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オリジナル小説「アスタラビスタ」

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人を殺めようとした紅羽を止めたのは、憑依者と呼ばれる特殊体質の男だった。キャラが憑依し合うヴィジュアル小説!
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2016年1月の記事一覧

アスタラビスタ 1話 part5

アスタラビスタ 1話 part5

 ドアが開く。三センチほど開けた状態で彼は手を止め、中の様子に耳を澄ませた。部屋の中から物音はしない。ドアを大きく開け、彼は玄関に足を踏み入れる。

 「靴」と言われ、私は自分の足元に目を落とした。彼の首から腕を離し、靴へと手を伸ばすが届かなかった。「一度降ろしてほしい」と言おうとした瞬間、彼が瞬時に私の靴へと手を伸ばし、脱がせた。あまりの早業で驚く。戸惑うことなく、手こずることなく、私の両足の靴

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アスタラビスタ 1話 part4

アスタラビスタ 1話 part4

「俺、家まで届けてくるから、ちょっと待っててくれ」

 車の後部座席に私はいた。若い男の膝を借りて横になり、ぼうっとしていた。時折激しさを増す動悸に耐えながら、早く家に着くことを願った。運転していた明るい髪の男の言葉を聞いて、やっと車が自分のアパートの前に止まったことを知った。

「分かった。ほら、後少しだ。起きれるか?」

 若い男は私の身体を起こす手助けをした。気分が悪くなった時のために持って

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アスタラビスタ 1話 part3

アスタラビスタ 1話 part3

「どうしよう、どうしよう」

 どうしようもないというのに、焦りが止まらない。

「おい、水持ってきたぞ!」

 若い男がガラスのコップに水を入れて持ってきた。急いでいるせいでコップの中の水が波打ち、零れても平気で駆けてくる。「サンキュー」と言って年上の男がコップを受け取り、私に「身体起こせる?」と尋ねてきた。

 私は上半身を起こし、コップを受け取った。

「ゆっくり、むせないように飲めよ?」

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アスタラビスタ 1話 part 2

アスタラビスタ 1話 part 2

「大丈夫? しっかりして!」

 目の前が何も見えない。男二人に肩を抱えられつつ歩こうとするが、動悸が早くなっていく一方で、身体に力が入らない。

「もう少しで横になれるから、頑張って」

 年上の男が心配そうに声をかけてくる。夕日が差し込んでいた非常階段とは対称的な、暗いマンションの廊下をよろよろと歩いた。どこかも分からない部屋を目指して耐える。

 気持ちが悪い。苦しい。動悸が止まらない。身体

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