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【臨床検査技師】知識の引き出しを作ろう




臨床検査技師として「成長」とはなにか?

と聞かれたら迷いなくこう答えます。



「引き出しをつくる」


これは物理的なお話ではなく、

「知識の引き出し」ってことです。


必要なときに、

必要な知識を引き出して、

必要な分だけ使う。


これが「成長」だと思っています。


正直、知識なんてものは

ググれば、AIに聞けばたいていのことは

わかった気になれます。


なので、全部が全部インプットしておくのは

今の時代、結構効率が悪いんです。


しかし、使いたいとき、使うべきとき、

知らないとどうすることもできないシーンは

働いていれば必ずあります。



そんなときに、

きちんと知識の引き出しを使えることが大事。


それが調べ方なのか、

知識そのものなのか、

関連した知識なのか。



適したときに、適した知識を出せることが

成長を実感するときです。



でも、その引き出しってどうやって作るの?

ってところが正直なところだと思います。


今回はこの道15年以上やってきて

こうするのもひとつの手だよ」ってことを

書き記しておきます。


引き出しの作り方

それは、、、

常に疑問を持つことです。

口で言うのも、書くのも簡単ですが……


具体的に言えば

「調べグセ」を作ることです。


これは習慣化しないと

いつの間にか忙しさにかまけて

やらなくなってしまいます。



習慣のつくりかたって難しいようですが

実は簡単なんです。



よく使われるテクニックに

IF-THEN(Xしたら、Yする)
があります。



しかしこれは

あう人もいれば、あわない人もいる。



個人的には

「溜めない」意識が必要だと思います。



IF-THENにも近いんですが

「悩みが発生したら、その場で調べる」
クセをつけるんです。



もちろん生理検査など患者さんがいる前では

簡単に調べることができないシーンもあります。



そういう場合は必ずその日単位でやりきる。


絶対に翌日に持ち越さないこと。


まとめて休日にやろうとするから

量的に膨大になってしまって


やがてやる気を失ってしまう。



そもそも休日は

勉強なんてしなくてもいいんですよ。


休む日なので。



勉強することがリフレッシュになったり

やりたいことである場合は別ですが


僕みたいに多趣味な人間は

まともに休息をとれないと

仕事そのもののやる気を失います。



だからそこのONーOFFを作るためにも

気になったことは、すぐに調べる。



これはどんな分野にも共通でいえますし

そして調べたからといって覚えられるわけではなく

ほぼほぼ忘れます。



でも「調べたことがある」という記憶が

どこかでうっすら残るんです。



こうなれば引き出しの完成です。



本当は覚えてられるのがベストですが

「調べたことがある」という記憶が

ほんとうに大切なことです。



僕の場合は、病理検査で

それこそ癌の取り扱い規約なんて

コロコロ変わります。



その都度対応するのって

かなりハード。



専門でやっているような分野は

きちんと情報を追えますが


それ以外の分野って

まったくわからない……ってなりがちです。



でも、引き出しがあれば

「あ、あれ今どんな解釈だっけ?」

「たしかこれみればわかるよな」


みたいな感じで

仕事中に感じた悩みを解決することができます。



ちょっと話は逸れますが……。



新人時代に強く感じていたのが

どうやって悩みを解決するかがわからない

ということでした。


わからないことが多すぎる。

そもそもどこを優先的に覚えたらいいか

ぜんぜんわからない。


先輩方はみんな

好き勝手言ってくるし

みんなバラバラだし


どれを信じたらいいの?

って思っていました。



そこでハッとしたんです。

「そもそも正解なんてなくね?」


ってことに。



日本人はなんでも

正解を追うのが美徳としています。


わからないことがあるのはよくない。


完全完璧の状態で仕事すべきだ

ってことですね。



でもこれ、どだい無理なんですよね。



忙しいじゃないですか?


やりたいことだってあるじゃないですか?



いくら人命かかっているからって

完璧なんて求められません。



そもそも完璧ってなんだ?

どこまでいったら完璧なんだ?


じゃあ指摘してきたあの先輩は

完全体セルなんか?


そんなわけないでしょう。

誰だってウィークポイントはあります。



勝手に焦っていたんですよね。


先輩って「デキる」って。



でもいざ自分が先輩になれば

ぜんぜんたいしたことはない。


もちろん知識は増えているし

困ることは年々少なくなってくる。



でも新人さんより自信を持って仕事できているのは

「知識の引き出し」が増えているから。



どこで、どうやって

もっている知識を使えばいいのかが

体感的にわかっている。



もうちょっと進めば

どこでどんな知識を使うかが

言語化できる。



これができないってのは

成長していない証拠だし


ただ漠然と技師人生を歩んできたな、と

思ってしまうわけです。



引き出しが増えてきたら

面白いことに仕事が楽しくなってきます。



引き出したくて仕方ない。


そんな感じになります。


もちろん人命あることなので

症例や事象を楽しんで……

というのは違うかもしれません。



その裏には苦しんでいる患者さんが

確実に存在するわけですから。



それでも自分の力を発揮できるのは

職業人としては燃えるものがあるわけです。



知識の灼熱。


この世界に入れれば

本当に仕事は楽しい。



患者さんのためだけではなく

自身が楽しく働くためにも


知識の引き出しを作るのも

おおいにアリだと思います。



なんにせよ

楽しく仕事したいものですね。


そしてそれで

人に貢献できればいうことなしだと思います。



ということで

7月もはじまってしまいました。



これで1年の半分が終わったことになります。



でも、今日ここで

「知識の引き出し」って概念を知ってくださったなら

あと半年、きっと楽しくなります。



臨床検査技師は

素晴らしく、楽しく、やりがいのある仕事です。


合う合わないはあるにせよ

「なんか楽しくないな」と思ってしまうのは

本当にもったいないなと感じます。



どうせなら楽しんでいきましょう!

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