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2拠点生活のススメ|第127回|ラグを売る人

徳島市のギャラリーにトライバルラグの展示会を見に行った。

イランやトルクメニスタン、アフガニスタンなどの遊牧民が織るトライバルラグ。トライバルというのは「部族」という意味だそう。工芸品として織られたものもあるが、ほとんどは遊牧民たちがパオ(テント)の中で実際に使っていた年代物の絨毯ばかり。

長く使われてきた絨毯は、独特の光沢が出てとても美しい。ずっと長く使っていけるものなんですね。部族によってそれぞれ特徴が有って、文様や色遣いもそれぞれ

色んな絨毯の中で、特にトルクメニスタンのバルーチ族が織った絨毯が凄く気に入った。ちょうど1畳ぐらいの大きさで、紺色とエンジ色だけで織られたとてもシックなものなんだけれど、独特の光沢感と見ていると吸い込まれるような深さを感じた。100年モノのアンティークということで、よく見ると修理の後が何カ所もあるのだが、そういう所がまた愛おしく感じてしまうから不思議。見れば見るほど引き込まれて離れられなくなったけど、お値段が17万円ということで、しっぽを巻いて帰ってきた。

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写真は、私が見たモノでは無いが、雰囲気がよく似ているバルーチ族の絨毯。すべて天然染料で染めて、手作業で織られた一品モノ。お値段が張るのも仕方ないな。

絨毯屋のオヤジもとても雰囲気があって、普通にセーターにチノパンといった出で立ちなのだが、世界中旅してきたんだろうなと思わせる雰囲気というか、臭いを感じた。お店はなく倉庫のみで、日本中渡り歩いて絨毯を売っているらしい。彼の生活がすでに遊牧民のようだ。穏やかな語り口と澄んだ瞳、なんだかとても親しみを感じてしまって、飲みながらゆっくり話を聞きたい気分になった。

日本中を旅して絨毯を売る暮らし、色んな場所でご縁ができて、何十年もお客さんのお家で使い込まれていく絨毯。想像しただけでもロマンを感じる出会いでした。

他にも岩塩を運ぶ袋やアフリカの部族のタペストリーなんかもあって、とても心惹かれる展示でした。DMをもらったので、気分だけでもお届けしますね。

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4月20日まで、徳島市北沖洲 櫻ギャラリーにて開催中です。


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