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【しろくろ】『雑感』FUJIFILM SUPER CUP 2022「川崎フロンターレ×浦和レッズ」

Head-to-Head

2021年シーズン対戦成績


↪︎リーグ戦:第6節 0-5(埼玉)
      第34節 1-1(等々力)
      川崎の1勝1分
ルヴァン杯準々決勝:第1戦 1-1(浦和駒場)
          第2戦 3-3(等々力)
          アウェイゴール差で浦和が準決勝進出

1.”横綱相撲”vs"奇襲"

今季最初のタイトル戦に挑む両チーム。浦和ではFWユンカー、MF小泉を欠く状態。川崎ではDFジェジエウが昨季終盤の怪我で欠場など、互いにフルメンバー勢揃いとはならなかった。

川崎では札幌から加入したチャナティップ、浦和では馬渡(→大宮)、岩尾(→徳島)が新加入でスタメン出場を果たした。

川崎は「全てにおいて相手を上回るチームを作りたい」と明言した鬼木達監督の意向が表す通り、不変の4-3-3で挑んだ。

一方で浦和は2センターに岩尾と柴戸、両ワイドに右の関根と左に伊藤敦樹を起用。2トップの一角にDF起用もこなす明本を配置した4-4-2を採用。スタメン発表段階ではフォーメーションが予想できない”奇襲”を仕掛ける。

これが大当たりだった。川崎は浦和の配置を確認することが最優先になってしまい、把握するまでの開始10分ほどまで予想していないカオティックな展開を強いられる。

それを尻目に激しい前からのプレスと高いDFラインで落ち着く間を与えない浦和は、その混乱に乗じた江坂がワンチャンスをものにする。

川崎が状況を把握して押し込み始めた展開になってからは、コンパクトな陣形と高いインテンシティでじっくりアドバンテージを活かす戦い方を遂行した。

何よりも前線の6人(柴戸、岩尾、関根、伊藤敦樹、明本、江坂)がゼロトップ的な布陣を敷いて次々にポジションチェンジを繰り返して、川崎に主導権を握らせない。

2.柴戸の覚醒とそれを加速させる岩尾のサポート

特に目を引いたのは加入4年目の柴戸海と、徳島からレンタル移籍で加入した岩尾憲の働き。昨季はプロ入り後最多のリーグ戦30試合出場など、年々その立ち位置を確立する26歳柴戸は、この試合を通してクリエイティブな動きだしと献身的な守備でこの試合の中心に。

徳島時代からリカルドロドリゲス監督の秘蔵っ子として知られる岩尾はその柴戸がこれまで担ってきたバランサーの立ち位置を取り続け、柴戸のプレーにより自由度を与えた。

何より驚くべきは両者のスタミナ。柴戸は後半になってからも途中交代で入ってきた川崎のマルシーニョを封殺するなど、ハイクオリティな役割を90分間維持し続けた。

3.拭えなかったジェジエウ不在の影響

昨季終盤の大怪我で、未だに負傷離脱が続いているDFジェジエウ。本職はSBの車屋がその穴を埋める形で起用されたが、81分の試合を決めた江坂のゴールシーンでは、明本のスピードとフィジカルにうまく対応できずボールキープを許し、失点の土台を積み上げてしまった。

前半には終始ビルドアップでノッキングを起こすなど、CBとしての引き出しの数に不安を残す結果となってしまった。

今季はイサカゼインを横浜FCに放出するなど、ルーキー以外の本職CBがかろうじて山村を残すのみ。未だに復帰時期の目処が立っていないだけに、谷口の相方確立が急務になりそうだ。


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