新人育成は何を意識すべきか問題
多くの組織では、新人さんがあと1ヶ月ほどで入職されますね。
これからの時代を担う新世代の育成をしないと、その企業や組織はどんどん取り残され、あっという間に淘汰されてしまいます。
でも問題は現在戦力となっているメンバーが「どんな新人育成をしたらいいかわかっていない」ということです。
職種柄、いろんな部署のリーダーさんたちとお話しする機会が多いですが、みなそこに悩んでいる印象でした。
それもそのはず。「新人育成の担い手」がいないのです。これからの世代を担う人材はいても、それを育てる人材がいないのです。
人員がいないという意味ではなく「そのスキルやマインドを持った人間が本当に少なすぎる」ということですね。
これは本当に深刻です。
今日のnoteは何か解決策を授けるという代物ではありませんが、何か気づきになることがあればいいなと思って書いております。
新人育成を再考したい、これから頑張っていきたいという方は、ぜひお立ち寄りください。
何を重視するべきか?
まず初めに考えないといけないのが「新人育成をするとき、何を意識しますか?」ってことです。
企業でいえばビジョンや理念です。これがハッキリしていないと、ゴールがない雪原を歩くようなもので、チームは猛吹雪にさらされても、自分の身を守ることも、逃げることもできません。
新人育成とチーム理念。一見関係なさそうに見えますが、決してそんなことはありません。関係アリアリです。
新人育成をする際には、チームにどんな人材が足りなくて、どこを伸ばしたいのか。またはどんなスパイスを入れて刺激したいのかを考えることが求められます。
つまり、どんな人材にしていきたいか?ということです。
これは面接段階である程度見えているはずです。物静かな人材に、チームの盛り上げ役に慣れというのは酷ですしナンセンスですよね。反対に、盛り上げ役みたいな人材に、チームに落ち着きを与えろというのも無理な話です。
ある程度は採用の時点で決めているはずなんです、心の中では。
ただ、実際に働いてみないとわからないことも多いのが人材育成の難しいところ。
チームにとってほしいベースのところは、既に設定していることが多いと思うので、あとは新人さんを直に見て、一緒に働く中でどんな特性を持っていて、どんな働きが期待できるのか?ということを観察します。
その上でチームにとってほしい能力が得られそうなら、そこから伸ばしていけばいい。
絶対にやってはいけないのが、個性を殺す選択。
これまたサッカーで例えますが、中央のポジションが得意な人間に、サイドをやらせるのは、いくらチーム事情があっても得策ではありません。それならフォーメーションを変えるべき。あくまで「人材あってのチーム」ですので、現有戦力でベストな布陣を探すことが求められます。
新人さんは当たり前ながら業務に不慣れですし、能力値も現メンバーよりは低くなるのは仕方ありません。だからと言って向いていないポジションにつけて「ここをやるんだぞ」っていうのは、能力の飼い殺しです。
この「能力を見抜く」というのはとても難しい作業になります。それこそ一緒に働いていると情も湧いてきますし、ある程度は俯瞰してみないといけません。そのためにはリーダー自身が頻繁に一緒に作業しないこと。いい意味でドライでいなければいけません。
評価というものは他人のするものですので、あくまで事実に基づいた判断をしないといけませんよね。その判断は論理的でなければいけません。
新人育成はここまで深掘りして考えないと、いい結果は生みません。なんとなく採用して、なんとなくルーティンワークにはめて、、、というずさんなマネジメントでは、せっかくの光る原石も、その辺の石ころになってしまいます。
ぜひリーダーにはそのへん、しっかりと考えた上で、新人育成に当たってほしいなと思っています。
誰が育成の中心になるか?
ちょっと話は変わりますが、教育担当という存在も重要なポジションです。これは指導者という言葉を使っている業界もありますが、基本的にはメインになる教育者を決めて、そこを中心に育成をしていく…というスタイルがベースになります。
これを面倒がって「みんなで見ればいいじゃん」となると、新人はうまく育ちません。なぜなら「ロールモデル」がいないから。
自身が成長するときには少なからず「こうなりたい」「こう動くべきなんだ」というベンチマーク的な存在が必要です。そうじゃないとどこを目指して努力すればいいかわからないから。
そこでメインの教育担当を決めるわけです。
でもここでひとつ、大問題があります。それが…
「誰を教育担当にするか?」ということです。
人間的にアレな人を教育担当にするわけにはいきませんし、コミュ力皆無な人間もダメ、知識がなさすぎる者もNG。結構限られてくるんですね。
僕なりのベストは「誰かに教えることで能力を伸ばしてあげたい」と思える人物がファーストチョイスになります。経験年数でいうと5年目〜7年目くらいでしょうか。仕事も小慣れてきて、悪い意味で油断もしている時期です。
そういうメンバーに教育担当を割り振ることで、自身の新人だった頃を思い出してもらい、原点に立ち帰るきっかけを作らせます。
いわば同時に2人育成しているようなものです。
キャリアのどの段階でも、教育・学習というのは切っても切り離せません。役職がつけばマネジメント学習をしないといけませんし、中堅どころになってきたら、役職になるための勉強であったり、新人から中堅になるときには周りに甘えすぎないマインドの形成であったり。
なので、チームは生き物なんです。安定をさせないといけないのに、常に変化を求められます。その上で結果を出し続けないといけないので、どんなに細かいところでもマネジメントするという意識や、全体を見渡す俯瞰力がそのチームのリーダーには必要になってきます。
これらは人材育成の基本中の基本としても挙げられるんですが、わかっていても着手できないことが多いんです。
なんと言ってもどこから手をつけていいかわからないから。
そんなときにこそ、チームの理念だったり、ビジョンが必要になってくるんですね。
誰が新人指導するかというのは、そのチームのコンセプトを反映させると言っても過言ではありません。
考えることは膨大だが…
考えろ!深掘りしろ!!と言いまくってきましたが、一番大切なことがあります。
それが「新人さんが入った空気感を楽しむ」ということです。
せいぜい数ヶ月しか続かない独特の空気感は、堪能しておかないと損です。
言い換えるならそれくらい心に余裕を持って仕事をして、新人さんの心理的安全性を確保してあげることがベストなんです。
間違ってもピリついた空気は出していけません。それも新人教育の一環です。もちろんいけないことをした時は指導するのは当たり前ですが、空気感まで悪くする必要性がありません。
そういうことを考えない中堅〜ベテランが多すぎるのがこの国の特徴でもあります。一体何をしたいんだか…
新人さんもそうですが、誰しもが「周りに活かされて」初めてチームの一員として認められます。感謝の気持ちですね。そこを忘れたら、人としての格が下がるだけではなく、いい人生を送れません。
1日の大半を職場で過ごすことになるのですから、気持ちよく過ごしたいものです。
仕事と人生。最後は壮大な感じになりましたが、チームリーダーはそこまで深掘りしてこそです。メンバーも深掘りしてほしいですが、正直そこまでの余裕やマインドはありません。
だからこそ先頭に立つものがチームの行末を明示していかないといけないんです。
ということで今日のnoteはここまでにしたいと思います。
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