朝と自転車(詩)
日差しが僕の目撃ち抜いてく
どうでもいいような奴らばっかりな
朝
僕もそうだけれどね
保育園親どもが溜まっていく
車は渋滞 タバコをふかしている
朝
苛立ちが伝染していく
叫びたい気持ちもそらある
というか早く家に帰りたいさ
僕はそいつを仕舞って 自転車ですり抜ける
君を後ろに乗せてみたい
って「君」なんていやしないのに
幻想 逃げるように滑っていく
日々のルーティン壊したい
しかしそれにすがり続けたい
エンドロール 早く来いって思って漕いでいる
近頃 体がなんか重たいな
ひどい時は全身痛んでる
朝
来て欲しくもないのにね
キラリと光ってるアル中の吐瀉物
井戸端 家族の悪口ばっかりな
朝
どうでもいいんだけどね
工事現場は怒鳴り散らす
親方は雑談交わしてる
僕はそれを横目に 自転車ですり抜ける
君を後ろに乗せてみたい
って「君」なんていやしないのに
幻想 逃げるように滑っていく
日々のルーティン壊したい
しかしそれにすがり続けたい
エンドロール 早く来いって思って漕いでいる
昼になればまた諦めてる
夜になれば自己嫌悪に陥る
「君」なんかやってこないよ
分かっているけれど
だけど朝くらい
「君」を後ろに乗せてみたい
って君なんていやしないのに
幻想 逃げるように滑っていく
日々のルーティン壊したい
しかしそれにすがり続けたい
エンドロール 来いって思って漕いでいる
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