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今が旬の芍薬(シャクヤク)。咲かないときは頭を洗う!?

お店で芍薬(シャクヤク)が入荷する時期になるとスタッフ同士が、
「芍薬の頭洗った?」とか
「今日の芍薬固めだから、洗っておいてね」
などの会話をしているのをよく耳にします。お花屋さんにとっては普通の会話ですが、新しく入ったスタッフに同じようなお願いをしたら、「???」な反応が返ってきました。その時に初めて、当たり前に話している内容が当たり前ではないことを知りました。

出回り期間がとても短い芍薬ですが、
「長く楽しみたいから固めのつぼみを買ったら咲かなかった…」という話を聞いたことが何度かあります。せっかく買ったお花が咲かないのは悲しいですよね。そこで今回は芍薬を咲かせる裏技をお教えします!

芍薬の固いつぼみには、蜜がついていて、その蜜が花びらやガクなどにくっついて咲かないことがあります。

蜜がついているので、花びらが少しテカテカしています。


つぼみの芍薬を買って来たら、まずその蜜を水かぬるま湯で洗い流してあげましょう。
(お店では沢山入荷する為、洗い流していますが、柔らかい濡れた布などで優しく拭き取ってあげても良いでしょう。)

固いつぼみは洗って蜜を取ってあげます。

次に、たくさん下葉がついている場合は、葉を取ってあげます。葉がたくさん付いていると、葉の部分から蒸散し、水があがりにくくなるので、上から2-3枚だけ残して、残りは取ります。

上の部分の葉だけを残して、下の葉は落としてあげましょう。

お店では【湯揚げ(ゆあげ)】という作業を行って水あがりを良くしてあげます。

湯揚げのやり方と注意点…
1. お湯から出る湯気が葉や花に当たると、変色などの原因になりますので、残す葉と花の部分を新聞などの柔らかい紙できちんと巻いて、茎以外に湯気が当たらないように保護します。
2. お鍋やポットに2〜3cm程水を溜めて沸騰させます。
3. お湯につけると、茎の部分から小さな泡がポコポコと発生します。これは茎の中にある空気が抜けている証拠なので、気泡が出なくなるまでお湯に浸けてください。(目安として30秒ぐらいです)

お店では火が使えないため、ポットで沸騰させて湯揚げを行っています。

4. 茎からポコポコ気泡が出なくなったら、お湯から上げて、すぐに深水に浸けてください。
5. そのまま30分以上水に浸けたままにして、水が揚がるのを待ちましょう。
6. 湯揚げの際に、お湯に浸かっていた下から2〜cmの部分は茎が少し変色します。変色した部分は腐りやすくなっているので、必ず切り落としてあげてから飾りましょう。

お湯に浸かって色が変わった茎(↔︎の部分)を切り落とします。

また、茎を長いままにしておくと、花まできちんと水があがらず咲かないことがあるので、固めのつぼみの場合は、少し切ってあげた方がいいかしれません。

つぼみがとても小さくて固すぎる芍薬は咲かないことが多いので、私たちのお店では極力仕入れをしていませんが、買ってきた芍薬が数日経っても咲く気配がない時は、ぜひご自宅でも試してみてくださいね!

芍薬はお花屋さんに並ぶ期間がとても短いので、お家で楽しみたいという方は今のうちに!

芍薬: かぐや姫
とても大きく美しい花が開きます!

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