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[動画10万再生中]藤井聡太名人は将棋界をどう変えたのか?

先日のNHK『クローズアップ現代』番組放送で、藤井聡太新名人竜王について、羽生善治九段が「藤井さんという棋士が現れて将棋界全体のレベルが底上げされた」とコメントしました。

このコメントについて、佐藤天彦九段の名人戦解説記事(藤井・渡辺戦、『将棋世界』インタビュー)、また今年1月の王将戦中継解説時(藤井・羽生戦)および独自取材時のコメントから読み解いていきます。

藤井新名人竜王は将棋界のなにをどのように底上げしたのでしょうか?

そこで、まず羽生当時三冠と人工知能研究者・認知科学研究者との共著『先を読む頭脳』(新潮社刊)を参照したうえで、次に王将戦第一局での天彦九段による解説コメント、そして『将棋世界』(マイナビ刊)に掲載された渡辺・藤井による名人戦の第一局に対する天彦九段のコメントへと接続しながら、藤井名人が将棋界にもたらしていることについて考えていきます。

羽生善治・佐藤天彦九段のコメント

先日のNHK「クローズアップ現代」の放映で、「データベースで過去の戦型別の勝率をみれば、いずれも高く、「藤井の経験の少ない戦型を毎局ぶつける」ことで互角の勝負へと誘った」ことの羽生コメント・ナレーションが紹介されていた。

また、番組冒頭部に、羽生は藤井の存在を次のように述べていた。

「藤井さんという棋士が現れて将棋界全体のレベルが底上げされた」

NHK「クローズアップ現代」

佐藤天彦九段も昨年末、独自インタビュー時に次のように語っていた。

いや、でもどうなんですかね、それこそこう羽生さんクラスの棋士が出てくるということについて、ぼくの世代からすると「あるかもしれないけれど、なかなか想像しづらい」といった感じがありました。……勝負や競技の分野に限らず、音楽や映像技術といった領域においても、そのようなのですが、全体の水準が結構上がっていく傾向も多いようです。将棋の技術についてもそういえます。とはいえ、全体のレベルは底上げされても、トップの人のレベルというものは一定で変わらないかもしれません。

佐藤天彦九段 2022年末 独自インタビュー時

つまり、名人位を戴冠してきた天才トップ棋士同士である羽生も天彦も、藤井の登場と活躍は、将棋界のレベルを上げていると、見做しているということである。

では、改めて藤井は将棋界のなにをどのように底上げした、ということなのだろうか?

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