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財前ぜんざい@オリジナル小説
2016年10月18日 17:35
見たくない光景は、見ないようにしようと意識すればするほど、視界に入ってくる。茶色の柔らかい髪。もう二度と私に向けることはない、眩しい笑顔。心が切り裂かれる。 帰宅しようと、キャンパス内を歩いていた私は、彼を見つけた。彼はまだ講義があるようで、キャンパスの奥の校舎へと歩いていた。隣にいる女子学生は、最近連れて歩いている同じ学部の子だ。講義も二人で受けていることが多い。彼らと同じ学部の私は、否応