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【米国株OP】ターゲット・バイイング(第1戦略)

現在、私は米国株オプショントレードをメインとしております。オプショントレードの戦略は人それぞれであり、かなり多くの戦略があります。今回は初心者向けに米国株オプショントレード向けの3つの柱について説明していこうと思います。まあ、自分向けの知識の整理のためでもあります。

米国株オプションの知識についてはKAPPAさんの著書がとても参考になります。下記本でも7つの戦略について簡潔に記載されてますので、オプションの知識がすでにある方にはおススメです。

私が考える米国株オプショントレードの3本の柱は下記と考えております。

【1本目の柱】ターゲット・バイイング(第1戦略)
【2本目の柱】カバード・コール(第2戦略)
【3本目の柱】LEAPSダイアゴナル・スプレッド(第3戦略)

今回は1本目の柱であるターゲット・バイイングに関する話です。

ターゲット・バイイングとは

ターゲット・バイイングは通常ターバイと略されることがありますが、文字通り、自分が買いたいと考えている価格で株を買うことを意味します。

「ん?なら指値と同じじゃね?」

と思われる方もいるかもしれませんが、本質的には同じと考えていただいて問題ありません。ただ、ターバイの方が圧倒的に有利になります。

現物株で指値で購入した場合

ターバイが指値より有利なことを、Apple(AAPL)の株を用いて説明してみます。2021年12月31日終値のAPPLの株価は$177.57でした。まずは現物株で指値をいれた場合を考えてみます。

株価が$170まで下がってきたら株価を買いたいなと思い、$170で指値を入れてみます。APPLの株価の変動でどうのようになるでしょうか?

①株価が上昇し$170にならなかった場合

指値は無効となり、「ああ...やっぱり上昇してしまったか。やはり、あの時に$177.57で買ってよけばよかった」と悔やむことになるでしょう。

②株価が下落して$160になった場合

指値がささり$170で株価を持つことになります。ただ、株価は$160になってますので$10の含み損が発生してます。このまま株価の上昇を待つしかありません。また、さらに下落するようであればロスカットを検討する必要もあります。あまり気持ちの良い心理状態ではなさそうですね。

③株価が$170まで下落してその後反転した場合

これが唯一の勝ちパターンですね。上手く$170で株価を手に入れて、含み益がある状態。心理状態的にも最高ですね!自分の思惑通りに決まって!

ただ、うまく③のケースで終えられればよいわけですが、毎回そうなるほど相場は甘くありませんよね。

ターゲット・バイイングで購入した場合

それでは、ターバイで株を取得してみましょう。APPLの株を$170で買いたい場合にターバイで実施することは、プット170を売るだけです。要するにプット売りをすればよいわけです。

プット売りというと「利益限定、損失無限大のあの危険なトレードか?」と思われるかもしれませんが、それは日経225オプションのような指数系オプションの場合です。現物株オプションでは、その株を買う現金を確保していれば損失は無限大ではありません(その権利行使で株を取得することになるだけ、ただ、含み損は出る可能性あり)。

今回の場合は、APPLの株を$170で100株の資金($17,000)を準備していればOKです。このためターゲット・バイイングの事を現金確保プット売り(英名:Cash-secured Put:CSP)と呼ぶこともあります。

それでは、APPLの170Pのプレミアム価格を確認してみましょう。2021年12月31日終値の170Pは$0.96(満期:1/14)となっております。これを売ることになりますので、$96($0.96×100株)の現金を取得することになります。このオプションが満期になった時に、現物株同様に3つのケースで検討してみましょう。

①株価が上昇し$170にならなかった場合

170PはOTMになりますので権利消滅となり、$96が利益となります。株は手にすることはできませんでしたが、$96の利益を上げられたので現物株を購入するより良いトレードと言えそうですね。

②株価が下落して$160になった場合

170PがITMとなりましたので、APPLの株を$170で100株所有することになります。しかも、現在の株価は$160ですので$10ドルの含み損となります。ただ、最初に$0.96を受け取ってますので、実際の損失は$9.04となります。このケースも現物株を購入するより含み損が減っており、よいトレードと言えそうですね。

③株価が$170まで下落してその後反転した場合

現物株の唯一の勝ちパターンでしたが、こちらはターバイであっても同様です。APPLを$170で取得して、その後上昇しているので、現物株同様の含み益を得ているはずです。さらに、事前に$0.96を獲得しているので、こちらのケースでも現物株より良いトレードと言えそうですね。

上記のとおり、すべてのケースにおいて、ターバイの方が優れたトレードであることがお分かりいただけると思います。

②のパターンでは含み損をもってますが、これは次回説明するカバードコールを実施することで含み損を減らしたり、あわよくばプラスで終えることも可能です。

下記書籍では、ターゲット・バイイングの事を「ちょっとお得な指値」と書かれておりましたが、まさにそのとおりですね。

現物株を現在の価格で買う場合においても、ATMのプットを売れば、ATMの時間価値は最大であるので、多くのプレミアムを獲得して、株価も購入することが可能です。

まとめ

今回、ターバイがいかに現物株より有利にトレードできるかを説明させていただきました。ただ、ターバイにも欠点もあります。米国の現物株は1株から売買できますが、米国株オプション取引はすべて100株単位であること。現金確保プット売りをするには、多くの現金が必要となります。よって、資金力があった方が有利と言えます。

ただ、米国株オプションは色々な銘柄を取り扱っておりますので、$20以下くらいの銘柄もたくさんあります。私もFSR(現在株価:$15.73)でトレードしてます(含み損状態ですがww)。日本株でも100株単位ですので、2000円の株を買うには20万円必要になりますし、この点については、日本株と比較すると同条件とも言えますね。

次回は第2戦略であるカバードコールを説明したいと思います。正直、今回のターバイとカバードコールの2本だけでもかなり戦えます。ぜひ、米国株オプションに挑戦してみてください!

本日も最後までお読みいただきありがとうございました!

ありがとうございました!