見出し画像

【授業レポート】たき工房の本気赤入れをもらいながらグラフィックを鍛えた話


はじめに

皆さんこんにちは
D.TOKYO運営のアヅマです。

D.TOKYOでは現場の実践的なデザインノウハウを学ぶことを目指し、
現役デザイナーやCDOなどのデザインの最前線で活躍されている方を講師に招き、クラスを展開しております。
その中の一つに「すごい赤入れ、たきグラフィックマスター1on1」というクラスがあります。

こちらはグラフィックデザインに特化したクラスであり、
先生を独り占めにできる1on1スタイル。
たき工房の現場レベルのグラフィック表現に関するノウハウをしっかりと学べるクラスです。

当記事ではクラスを紹介しつつ、
実際に授業ではどんなことが学べるのか掘り下げていきます。
この度、アヅマが実際に受講したレポートを綴ります。
では、まいりましょう!

すごい赤入れクラスとは?

まずはこのクラスの概要についてお話していきましょう。
詳しくはこちらに載っていますがざっくり話すと以下の特徴があります。

  • たき工房のベテランアートディレクターの長山大樹さんが講師

  • 1on1スタイルでしっかり学びを深める

  • リモートで授業も添削もやりとりも完結

  • ロゴ パッケージ ポスターと大きく3つのグラフィック課題に取り組む

  • 現場の仕事レベルの細かい赤入れとフィードバックを複数回もらえる

実際に体験して思ったことは、
フィードバックを頂ける先輩やメンバーが横にいない人(僕を含めて)にとってガチの赤入れはとても新鮮で貴重だということ。

公にリリースすることを想定した視点でグラフィック課題を
添削してもらえます。
個人的にやれるところは出し尽くしたつもりで課題を提出しても赤入れが入るので自分では到達できない限界突破を体感できます。(詳しくは次章より)

授業自体は全7回の講義で各回ごとに課題に取り組んでいきます。
座学は1時間程度。
座学と一緒に実践する課題をブリーフィングしていただきます。
次の授業まで二週間あるので、授業後5日後に中間提出をします。そこから赤入れ1回目。
そこからさらに仕上げに入ります。
大体授業の3日前を目処に最終的な課題提出をして
最終的に赤入れをいただきます。
1つの課題に対して2回の赤入れをもらえるイメージです。

整理すると、講座内で合計6個の課題が出題され各2回ずつの赤入れなので、
合計12回の本格的な現場レベルの赤入れをけるということになります。

さて、次の章で
この赤入れや授業の模様などをより具体的に紹介していきます。
今回は第一回ロゴのデザイン制作の回に絞って私の体験談をお伝えできればと思います。

実践的な成長の仕組み

座学:5ステップでノウハウの師事

まずは座学について掘り下げていきます。
座学の内容は、たき工房のロゴ制作の事例を基にノウハウを解説されます。

今回は新商品ハンバーガー「レッドバーガー極み」という商品を題材に、
ロゴ制作のノウハウを伝授していただきました。
ノウハウを大きく5つに区切って解説されています。ざっと並べると以下。

  1. デザインコンセプトを考える

  2. 既存のクリエイティブのリファレンスと分析

  3. アイデア出し

  4. ラフスケッチ

  5. 決定したアイデアをデザインに起こす

今回の課題は、アートディレクターが「レッドバーガー極み」のロゴ草案を既にまとめていて、それを元に高品質なクリエイティブに落とし込むことを想定していました。
ちなみに小規模な会社のデザイナーである私にとって
アートディレクターからの指示や構成案をもとにロゴを制作するというフロー自体とても新鮮でした。

まずは座学にて各ステップの解説をいただきます。
内容は抽象的な感じではなく、5つのステップに分けて解説していただけるので分かりやすかったです。
一方で、「実際にどのステップで力を注ぐか時間をかけるかなどは、自分でまずは考えてアクションしてみてくださいね。」と言う感じだったので5日後の時間配分を自分なりに組み立てて行いました。
「真似するだけでマスター」のような思考的な負荷のかからない状況ではなく、しっかりと考え組み立てて挑む経験の中でノウハウを伝授してくれる点が僕にとっては非常にやる気に燃えました。

