映画日記#5 『アンダーグラウンド』(エミール・クストリッツァ監督、1995年)

映画を観終わって、バス停まであの音楽を聴きながら走ってしまった。こんなにパワーを感じた映画はこれまでにない。誇張ではなく、生きる力が湧いてきた。笑いながら泣きそうだった。

カンヌでパルム・ドールを獲っている。当たり前である。

お祭り騒ぎのような荒れ狂う時代の嵐。その時代を変な生き方をして変な死に方をした人たちの変な人生。そして「もう存在しない国」ユーゴスラヴィアの幻想。地下世界には国境がなく、ナチスからもティトーからも自由な地下世界にだけユーゴはある。

もう何を言っていいかわからない。喜劇がそのまま悲劇でもあるという稀有な映画。笑える場面は笑えるけど悲しく、泣ける場面は泣けるけど面白い。やばい映画としか言いようがない。

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