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理想のカタチ

この1週間、阿波踊りあり、台風あり、花火大会ありと宿主としては右往左往。

たくさんのお客様にNOMAyadoを訪ねていただき、とても幸せな時間を過ごさせていただきました。

阿波踊りを観に来られていた2組のお客様を無事見送った夜。いよいよ台風が鳴門に接近。高齢者の方は早めの避難をと呼びかける放送が辺りに鳴り響き、一時はどうなることかと少し焦りましたが、近所の漁師さんにこれぐらい大丈夫だから心配いらないと励まされ、なんと一緒に焼き肉を食べに行くことに。

次から次へと豪快に肉が焼かれ、焦げないように胃袋へと片付けるのに必死。
久しぶりに美味しいお肉をたらふくいただきました。鳴門に来て1年半、こうして気にかけてくださる方々に恵まれたこと、ほんとに嬉しいかぎりです。

けれど翌日、台風が鳴門をかすめる頃には、防波堤の扉も閉められ緊張感が高まる中、体験したことのない暴風雨に見舞われました。さすがに元倉庫だけあって宿の中にいても会話がほとんど聞こえないといった時間帯もありましたが、幸い鳴門市は台風の進路の西側だったこともあって、これといった被害もなくほっと一息。

台風一過、これで穏やかに花火大会を迎えられるかと思いきや、その日は朝からまたも豪雨。一向に雨が止まず花火なんてできるんだろうかと心配しましたが、夜には小雨になり、宿泊のお客様と一緒に花火を楽しむこともできました。

NOMAyadoの大窓から見えた花火

宿から見る初めての鳴門花火、今年は鳴門のボートレース場が70周年ということで、7000発が打ち上がるという豪華な花火大会となりました。目の前の小鳴門海峡に花火の光が反射し、その美しいこと。この穏やかな環境で、お客様と私たち夫婦だけで花火を独占できるなんて、ほんとに贅沢な時間でした。

花火を眺める宿主夫婦(お客様が撮って送ってくださいました)

この日の宿泊は、茨城県からお越しの男性と、徳島県在住の女性。どちらもおひとりさまで、一緒に花火を楽しんだ事ですっかり打ち解け、宿に入って軽い宴モードに突入。

たまたまNOMAyadoに集いし、縁もゆかりもない3人。
けれど、まるで昔から良く知る友人かのように話に花が咲き、お酒を飲みながらのリラックスタイム。ちょっぴり不思議だけれど、最高に心地よい時間・・・静かに夜は更けていきました。

翌日、徳島の女性は早朝からお仕事へ、茨城の男性も渡船に乗って宿を後にされ、また奥さんも仕事で大阪へと、それぞれの日常へと戻っていかれました。

一人宿に残され、ちょっぴり寂しい気もするけれど、
これこそ、私が思い描いていた理想の宿のカタチそのもの。
改めて、宿を開いてよかったと感慨に耽る夜です。

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