ということで実際に取り組んでみました。


いざ、課題に挑戦!まずは概要を読み込む。

まずはアートディレクターからの大まかなデザイン概要/資料を読み込んで切り口を考えていきます。意外にも丁寧に製品概要を読み込むことでコンセプトやアイデアの種となるキーワードが出てきました。
今まではざっくりとロゴの要望を依頼者から聞いて、資料収集をして想像を膨らませて作るということをしがちでした。(特に急いでいる時)
しかし今回の課題を通して気づきがありました。
ロゴにしていく中で序盤にサービスや商品のカタログがある場合はもらい、なければ概要を文章としていただくことも大事なステップだと感じました。
実際に課題では資料に記載のある概要を読み進めていくことで、「カリッとした衣」「あふれんばかりのケチャップ」「カイエンペッパーを練り込んだ特製のバンズ」などの情報からただ単に「辛そうなバーガー」という印象からこだわりを開発者と同じような目線で説明できるくらいの解像度が高まったことを感じました。
この解像度をどれだけ高くできたかが、次の作業工程に大きく影響するんだなと気付きました。

辛すぎずに仕上げた開発者のこだわりを感じます。

次はリファレンス資料収集

先ほどのステップから参考になりそうな表現を
ピンタレストで集めていきました。
「辛い表現」「こだわりを感じるフォント」「燃える炎」などを収集。
ピンタレスト以外にもギャラリーサイトなども徘徊してたらあっという間に時間が。。。
これではキリがないので、自分は1時間くらいで一旦切り上げて分析に入りました。

並べて見て使われているフォント、配色など共通点を見つけていきます。
例えばですが、ビリビリする辛さはフォントがガタガタと配置されていました。となると飛び上がるほどの辛さのハンバーガーではないのであまりアンバランスな配置にはならないのかなと考えました。

リファレンスで見かけたフォントをイメージしながら検証を進めました

アイデアを出していく

リファレンスから大まかな方向性を具体的に言語化していきました。
カジュアルなフォントをベースしつつ「極み」の部分は明朝体にすると指示があったのでそれぞれがうまいこと纏まるように意識して選びました。
文字詰めをしてざっくり配置してみると雰囲気が堅い印象だったので、レッドバーガーの文字を斜体に調整。
そんなこんなで作った初稿がこちら

こちらが初稿

この時点では色はモノクロ提出指示がありました。
「形」を中心にフィードバックと検証を行うのが目的だからです。
極みを一文字にまとめる上で、「み」を単純に小さくするだけでは太さが異なってしまったのでアウトラインを調整するのが大変でした。
この時点では細かいバンズの形などには意識がむいていませんでした。
個人的にはのべ3時間くらいかけたので結構やり切れた感覚がありました。


中間提出と最初のフィードバック

ということで長山さんにチェックしていただきます。
そして、いただいた赤入れがこちら!

すごく具体的な赤入れがたくさん!

おお、、これは今まで体感したことのないフィードバック量。
個人的に思っていた倍くらいの赤入れポイントがあります。ダイジェストでいくつか
一緒に見ていきましょう。

まずは文字から。
確かにこうやってフィードバックをもらうと窮屈に見える
隙間がカタカナの部分に散見されることに気がつきました。
なるべくフォント本来の配置を崩さないように作っていましたが、そのままにして窮屈になってしまっています。

次に極みの「み」が野暮ったくスマートな感じが出ていないとのこと。
こちらも提出時点では「結構馴染んで良い感じ!」と自己満足していましたが、凛とした方が良さそうだな。。と反省。

イラスト部分も見ていきましょう。
ドの濁点について。こちらはあまり主張を控えめに制作を意識していましたが、
「しっかりとした辛さ」みたいな表現が弱いことに気がつきました。
パッとロゴを見て「辛そう。。!」と思わせられてないですね。。。
これはしっかりとクリアしていきたいところ。
後で赤くするから伝わるだろうな〜と思っていましたが形だけでも分かるようにストイックに挑んでいきます。(長山先生ありがとうございます。。!)
とのことで赤入れを見てしっかりと取り組むべきタスクを整理しました。

