塞王の楯
この本を読んでしまったら、もう以前と同じようには世界を見られない。
この本を読んでしまったら、もうお城は石垣しか目に入らない。
「八本目の槍」が良かったので、続けて今村翔吾さんの作品を....。
戦国時代、決して破れない石垣を作る事で戦を無くそうとした一人の石工がいました。名を、穴太衆飛田組の若き塞王、匡介。
それとは逆にどんな城も落とす凄まじい威力の大砲を作り、双方にそれを持たせる事で戦を封じられると考えた鉄砲職人もいました。
名を、国友衆の次期頭目、彦九郎。
まさに日本版、「矛と盾」
志は同じなのに、真逆のアプローチを取った二人の若きエースが、敵味方に分かれ、それぞれの矜持と大津城の存亡をかけて攻防戦を繰り広げる描写が圧巻で、息を呑みます。
石垣が、こんなにも多彩なものだとは知らなかった。
穴太衆がこんなにも胸熱なスーパー職人集団だったなんて知らなかった。
ふと気づけばニュースでどこかのお城が出てくるたび、釘付けになり、
「あの積み方は野面積み!コーナーは鈍角!」
と思わず叫ぶ変な人出現。
読んでいると、ウクライナ情勢や、世界の核武装なんかもチラリと心を掠め、戦のない世の中を作る難しさは今も変わらないのだと、苦しくなります。
だからそれを防ぎうるかもしれない盾に惹かれるのでしょうか。
読み終わって思った事。
いいなぁ、石垣。
とりあえず見たい!
一番近いのどこだ?
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