![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/50366616/rectangle_large_type_2_6506702a87f49c1671bcb65a98a73355.png?width=800)
「A1明朝がウェイト展開されますように…」という願い(への現実的な処方箋)
2023年10月からA1明朝が3ウエイト展開になりました!!!
(末尾に追加情報あり)
「何を打っても(=どんな文字を入力しても)いい感じになる」万能感あふれる〈A1明朝〉ですが、残念なのがウェイト展開がないこと。
「A1明朝がウェイト展開されたら…」という声を聞かない日はありません。
線に同じカラーに設定することで少しばかりの“太らせ”は可能ですが、画数の多い文字ではつぶれてしまい、厳しいです。
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/50174367/picture_pc_2886f0634001f128e517143ec1957273.png?width=800)
〈A1明朝〉にウェイトがなければ〈筑紫Aオールド明朝〉を使えばいいじゃない?
フォントワークスLETSをお使いであれば、〈筑紫Aオールド明朝〉を使うという選択肢があります。まったく同じではありませんが、ニュアンスとしては代替できるかと。
比べてみると、〈A1明朝〉は〈筑紫Aオールド明朝〉の「DよりのM」くらいのウェイトです。
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/50174800/picture_pc_951b3ca2ff0b47e6701d2d4f5d962fb9.png?width=800)
“墨だまり”の差
〈A1明朝〉を〈A1明朝〉たらしめている要素のひとつが“墨だまり”。A1明朝の紹介ページには次のように書かれています。
デジタル書体化にあたって、画線の交差部分に写植特有の墨だまりを再現するなどし、やわらかな印象と自然な温かみを感じさせる新しい書体として生まれ変わりました。
拡大すると、よりハッキリわかります。小さかったらわからないかというと、私たちはニュアンスとして感じるんでしょうね。
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/50175038/picture_pc_2aef0c32eb1d76cc48efe3f27b7404ba.png?width=800)
“墨だまり”を付加する
少し乱暴かもですが「ないなら付けてしまえ」について。
① プラグインで実現する(XtreamPath2の[スマートラウンド]効果)
② アピアランスで実現する
(1)プラグイン
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/50365453/picture_pc_85d183d51fae42e4d74776789b701414.png?width=800)
オススメは「XtreamPath2」というプラグインの[スマートラウンド]効果を使う方法。
効果として適用しますので、グラフィックスタイルとしても管理できます。Illustratorのデフォルトの[角を丸くする]効果に不満を持っている方は要チェックです。
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/50365591/picture_pc_6e9ec7d17d7139d7700c551a8d0f1b46.png?width=800)
(2)アピアランス
「パスのオフセットの重ねがけ」を使うことで墨だまりを表現できます。
![画像6](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/50365810/picture_pc_d72a79bf0f20e44eb577461cdd61f219.png?width=800)
〈A1明朝〉は二度がけでOKなのですが、〈新ゴ〉などの場合には三度がけが必要。汎用的に使い回したい場合には「三度がけバージョン」を用意しておくとよいでしょう。
![画像7](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/50365838/picture_pc_c1d3eb441c3b58eedcf1a0d5810fc5e1.png?width=800)
「しっぽり明朝B1」
FONTDASUさんがリリースされている〈しっぽり明朝B1〉を使う方向性も。墨だまり(〈しっぽり明朝B1〉では「ボケ足」と表現)もデフォルトで再現されていますので、プラグインやアピアランスでがんばる必要がありません。
さらに、ウェイトも揃っています。
![画像9](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/50366153/picture_pc_b9e5a3b951c3ed62e163ff9c1571afa7.png?width=800)
比べてみると、〈A1明朝〉の代替というより、完成度の高い〈しっぽり明朝〉を積極的に利用するという切り替えもアリかと。
![画像8](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/50366061/picture_pc_df07647458745e92a6ee457317ccf8ee.png?width=800)
〈しっぽり明朝〉にはさまざまなバリエーションの感嘆符、疑問符が用意されているなど、逆に使い勝手がよい部分もあります。
![画像10](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/50366318/picture_pc_3ee8b8719b24d754ff6b530b70082893.jpg?width=800)
おまけ
〈A1明朝〉に関して「もじの美貌録(備忘録)」さんの記事が興味深いので紹介します。
追記
[パスのオフセット]効果の重ねがけを使わず、[角を丸くする]効果を使って墨だまりを作る方法を樋口天帝が開発されました!
こちらは先日のイラレ大学でご紹介した、どんなフォントでもA1明朝/A1ゴシックのような墨溜まり表現ができるアピアランス技です。よく紹介されるパスのオフセット重ねがけと違い、狭いところが繋がらず汎用性があり使いやすいです。+DESIGNING Vol.55にも掲載しています。#bauya142 #イラレ知恵袋 https://t.co/70qvE9x4H7 pic.twitter.com/I5FmtHg4t0
— 樋口泰行/イラレおじさん (@higuchidesign) May 23, 2023
「角を丸くする」効果をフォントに直接加えると下のようにパス間で丸くしてしまうため字形が崩れてしまいます。そこでラフを使ってアンカーポイントを増やすことで、丸くする範囲を狭めています。カクカクしたゴシックも感じに角がとれます。#bauya142 #イラレ知恵袋 pic.twitter.com/tE9qDftgVB
— 樋口泰行/イラレおじさん (@higuchidesign) May 23, 2023
[角を丸くする]効果の前に[ラフ]効果を挟みます。
![](https://assets.st-note.com/img/1685107404477-md0nAKiwd7.png?width=800)
なお、このテクニックは+DESIGNING vol.55にて解説されています。
+DESIGNING vol.55の特集記事と連動したサンプルファイルがダウンロードでき、本誌と一緒に操作しながら文字アピアランスの作り方を学習できます。グラフィックスタイルが盛り沢山なのでアピアランス使い回しもできます。フォントはアクティベートすると利用できるようAdobe Fontsを使っています。 pic.twitter.com/JZiRKlOZSg
— 樋口泰行/イラレおじさん (@higuchidesign) March 28, 2023
ほかにも有益なテクニックが満載なので、ぜひ、チェックなさってください!というか支えないと廃刊になってしまうので、余裕のある方は買いましょう!!!
なんと、本家からウエイト展開
2023年10月18日リリースの新書体から、A1明朝が3ウエイト展開になります!やっと!!!
A1明朝が3ウエイトに!!!!!
— DTP Transit (@DTP_Transit) September 13, 2023
>これまで単一ウエイトで提供されていた太さを「R」とし、新たに「M」と、さらに太い「B」が追加 https://t.co/X3LOqtaWUE pic.twitter.com/GqE0itMcsb
サンプルファイル
![](https://assets.st-note.com/img/1685108169257-74p6D1PScr.png?width=800)
ここから先は
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/7425662/profile_a5ee2a599e9dc5d7e0de3dfdbdf04018.jpg?fit=bounds&format=jpeg&quality=85&width=330)
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