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哀れなるものたち

今年に入ってまだ1ヶ月だというのに、何かと心乱される話題が多い。

地震の際には、人の善意に付け込んで再生回数稼ぎのフェイクニュースが横行したり、売れたら勝ちとばかりに週刊誌が暴走、真偽もまだ分からないというのに人が次々と抹殺されていき、TVがそれを煽る。SNSでは正義を振りかざした毒が次々と撒き散らかされ、際限なく拡がって誰も止められないという有り様。

じゃあ、TVもSNSも見なきゃいいじゃんということなのだが、ジムや食堂、サウナの中にもTVはあるし、目に入るとつい気になって見てしまうもの。
宿をやっている手前SNSの存在を無視できないし、あの手この手で釣ってくる誘惑に負け、つい中身を覗いてしまうから心を乱される。

人のことを偉そうに言える立場で無いのは分かっているだけに、批判の矛先はブーメランのように自分にも向かってくると肝に銘じておこうと思う。

聖人君子でないなら、沈黙を貫くしかない時代。
まあ、どちらも難しいから悩ましいのだが・・・。

そんな中、TVで唯一楽しみにしていたサッカー日本代表の試合も、イランに負けたことで潰えてしまった。早速こちらも、犯人捜し、吊し上げの罵詈雑言がネットを賑わし始めた。

ケガ人も多く、優勝候補として各国に包囲網を敷かれ、勝って当たり前とばかりのプレッシャーと戦った選手たちはよく頑張ったと思う。日本がワールドカップでドイツやスペインに勝ったように、強いと噂されるチームが負けることもある。そんな選手たちの心の内を察すると、大切な試合を前に伊藤純也選手の処遇が二転三転したことも、少なからず影響を及ぼしたのではないだろうか・・・。

楽しみを奪われたサポーターたちが、何か言いたくなる気持ちは痛いほど分かる。
それを誰でも気軽に言えちゃうのがネットの存在。

毒撒きとガス抜きが入り乱れる世界で、私たちは日々試されているようだ。

映画「哀れなるものたち」

見たいTVも無くなってしまったので、奥さんが見たいと言っていた映画「哀れなるものたち」を一緒に見に行くことにした。

胎児の脳を移植され死からよみがえった女性が、まだ見ぬ世界へ冒険の旅に出るという荒唐無稽なストーリー。

良いも悪いも、正しいも正しくないも、いろんな欲望や好奇心に駆られ行動するのが人間。その一方で、常識やモラル、羞恥心といった心の働きが人を縛るもの。
けれど、この映画の主人公はカラダは大人だけど脳は無垢な子どもという設定なので、そうした欲望や好奇心に歯止めが掛からないまま、体当たりで世界を知っていく。食欲、性欲、知識欲、心の赴くままに成長し、それに翻弄される男たち・・・

こだわり抜かれた、セット、部屋の設え、衣装、小道具など、独自の世界観に彩られた美しい映像に目を奪われがちだが、嘲笑っているのは誰かを考えさせられる、毒のある作品だった。

人間は、素晴らしい可能性を秘めた存在であり、哀れなるものたちでもある。

そう考えると、世間を騒がす人たちも実に人間味に溢れていると言えなくも無い。
そこがAIとは違うし、人としての面白味であったとしても、大人として必要な脳は失わないでいたいな。


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