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イザヤ預言書ノート「永遠の神が歴史に介入する」―全世界が仰ぎ見る神―

イザヤ書全体が、一人の「預言者イザヤ」によって書かれたことを前提に、この預言書の意図、内容を学んでいきます。

預言は、歴史の中に神が介入され、預言者を通して語られたものであるゆえに、語られた時代背景、状況把握が重要。それで、イザヤ書のいくつかの箇所で指示されている、それぞれの事件の起きた時を基準に、全体を眺めてみることにします。

[ I ] 1:1 アモツの子イザヤがユダの王ウジヤ、ヨタム、アハズ、ヒゼキヤの世にユダとエルサレムについて見た幻。 

[ II ] 6:1 ウジヤ王の死んだ年、わたしは主が高くあげられたみくらに座し、その衣のすそが神殿に満ちているのを見た。 
2列王15:7(BC747/6)

[ III ] 7:1 ユダの王、ウジヤのヨタム、その子アハズの時、スリヤの王レヂンとレマリヤの子であるイスラエルの王ペカとが上ってきて、エルサレムを攻めたが勝つことができなかった。 2 時に「スリヤがエフライムと同盟している」とダビデの家に告げる者があったので、王の心と民の心とは風に動かされる林の木のように動揺した。 
2列王15:37

[ IV ] 14:28 アハズ王の死んだ年にこの託宣があった、 
2列王17

[ V ] 20:1 アッスリヤの王サルゴンからつかわされた最高司令官がアシドドに来て、これを攻め、これを取った年、―― 
2列王18:13

[ VI ] 36:1 ヒゼキヤ王の第十四年に、アッスリヤの王セナケリブが上ってきて、ユダのすべての堅固な町々を攻め取った。 

[ VII ] 38:1 そのころヒゼキヤは病気になって死にかかっていた。アモツの子預言者イザヤは彼のところに来て言った、「主はこう仰せられます、あなたの家を整えておきなさい。あなたは死にます、生きながらえることはできません」。
39:1 そのころ、バラダンの子であるバビロンの王メロダク・バラダンは手紙と贈り物を持たせて使節をヒゼキヤにつかわした。これはヒゼキヤが病気であったが、直ったことを聞いたからである。

1~5章を全体の序文とし、前半が6~37章がおもにアッスリヤ帝国への勝利までの預言、後半はそれ以降の38~66章とに大きく分けられる。

前半に特徴的なのが、[ III ]の区分の中に「クリスマス預言」すべてがここにあるということ。

後半は、ヒゼキヤ王の次の言葉が焦点にあると考えられます。

39:8ヒゼキヤはイザヤに言った、「あなたが言われた主の言葉は結構です」。彼は「少なくとも自分が世にある間は太平と安全があるだろう」と思ったからである。

イスラエルの諸王の中で、ダビデ王を別にして、ヒゼキヤは霊性において頂点にいる人物です。アッシリアが撃退されたのは、ヒゼキヤ王の信仰的決断の結果でした。そのヒゼキヤが、自己中心的な言葉をはいてしまいます。

その直後から、「第五福音書」とまで称される預言が始まるのです。律法の下では解決されない人間の深い罪性が、神の恵みによって解決される預言。ヒゼキヤの人生に見られる善性は、その深みから造り直されなければなりませんでした。

それが、イエス・キリストにおいて成就し、今の私たちに提供されているのです。

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