  • カタカナ部分は見えやすさを重視してアウトラインも変えていく。すっきりと見やすくしていく。

  • 感じ部分は全体的に凛とした統一感が出るように仕上げる。

  • 炎の部分を際立たせ、「辛さ」をしっかりと表現する

  • バンズのディティールを作り込んでいく

これらをクリアしてからカラーリングを行いました。
カタカナは赤系 
漢字部分は金色にして全体的に暖色で構成していきました。

さて、最終提出はこちらでいきました!

こちらが最終提出


そして最終フィードバック

個人的にバンズの内側が辛そうな赤になっていて外側に向かってバンズの色にジワーっとグラデーションにしたところがポイントです。
しっかりとした辛さはありつつも、乱暴な辛さではないイメージで辛さを表現しました。
また、「み」も1から作り直したことですっきりとした凛とした仕上がりにできました。

さて、講義にて長山先生から頂いたこのロゴ課題に関する
最終的なフィードバックが以下。

良いところまでそれなりにいけた!と思っていましたが、
「まだまだやれることがあったとは・・・」というのが率直な感想でした(いい意味で)
総じて文字部分に関してもっと各パーツや配置に統一感が持たせられたのではないか?というフィードバックをいただきました。確かにこれに取り組むとさらに綺麗なロゴになったなと反省。

バンズに関しても青線に準じて作るとより「具沢山ではみ出るようなハンバーガー」の印象が作れることに気がつき、なるほどなと感心しました。

本当にフィードバックありがとうございます。。。!

まとめ

さて、授業のレポートに関してはここまでになります。
ここからは実際に授業を通して得たノウハウや体験が自分にどのような変化を与えてくれたのか振り返っていきます。

まず大きく変わったところで言うと、デザインの準備段階が変わりました。
取り扱う商品やサービスの作られた意図や思い、こだわりを自分で理解できるまで聞いたり調べたりすることで情報の整理やアイデアの出発点になるキーワードを意識して把握するようになりました。
そうすることでピンタレストで漠然と「お洒落そう。なんかかっこいい。」と言う理由だけで資料を集めることなくしっかりと目的をもった資料が作れるようになりました。
また、デザインを検証するときに質問があってもどう言う意図で作ったか。モチーフや表現したかったことはなんなのかなど言語化もしやすくなった気がします。

何よりも1番変わったと思えたことが、良い意味で自分の居心地の良いいつものやり方が使えない経験を得られたと言うこと。
本や動画と違って「自分が好みの題材」ではなく先生から「これが宿題です」と出された課題たちが、自分の技術力や興味の枠からはみ出るものが多かったため非常に刺激的でした。これがきっかけで受講後、今までは「ん〜あまり好きじゃないな。苦手だな。」と億劫になっていたバナーのデザインを模写で取り組んだり、駅や街角で見かけるポスターの構図や情報の整理の仕方などを意識して観察したりしながら散歩するようになりました。
これも授業内でどんどん練習すること、積極的にインプットすることの大切さや面白さを体験できたからだと思います。


終わりに

以上、僕の授業体験記でした。
結果的に長くなってしまった気もしますが、
少しでも授業や学びの様子などのイメージが湧いたならば幸いです。
また、このクラスは卒業後に卒業生が集まるOBコミュニティを設けています。
卒業後も先生とお話ししたり相談できる環境になっているので、卒業してからも繋がりを持てるところもポイントかもしれません。

自分の殻を破る表現をプロのアートディレクターから師事を受けながら作りたいな!
と少しでも思えた方がいらっしゃれば、ぜひ一度リモート面談にお越しくださいませ。
この記事では伝えきれなかった魅力や聞きたい質問についてぜひお話しさせていただければと思います。
最後に
このすごい赤入れクラスの卒業生の方へのインタビュー記事も予定しているので、ぜひこちらのアカウントをフォローしていただければと思います。

では、また!

先生。あの後もう一回作って見ました。。!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?