており、オプショントレード自体は、同じ金融デリバティブである先物と親和性が高いものだと認識しております。

実際、日経225OPでトレードする場合は、デルタヘッジで日経225先物ミニ等を利用しますし、周りのトレーダーも日経225先物を主戦としている方が多かったです。

これは、日経225OPが日経平均に連動した指数をもとにトレードする商品であるから当然なのですが、現在、私がメインで実施している米国株OPは個別株に連動しており、また、日経225OPのような差金決済ではなく現物決済であるので、米国株の長期インデックス投資家との親和性が高いのではないかと思いました。

今回は、インデックス投資家向けに米国株OPの魅力をお伝えできればと思います。

配当王!?

米国株には配当王と呼ばれる連続増配を繰り返す会社があり、配当王と呼ばれる50年以上連続で配当金の増配をしている企業があります。コカ・コーラ(KO)やジョンソンエンドジョンソン(JNJ)が有名ですね。

もちろん、株価は上昇した方が良いのですが、このような銘柄を持っている方は、直近の株価の上下に一喜一憂せず長期で配当を得ることを目的にしている方多いようです。

このような配当を目的とした投資家の方に、米国株OPはとてもお勧めです。長期で配当を得るだけでなく、カバードコールという戦略を用いることによりプレミアムを獲得することにより、配当金+プレミアムで利回りをもっと改善できるというわけです。

また、米国には、このような配当利回りのよい銘柄を集めたETFが存在しておりますが、個別株だけでなく、このETFを用いてオプショントレードすることも可能です。

SPYDで検証

今回はインデックス投資家向けということですので、ETFを使って検証してみたいと思います。もちろん、SPYやQQQといった銘柄でもよいのですが、今回は配当利回りを改善することも目的に、高配当ETFであるSPYDを用いて検証してみたいと思います。

高配当ETFでは、VYM(バンガード社)、HDV(ブラック・ロック社)も有名なのですが、サクソバンク証券では、これらのオプションが提供されていないので、SPYD(ステート・ストリート社)を選択させていただきました。

【出典】SBI証券外国株式銘柄情報

現在のSPYDの株価は39.6ドルで分配利回りは3.99%となっております。分配金情報を確認しますと、昨年は1.55ドルの分配があったようですね。今年も2回分配されており、昨年より少し増えているようです。一応、2022年も同じ1.55ドルが獲得できると仮定しましょう。

【出典】SBI証券外国株式銘柄情報(分配金情報)

もし、このETFを所有しているだけであれば、仮に100株を所有していれば、155ドル(約22,000円)をゲットできるわけです。これだけでも美味しいですよね。

今回は、さらに利回りを上げるために、SPYDのコールを売りたいと思います。これはカバードコールと呼ばれる戦略になります。詳細は下記をご覧いただければ幸いです。

SPYDのオプションチェーンを確認しましたが、5つしか表示されません。今回は2022年12月16日満期のコールを売ってみます。

権利行使価格は、現在の株価の5%上が41.5ドルですので、42ドルを選択することにしましょう。

【出典】Saxo TraderGO SPYDオプションチェーン

2022年7月15日の終値時点で0.93を付けてますので、0.93のプレミアムを獲得してコールを売ったと仮定します。

想定分配金利回り

仮に、SPYDが2022年12月16日満期日に株価が42ドル以下であれば、このプレミアム0.93ドルはそのまま受け取ることができます。米国株OPは100株単位でトレードしなければなりませんので、93ドルを得たことになります。

つまり、分配金(1.55ドル)+プレミアム(0.93ドル)で、合計2.48ドルを獲得できるというわけです。現物株をもっていた時の分配金を1.6倍にすることができました。分配金利回りは6.2%になります。(※株価が39.6と仮定。まあ、株価しだいで数値が変わりますけどねw)

では、株価が42ドルを超えた場合はどうなるか?といいますと、この場合はロスカットすることになります。(もしくは現在保有しているSPYDの株、100株を売却)

理論的には、41.93ドル以下であれば、プレミアムを全額ではなくても少しは獲得できます(※手数料等は考慮してません)。

要するに、0.93ドルのプレミアムを獲得するために、株価が42ドル以上上がるリスクを許容したことになるわけです。このリスクを下げるには、権利行使価格を高く設定するわけですが、その場合、獲得できるプレミアムは当然少なくなります。

ただ、オプションプレミアムはマイナスになりますが、株価が上昇して含み益が出ているはずであるので、オプションプレミアムのマイナスは相殺されてはいます。

我々オプショントレーダーは満期でITMになっていれば、機械的にローリングという作業をして、さらに期先のコールを売ってさらにプレミアムを獲得しているので何も気にしないのですが、これを理解するためには、オプションの勉強が少し必要になります。

あと、現物株をもっている前提で話を進めましたが、最初に現物株を購入する場合は、ターゲットバイイングにより現物株を獲得すれば、さらに利金効率が上がります。

まとめ

今回はSYPDを用いてインデックス投資家向けに米国株OPトレードの例を紹介してみました。今回は高配当ETFを用いましたが、人によってはSPYやQQQで株価の上昇をねらいつつ、プレミアムを獲得されている方も多いです。米国株OPの第一人者であるKAPPAさんも現在はSPYを中心にトレードしているようです。

注意が必要なのは、米国株オプションは100株単位でトレードされるので、現物株もそれに合わせる必要があります。10株しかもってないのに、コール売ってはダメです!

あと、米国株OPは確定申告が必要になりますので、その点も注意が必要ですね。

本日も最後までお読みいただきありがとうござました。もし、質問がございましたら遠慮なくコメント欄にどうぞ!(わかる範囲で回答させていただきます)

ありがとうございました!