アレルギーと元恋人(短編小説)
「ばえくしょい!ああ!もう…。」
ずびずびと鼻を鳴らしながらティッシュを求めて彷徨う姿は、壊れたラジコンカーのように見える。
僕の恋人が突然花粉症になって数日が経つ。ある日目を真っ赤に腫らして帰ってきたと思うと、ギャグ漫画のように鼻水を垂らすようになった。僕は花粉症になった事がないので、どれほどの苦しみかは分からない。しかし、鼻が擦れて血が出るほどに鼻水が出るというのは、中々に辛い状態なのだと思う。もし自分が花粉症になったら、辛さのあまり壁に頭を打ちつけて、死んでしまうか