夏はデブがバレるから嫌い

めっちゃ太っている。
今、体重が90kgある。

これは楽天から読売ジャイアンツに移籍したオコエ瑠偉外野手と同じ体重である。プロ野球選手の90kgは“肉体”であるが、中小企業勤め底辺会社員の90kgは“ちゃんとデブ”である。サードゴロしか打てない。

日本の小学1年生の平均体重は大体20kgらしい。「90kg÷20kg」を計算してみてほしい。僕は体内に4.5人の小学1年生を飼っていることになる。いやはや、“ちゃんとデブ”すぎる。小1が4.5人なんて、もう『かいけつゾロリ』しか読めない。

そんな“ちゃんとデブ”の天敵、夏がもうじきやってくる。

夏は手強い。秋〜春にかけては厚手のスウェットやパーカーを着ることで“ガタイがいい人”というふうに見られて“ちゃんとデブ”であることをギリギリ誤魔化せていたが、夏はそうはいかない。

白いTシャツを着ようものなら、腹は出まくり、乳首は透けまくりだ。
「やべっ！終電行ってまう！」なんつって駅までダッシュしようものなら、乳腹揺れまくりの出血大サービスだ。おっさんの乳腹揺れまくりはとても見てられない。両親に合わせる顔がない。

夏が完全に僕をイジってきている。しっかりデブいじりしにきてやがる。最悪だ。

“ちゃんとデブ”な僕に『汗』と『恥』をかかせにくるクソ野郎。

それが夏なのだ。

めっちゃ嫌いだ。滅亡してほしい。

もしも秋、冬、春の3人が体育館裏で告白してきたらすぐにOKして付き合うけど、夏だけは絶対OKしない。すぐに振る。滅亡してほしい。

ヒルクライムが「今年の春はどこに行こうか？　今年の夏はどこに行こうか？　春の桜も夏の海も　あなたと見たい　あなたといたい」って歌ってるけど、あなたとは春の桜だけを見ていたい。夏の海いらない。滅亡してほしい。

冷やし中華、はじめなくていい。ずっと醤油ラーメンでいい。滅亡してほしい。

「だったら痩せればいいじゃん！」と言われそうだが、それは夏に対して媚びている感じがして嫌だ。夏のために痩せるくらいなら朝昼晩とマック食べる。

こっちが痩せるのが先か、夏が滅亡するのが先か。

賽は投げられた。